いたづら秋子さん 二日目夜
ちょっとしたifシリーズ…
もし、秋子さんがもっとお茶目な性格だったら? というSS、6回目です。
注意! 今回は、ちょっと刺激が強いです(爆)
それでは、どうぞ
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ぱちン、と音を立てて、髪留めが外れます。
ふぁさり。
今まで三つ編みにされていた髪の毛が、背中に広がるのを感じます。
そのまま、髪の毛をゆるくブラシでとかしながら、少しずつほぐしてゆきます。
ぱち…ぱちぱち…
静電気の響きを感じながら、私はするするとセーターをまくしあげて、しゅるっと一息に脱ぎます。
スカートのホックを外し、すとん、と床に落とします。
私は…下着姿になりました。
今日は、濃いめのパープルのレースです。
ブラジャーのホックに手を掛け、そして、パンティーをするすると足先から引き抜き…
ついに私は、生まれたままの姿になりました。
そして、目の前のドアに軽く手を置き…
開きました。
…さて。
今日もお風呂に入る時間です♪
私はきれい好きですから、お風呂にはいるときは本当に幸せです。
さっき、祐一さんが入ったばっかりですから、中はもうもうと湯気が立ちこめています。
いつもは祐一さんは遠慮して、私が先にはいるのですが、
今日はたまには、と言うことで祐一さんに先に入ってもらいました。
さて。
まずは、シャワーですね。
使った直後ですから、まだ暖かいはずですね。
シャワーの先端を鎖骨の辺りにあてがい、蛇口をひね…
「ひぃやっ!?」
しゃわわわわわ
つっ、つっ、つっ、つっ、つっ、つっ、
冷たいです!
水です!
びっくりして、変な声をあげてしまいました。
慌てて、シャワーを止めます。
一筋の冷たい流れが私の肌をつたい、緩やかな曲線を描きながらタイルにしたたり落ちます。
そういえば…
祐一さん、前に「俺、最後に水で顔を洗わないとスッキリしないんです」なんて言ってましたね…
冷水を使ったなら、さっき私に言っておいて欲しかったです…
はぅ…鳥肌が立っちゃいました…
それに、身体もすっかり冷えてしまいました…
今度は、ちゃんとお湯になったのを手で受け止めて確認してから、身体へと移行します。
しゃわわわわわ
ほわほわ…
大丈夫ですね。お湯になりました。
私は安心すると、冷えた身体に思いっきり暖かなお湯を浴びました。
しゃわわわわわ…
ああ…
とっても、いい気持ちです☆
全身にまんべんなくお湯を浴びせます。
お湯は細い肩から豊かな膨らみへ、太ももから足首まで止めどなく流れ、熱で私を包んでいきます。
ふと、姿見に写っている自分の全身を眺めます。
さすがに、肌がお湯を弾く、とまでは行きませんが、まだまだ、張りのあるお肌です。
つんつん
弾力もなかなか。
さらさら
肌触りもすべすべです。
まだまだ、私も捨てた物じゃないですね♪
なんて、思ってみたりします。
*
シャンプー後、リンスをした髪の毛をタオルにくるみ…
ゆったりと、私は湯船につかります。
はぁ…
生き返る思いです。
こうして…
のーんびりとしていると…
色々なことが…
そう言えば…
今日は、なんだか随分と祐一さんをいじめてしまったような気がします。
ちょっとだけ、申し訳ない気持ちになります。
ごめんなさいね、祐一さん。
でも。
でもでも。
これも全て、祐一さんがあんなに可愛いからいけないんですよ。
今朝のあのびっくりした祐一さんの顔も…
お買い物に出かけたときの照れた顔も…
どれもこれも、とっても可愛いです。
ふふ…
祐一さん…
自然に、笑みがこぼれてしまいます。
私は顎の辺りまで深く浴槽に沈み、楽しい回想にふけります。
*
はぁ…
はっ?
気が付くと、なんだかぼーっとしていました。
いやだわ、のぼせちゃったのかしら…
お風呂に付いている時計を見ると、大分長い時間湯船につかっていた事が判明します。
私はざばぁと湯船から身を起こすと、ちょっとふらふらする身体を何とか支えつつ、身体を外に出します。
はふぅ…
くらくらします。
完全に、のぼせてしまいました…
仕方ないですね。
このまま、回復するまで待ちましょうか…
と、思っていると。
ふいに、脱衣場の扉がからからと開く音がしました。
「えーっと、ひげ剃り、ひげ剃り…」
……!
なんと言うことでしょう。
ゆ、祐一さんが来てしまいました。
で、でもまさか…
こちらの扉まで、開けたりはしないわよね?
「無いな…風呂場の中か?」
え、ええっ!?
ゆ、祐一さん!
そ、そんな。
中には、まだ私が居るんですよ!?
「音…は、してないから、居ないよな」
祐一さん。その前に、居間やキッチンを見て、私が居ないのを確認して下さいね。
…そんなのんびり考えてる場合ではありません!
「秋子さん、居ますか?」
(「居ます」)
(「ああ、なんだそうですか。すいません」)
…と、こうなればどんなに良かったか。
のぼせた私は祐一さんの登場でさらにパニックになってしまい、何を言うべきかなんて意味のないことを迷っていると…
がちゃ
は!? や、ちょ、あ、あの、や、あ、ああっ!
「ひげ剃り、ひげ剃…」
「………」
無言で見つめ合う、祐一さんと私
ああ、熱い
祐一さんの視線が熱いです
もちろん私は今、オールヌードです
さっきも確認したとおりまだまだ綺麗な身体です
見られても大丈夫
…そう言う問題じゃありません
では、どういう問題なのでしょう
えっと、いま、私は、
祐一さんに、
裸を見られています
って!?
「……ぃやあぁぁぁぁぁぁ!」
「どわっ!? す、すすすすすすすすすすすすいません!!」
私の叫び声に我を取り戻したのか、祐一さんが慌てて扉を閉めます。
ひぅ…あぅ…
私、祐一さんに…見られてしまいました…
ぅぅぅ…どうしたらいいんですか…
恥ずかしいを通り過ぎて、卒倒しそうです…
すると、祐一さんが、フォローのつもりなのか、扉ごしに声をかけてくれます。
「え、えっと、あの、その」
祐一さんも相当戸惑っているようです…
何を言うべきか、考えているようです。
そして。
「その…秋子さん」
「はぃ…」
「身体…綺麗でしたよ」
まぁ。嬉しいです。
…
…
…
!!!
イやぁ!
フォローになってません!
祐一さんもさすがに言ってからしまったと思ったのか、
「すいませんでした」とか細く呟いた後、そそくさと出ていってしまいました。
綺麗でした…
なんて…
そんな、私の身体をじっくり見ていたのですか?
祐一さん…
イヤ…
もう、死ぬほど…恥ずかしいです…
へたへたと、その場に座り込みます。
私はそのまま、一度暖まった身体が冷えるまで、そこにじっとしているしか為す術はありませんでした。
祐一さんったら…
もう、もう、もう、もう!
(秋子さん惜敗! 現在四勝三敗)
(続く)
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えいや。F.coolです。
シャワーシーンの描写は、もっと細かい方が良かったでしょうか?(爆)
では、また次回。
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