祐一、真琴にマッサージする(?)


どうも、久方ぶりの投稿となりました、MyKeで御座います。
あまりに久しぶり過ぎて、“カノ学のオリジナルキャラ”と思っている方もいるかもしれませんが、私は実在の人物です。(爆)

尚、読んでやろうという方、是非とも心を広く持っておいて下さい。
如何なる事故があろうとも(ツマラナイ、嘘、大袈裟、紛らわしい等)、責任は負いかねますので。(ぉ

(前回までのあらすじ)
 師匠の、マッサージへの飽くなき探求。
 いつか萌え過ぎて、えいえんの世界に旅立ってしまうのではないかと、読み手を冷や冷やさせながらも、滞りなく満期を迎える。
 以降、師匠の意志を引き継ぐ者、青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし。
 おぉ、古き言い伝えは真であったとかなかったとか。


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「うぅ・・・ぐす・・・」

突然だが、俺はベッドの上で横になりながら感涙に咽んでいた。
学校帰りに買った小説が、思いの外感動的だったからだ。

「うぐぅ・・・えぇ話や・・・」

感動の余り、あゆの口癖、及び何故か関西弁が洩れてしまう。
これほど心の琴線に触れてきた本に、久しぶりに出会ったせいかもしれない。
読み終わって気が付くと、目元に涙が溜まっていた。

俺も涙脆くなっちまったなぁ・・・。

いつの間にやら年を取ったものだ、とやたら老けたことを考えながら、涙を拭おうと傍のティッシュに手を伸ばした。

・・・と、

 ドタドタドタドタッ

ドアの向こうから、けたたましい騒音。
・・・階段で走り回るヤツと言えば、この水瀬家には一人しかいない。

――真琴だ。

廊下は静かに歩けとアレ程言ったのに、全く人の話を聞こうとする意志がまるで無い。
この小説に出てくるヒロインのように、少しくらい乙女らしくして欲しいものだ。

 ガチャッ

「あぅ〜っ、祐一!!」

案の定真琴だった。
ぴろを頭の上に乗せたお決まりのスタイルで、俺の部屋へとノックも無しに飛び込んでくる。

「何のようだ? この部屋に来ても肉まんは無いぞ」

真琴の所為で、一気に感慨を吹き飛ばされてしまった俺は、多少ぶっきらぼうな口調で真琴に答えた。
しかし、真琴はそんな俺の態度に気付いていないのか、全然気にした風も無く話を続ける。

「あのね、美汐から聞いたよっ。祐一、マッサージが巧いって」

「あぁ、その話か・・・」

耳が早いというか何と言うか。
あんなに恥ずかしそうにしてたくせに、美汐も案外お喋りだな。
察するに、自分にもマッサージをしろ、ということか。

真琴にマッサージ・・・ねぇ。

俺は腕を組み、真琴の身体を頭の天辺から爪先ま眺めてみた。
こうしてマジマジと真琴の身体を観察するのも久しぶりだな。

「フム・・・」

小柄で、線は細い。
が、出るところはしっかりと出ている。
知らない内に、ずいぶん真琴も女らしくなっていた。
やたら急に発育が良くなった気もするが・・・今が真琴の成長期なのだろう。

成長期・・・。
けものむしゅめ・・・。
マッサージ・・・。

「・・・・・・ぎゅふ♪」

俺の頭の中で逞しくなった煩悩が、含み笑いを洩らさせる。
しかし、寸でのところで顔を背けたので、だらしなく弛んだ表情は真琴には見られなかったはずだ。
もしそんな顔を見られようものなら、何を言われるか分かったもんじゃない。

ともかく真琴の身体の上をこの指が這うことを想像すれば、弥が上にも期待は高まろうというもの。
宙を掴む手にも、そこはかとなくオーラ力が篭もってきているように感じられる。

