「祐一、名雪にマッサージをする」(前編)


こんばんは、F.coolです。

今回は、エッチ度・萌え度・浪漫度を、当社比150%でお送りします。
しかし、マッサージ度はダウン(苦笑)


あらすじ。

そんなこと別にいいでしょうに・・・・・まあ・・・・・
秋子さんにマッサージした祐一、そこに乱入してきた名雪。
・・・・これだけなんですけどね・・・・・
さあ、本編へ!

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「仲睦まじいよ〜」

 いきなりそう言って現れた名雪に、俺と秋子さんは呆然とする。
 思わず手のマッサージを止めてしまい、阿呆のようにぽかんと口をあける。

「な・・・・名雪・・?」

なんなんだ、一体。

「お母さんばっかりずるいよ〜」

 ・・・・
 ははぁ。
 ようやく合点が行く。
 どうやら名雪は、俺が秋子さんにマッサージしているのを見て、なんだかうらやましくなってきたらしい。
 まあ、軽い嫉妬心のようなものだろう。

「あらあら」

 そう言う秋子さんはやっぱりどこか嬉しそうだ。

「私も、私も」
 名雪がせがむ。
「そうね、祐一さん、名雪にもしてあげたらどうです?」
 さらに、秋子さんにも促される。

 しかし・・・・
 いまいち気が乗らない。

「待て、名雪・・・・第一お前、さっきしてやろうかって言ったら、
 いいって言ったじゃないか」
 陸上部で毎日して貰ってるからいい、と。

「気が変わったんだよ」

 おいおい・・・・

「でもなぁ・・・今、秋子さんにしたばっかりで疲れてるんだが」

 マッサージというものは重労働だ。
 手先だけの運動に見えて、そのじつ全身でもってじっくりと力を入れていく。
 これで疲れなかったら嘘だ。

 しかし名雪はそれでも引き下がらない。
「じゃ、じゃあ・・・・私、今からおふろに入ってくるから、その後って事でどうかな?」

 どうかなじゃねえよ。
「だからさ・・・もう、今日は・・・・」

 そこまで言いかけて、ふと、名雪の姿をよくよく見つめる。
 すでに名雪は私服に着替えていたが、スタイルの良さはその上からでも十分に見て取れる。

 形良い胸。
 くびれたウエスト。
 引き締まった脚。

 ・・・・・・・
 
 妄想が俺の脳髄を駆け抜ける。

 ・・・・・・・

 人間の煩悩は108つあると言うが、きっと俺はそれ以上あるのではないだろうか。

「ま、まあいいか・・・・」

 如何にこの身が疲れていようとも。
 それが悲しき、男の性よ。

「ホント?ありがとう、祐一」
 名雪は心底嬉しそうだ。

「良かったわね、名雪」
 秋子さんも嬉しそうだ。

「しょうがないな」
 俺も割と嬉しかったりする。

 しかし・・・秋子さんは、年頃の自分の娘が、従兄弟とはいえ若い男に体中をまさぐられるというのに、何の抵抗もないのだろうか。
 ふと、秋子さんを見る。

 すると秋子さんは、全てを見透かしたように、「信用していますよ」とでも言いたげに
 ニッコリと笑った。

 う〜ん・・・・やはり秋子さんはわからない・・・・・




三十分後。

「さ、さ、こっちだよ」
 おふろから上がった名雪は、俺を見つけるとまるで子供を連れていくように手を引いて、
 妙に張り切って二階の自分の部屋へと連れ込む。

 一体、何が名雪をそうさせたのだろうか。
 俺にはいまだによく分からない。

「ふみゅぅ」

ぽふっ。

 名雪は部屋にはいると、わき目もふらずベッドにうつ伏せに転がった。


 表情が俺に向き、熱を帯びた流し目がこちらを捕らえ、
「さ、祐一、来て。」


 ・・・・・お前は男を誘う娼婦かっ!
 とつっこもうと思ったが、「娼婦って何?」なんて純真なキラキラした目で聞かれたら
 たまったものではないので、やめておいた。

 まあ、名雪のことだ。きっとなんにも考えていないのだろう。うんうん。

 しかし・・・・

 おふろ上がりの名雪は、まだぽかぽかと全身から湯気を立たせていて、
 ちょっとめくれたパジャマからのぞく、薄赤く火照った肌が悩ましい。


「ふにゅぅ・・・」
 ふにゅうじゃないよ名雪。

「早く・・・」
 おい・・・・誘ってるんじゃないのか、本当は?・・・・・

 俺の心に赤黒い欲望の炎がちろちろと舌を覗かせる。

 だが、もし襲ったとしたら、それは・・・・
 秋子さんの信頼を裏切ることになる。
 それがどんな意味を持つのか・・・・・想像できないほど俺は馬鹿ではない。


 しかしなぁ・・・・
 名雪の我が儘に付き合わされて、
 その上意図してないとはいえ男の本能をくすぐられ、
 マッサージだけで済ませろというのも・・・・・

 ・・・・・

 そうだ。
 マッサージだ。

 何をしようが、マッサージの範疇におさまっていればいいだろう?
 ・・・・ふふふ。 

 よし・・・・

 なんとも不埒な決意をした俺は、ベッドの上に乗り上げ、名雪の足首を掴む。

 さて・・・まずはセオリー通り、足の裏からだな。

ぐぐっ・・・・
 土踏まずにゆっくりと力を込める。

「くぅん」

 名雪が鼻に掛かった甘い声をあげる。

 だが、土踏まずなんか面白くもない。
 そこそこに済ませ、次へと移る。

 次はアキレス腱・・・と。

 しかし、アキレス腱に手を掛けたところで、

「あ・・・待って、祐一」

 名雪が俺の行動を制する。

「なんだ?」

「あのね、脚の方は、部活でやって貰ってるから、もういいよ」

 脚はいい?
 おいおい・・・・・
 では、このカモシカのようなすべすべの脚に、触ることは出来ないのか・・・・
 俺は一気に気勢をそがれる。
 だが、俺も男。転んだからとてただでは起きない。

