いたづら秋子さん お風呂上がりですよ その1


お茶目な秋子さんシリーズ。
三部作。
勢いに乗って、れっつら どん。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 ふぅ…
 洗いざらしのバスタオルを巻いた体中のそこかしこから、ほわほわと湯気が立ちのぼります。
 そう、今、私は、お風呂上がりです。

 今日は楽しみにしていたドラマを見ていたため、お風呂にはいるのが遅い時間になってしまいました。

 そのせいでしょうか、いつもよりゆったりと、ちょっと長湯してしまいました。


 はぁ…体中が、火照っています。
 とっても、熱いです。

 頭も、ぼーっとしています。

 はふぅ…
 吐息を漏らします。

 ううん、熱くて…
 なんだかすっきりしません…


 私は、身体をクールダウンするために、何か飲み物でも飲もうとそのままの姿でキッチンへと向かいました。

 そうです、バスタオル一枚の姿で。
 ああっ…思い出しただけで恥ずかしくなります。
 どうしてあんなことをしたのかしら。
 いつもなら、絶対にそんな恥知らずな事はしなかったでしょう…

 でも、その時は、身体が熱くて妙に開放的になっていたのと、
 時間が時間ですので、誰もいないだろうという安心との、
 二つの要素が複雑に絡み合って、そういった行動をとってしまいました。



 ふぅ…

 ぺたぺたと廊下を素足のままで歩きます。
 冷えた空気が火照った肌に気持ちいいです。

 さて、キッチンにつきました。



 ごそごそ…

 あら? 何か、物音がしますね。



 私が、様子を見ようと中に入ってみると…



「えーと、なんか夜食になるものは…」





 ゆっ。
 祐一さん!?


 大変です、と私は慌てて逃げようとしました。
 でも、時はすでに遅かったのです。


「…ん?」

 気配に気づいた祐一さんが、こちらに顔を上げます。





「……」

「……」


 そのまま、祐一さんの動きが固まりました。


 じーっと、私のことを見ています。


 いや
 そんな、見ないで下さい


 さっき冷ましたばかりの身体が、また再びカーッと火がついたように熱くなります。

 祐一さんは、どうしたらいいものか、私のことをそのまま見つめ続けています。


 恥ずかしいです
 いや、いや


 そう、そして…
 ああっ…思い出したくないです…

 私が、恥ずかしさのあまり身じろぎすると、巻いていたバスタオルがゆるんで…








 はらり   ぽとっ




































 ああ……

 意識が…遠のきます…







 まぁ。
 大きいですね。
 登山用テントかしら?


 私が覚えているのはそこまでで…そのまま、卒倒してしまいました。





次回へ

Libraryへ   トップへ