「でねっ、ゆうい・・・」

「分かった、真琴。御名まで言うな。さぁっ、そこのベッドで横になってくれ!!」

「えっ・・・あ、うん」

 ててて・・・

俺の言葉に素直に従い、小走りでベッドへと向かう。
そして、

「んしょ」

真琴はベッドに・・・

「うな〜」

・・・ぴろを横たえた。


















                『祐一、ぴろにマッサージする(ぉ』















「うにゃぁ」

ベッドで仰向けになっているぴろが、鳴き声をあげる。

「・・・・・・・・・・・・おい」

「何?」

「・・・お前じゃないのか?」

「何が?」

「だから、マッサージをして欲しいのはお前じゃなかったのか? 天野に俺のマッサージテクニックを聞いたんだろ?」

「うん・・・でも、美汐が『相沢さんの腕は確かですけど、してもらうときは気を付けなさい』って・・・」

くっ・・・天野のヤツ、余計なことを・・・。

「で、ぴろを実験台にして、俺のマッサージを品定めしようっていうのか」

「うん、そう♪」

「・・・お前ってヤツは・・・」

「もし祐一の腕が信用できるようなら、あたしもやってもらうからね」

ほほぅ。
つまり、ぴろを倒さねば真琴には辿り着けないということか。

ふっ・・・ぴろを昇天させた後はたっぷりと可愛がってやるからな。
後で吠え面かくなよ。

「ほえづら?」

・・・うっかり声に出ていたらしい。

「い、いや、コッチの話だ。じゃぁ、始めるぞ」

「うんっ」

と、言ってはみたものの・・・猫にマッサージなんてしたことないぞ・・・。

まぁ、何事もやってみないことには分からない。
まずはマッサージの定番、肩からやってみるか。

俺はぴろの肩(?)に手を掛けて、親指の腹で押してみた。

 ぐいっ

 ふにょっ

「・・・あれ・・・?」

次は背中のツボ(?)を押してみる。

 ぐにっ

 ふみょんっ

「・・・くっ・・・」

 ぐにゅにゅにゅにゅにゅにゅ

 ふみょみょみょみょみょみょ

「だあああぁぁぁぁ!!」

「・・・どうしたの?」

「ふにふにし過ぎてて、全然マッサージにならないぞっ」

「何、できないの?」

「できないっていうか・・・猫ってのは元々間接の柔らかい生き物じゃなかったか?」

「なーんだ、祐一のマッサージの腕も大したことないのね」

 ぴしっ

真琴の一言に、俺のマッサージ師としてのプライドにひびが入る。

「お前・・・今、何と申した・・・」

「祐一の腕も大したことないって」

 ぴしぴしっ

「真琴・・・その台詞は聞き捨てならないな・・・」

「だって、できないんでしょ? 柔らか過ぎてマッサージにならないって言ったじゃない」

「ふっ、俺のテクニックを甘く見るなよ・・・。肩や背中だけがマッサージだと思ったら大間違いだ!!」

そう言って、俺はぴろの腕を摘んだ。

ここなら、柔らか過ぎて揉めないなどということはないだろう。
ひょっとしたら真琴の頭にしがみ付くのに、意外と腕力を使って疲れが溜まっているかもしれない。
もっとも、コレは俺の勘なわけだが・・・このまま真琴にバカにされっぱなしで終わるわけにはいかないのだ。

 ごくり・・・

妙な緊張感の中、俺はぴろの腕を摘む指に力を込めた。

 きゅっ

すると、背中や腰と違った弾力が返ってきた。
ちゃんと力を入れて揉めそうだ。

 くにくに

力加減が難しいが、人間にやるそれと同じように、ぴろの腕を揉んでいく。

「うなぁ〜・・・」

一つ、鳴き声。

やっている俺もビックリだが、どうやら気持ちいいらしい。
この瞬間、俺のマッサージは種族間を超えた。

「あぅ〜。ぴろ、気持ち良さそう」

真琴も感心顔だ。
これで面目躍如といったところか。

俺は調子に乗って、ぴろの四肢をマッサージしていった。
その度にぴろは気持ち良さそうな鳴き声をあげ、4本の足全てがマッサージし終わる頃にはぴろも眠そうに目を細めていた。
それも、仰向けで大の字という無防備な態勢で。
それだけ俺のマッサージが巧かったという証だ。