「じゃあ・・・軽く、さするくらいなら、いいよな?」
「え?うん・・・・それならいいよ」

 俺がその返答を聞いて、思わずニヤリと薄く微笑んだのが誰に見咎められたろうか。

 ではまず・・・・

 パジャマの上から、ふくらはぎをゆっくりとなぜる。

しゅ、しゅ

 ふにふにと手のひらに淡い感触が伝わり、これだけでも充分心地いい。
「うにゅ・・・・・・」
 名雪も気持ちよさそうに、安心してくてッと脱力している。

 そこで。

「やっぱり、直にやらないとだめだよな」
「え?」

 名雪がその言葉の真意をとらえきれず、きょとんとしている間に!
 一瞬の隙をつき、パジャマの裾から、しゅしゅっと手を中に差し入れる。

「ひゃぁぁっ」
 名雪が頓狂な声を出す。

 やはり、直の方が感触がいい。
 俺は柔らかく暖かい名雪のふくらはぎを、存分に揉みほぐす。
 しかし決して力は入れず、じわり、じわりと指を躍らせるように撫でるのだから、タチが悪い。

「やぁっ、やぁだぁっ、やめてよ、祐一ぃ・・・」

 名雪がそのくすぐったいとも気持ち悪いとも言えない不思議な感覚から逃れようと、
 脚をじたばたと暴れさせる。

 しかし悲しいかな、一度パジャマの中に潜り込んだ俺の腕は容易に抜けず、
 そればかりか名雪が暴れる度にさらに奥へと向かって侵入していく。

 拍子に、太股をさわり、さわり。

「ふやぁぁぁっ」

 声が響く。
 自分で招いた結果なのだから、名雪も我慢するしかない。

「祐一ぃぃぃ・・・早く、早く抜いてよ」
 バカメ。
 そう簡単にこの美味しいシチュエーションを手放せるか。

「おお。大変だ。絡まって抜けない。」

 俺はわざとらしく状況を説明する。
 もちろん、嘘だ。

「ええっ!?」

 しかし名雪は信じている。

「そんなぁ・・・・」

 世にも情けない声をあげる名雪。
 その困った顔は、ますますもって俺の欲望を掻き立てる。

 まだまだ。これからだ。

 俺は腕を抜こうともがく・・・・
 フリをして存分に名雪の太股を触りたくった。


 しなやかに、俺の手は蠢き。

すにすに。
「ひゃふぁぁ」

 すべすべの真白な肌から。

てふてふ。
「ふみぃ、みゅう」

 暖かな体温が手のひらに伝わり。

にむにむ。
「やっ、やぁぁぁ」

 柔らかく、俺を魅了する。

 だんだんと名雪の熱は高まり、じっとりとした汗がにじみ出す。
 可愛いぜ、名雪。

 名雪は、どれもこれももし秋子さんに聞かれたでもしたら相当まずいような声をあげるが、
 さすがにその辺はギリギリの自制心が働くのか、
 嬌声はドアを突き抜けて部屋の外に漏れ出るほどの音量は持っていなかった。

「ふぅむ。大変だ。なかなか抜けないなぁ」

 棒読みのセリフ。
 しかしパニック状態の名雪にはそれでも十分な効果を与える。

「ええっ・・・やだよ、早く何とかしてよ」
 前より一層情けない声を出す名雪。

 ちょっとかわいそうになってきた・・・
 う〜む、もう潮時かな。
 ま、もうちょっと楽しませて貰おうか。

 そう思って、俺がさらに少しだけ腕を中に差し入れると、

さらっ

 おや?
 今までとちょっと違った感触が俺の指先に伝わる。
 むむ?なんだこりゃ。
 俺はその妙な感触を確かめるように、カリカリと軽く爪でこする。

「ぁっ・・・・ぁぁっ・・・・」


 ふむふむ。
 どうやら、この感触は、布らしい。

 ・・・・布?

 太股の奥にある、布?

 ということは。

 こ、これは・・・・

 名雪の

 パ、パン・・・








「ゃぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!!」

 名雪が静かに、しかし激しく叫ぶ。
 混乱のせいか、喉が詰まって大きな声を出されなかったのは、不幸中の幸いといえよう。
 しかし。
 いくら何でも、こりゃやりすぎだろう。

 ああああ。名雪の目に、何か光ってる。
 さすがに、涙ぐませるのは、やりすぎだ。

 俺は慌てて腕を抜こうとする。
 しかし何という運命の悪戯!

 今度は本当に俺の腕がパジャマに絡まってしまった。

「ま、待ってろ名雪、すぐ抜くから」

 しかし名雪は、俺の言葉など最早上の空だ。

「やっ、やぁだぁぁぁぁぁっ!やだっ、やだよっ!」

 何とかこの状況から逃れようと、じたばたと藻掻く。

「わっ、やめろ、名雪」

 かわいらしいネコのプリントが縦横無尽に暴れまくり、
 俺の腕もそれにつられ、上下左右に空を切る。

 じたばたじたばた。

 ええいこの、落ち付けって!

 しまいには、俺自身すら自分の腕がどこにあるのか判らなくなった。



(後編へ)
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