「ふぅ・・・じゃぁこれで・・・」

「ねぇ、祐一」

「ん?」

「しっぽは?」

「・・・しっぽ・・・か?」

真琴の言葉通り、猫の中でもかなり長めの尾がぴろの臀部から延びていた。

気付いていないわけではなかったが、猫というのは得てしてしっぽを触られることを嫌がる場合が多い。
しかも人間には無い物だ。
さっぱり勝手が分からない上に、それをマッサージできるなどとは到底考えられない。

しかしぴろは、ここまで平気な顔でマッサージを受けられる猫。
そんじょそこらの猫と一緒にしてはいけない。

案外新しいツボでも見つけられるかもしれないな・・・。

そう思い立って、引っ掻かれないように注意をしながら、俺は思い切ってぴろのしっぽにそっと触れてみた。

 ちょん・・・

 ぴくっ

ぴろのしっぽが、一瞬別の生き物であるかのように跳ねた。
ちょっとビックリしたが、どうやらぴろ自身に動きは無い。
どうやら引っ掻かれることはなさそうなので、少し撫でてみることにした。

 さすりさすり

「・・・う、んぅなぁぁぁ〜」

またぴろが鳴き声をあげる。
気持ち良さそうだ。
気持ち良さそうなのだが・・・何かが違う気がする。

「ん・・・うなふぅ〜」

桃色吐息を吐くぴろ。

こ・・・これは!?

俺はなんとなくアブナイ雰囲気を本能で感じ取り、慌ててぴろのしっぽから手を放した。

「あれ? どうしたの?」

「あやややや、やっぱりしっぽは嫌みたいだ。うん、やめておいた方がいい」

「でも、ぴろ気持ち良さそうだったけど・・・」

『それは感じていると言うんだぞ、真琴』

と、言ってやりたかった。

「いや、ぴろは嫌がってた。マッサージしていた俺には分かる」

「う、うん・・・そうなんだ・・・」

真琴も腑に落ちないといった表情をしながらも、俺が断言してやるととりあえずは納得したようだ。
とりあえず、男(オス)を感じさせるなどという、屈辱的な事態からは免れることができた。

しかし常々思っていたのだが・・・今日のマッサージで確定した。

ぴろは変な猫だ。
間違いない。

まぁこの真琴が飼い主なのだから、どこかズレたところでもなければ、付き合いきれないのかもしれない。

「さて、最後は手の平のマッサージで仕上げだな」

秋子さんにも好評を頂いたマッサージだ。
最後はこれで締めるに限る。

俺はぴろの腕を取って、手の平マッサージを始めた。

 ぷにっ

「んあ?」

・・・いつもと感触が違った。
当たり前である。
そこにあったのは・・・

――肉球。

人間の手の平と随分構造が違う・・・。
果たしてこれも人間と同じようにマッサージをして効くのだろうか?
不安だ・・・。

・・・まぁ、悩んでいても仕方無い。
何事もやってみないと分からないと、始めたマッサージだ。
とりあえず、チャレンジしてみよう。

俺はぴろの肉球に親指を添えて、再び肉球を押してみた。

 ぷにょっ

・・・お?

 ぴにょぽにょっ

・・・おぉ!?

 ぷにぷにぷにぷにっ

「こ・・・これは・・・」

き、気持ち良か〜。

ぴろが、ではない。
俺が。

猫の肉球がこんなに気持ちのいいものだったとは・・・。

俺は、新しい快感に目覚めてしまった。

 ぷにぷにぷに〜萌え〜
 にくきぅ〜萌え〜

「ちょっ・・・ちょっと祐一、どうしちゃったの?」

「・・・えぁ?」

気が付くと俺は半笑いでぴろの肉球をひたすら揉んでいた。
傍から見れば、それはそれは不気味な光景だったことだろう。

「い、いや・・・な、何でも無い・・・」

「・・・? ・・・変な祐一・・・」

真琴の不思議そうな視線を浴びながらも、俺は隙を見てまたぴろの肉球で遊ぼうと考えていた。

「うなぁ〜(了承)」













                    (『マッサージ真琴編』へ続く)



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(あとがき)
 ・・・何じゃコレは。(汗)
 しかも面白くなーーーーい。
 師匠、ゴメンナサイですぅ。(;;)

 そんなわけで続きます。
 いつになるか分かりません。
 萌えません。
 期待しないで下さい。(ぉ

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