伝統ある松平家の副業




「剣道と剣術は異なる物であるからにして……それは……」

 時は既に平成の世の中。
 さるる道場の実質的な主である中本夕月から零れる言葉は、現代ではまず耳にしない。
 とうとうと続く夕月の教訓を彼女と同じように正座し静聴するのは、教え子の少年剣士が一人である。

「剣道、武道、茶道、古の武士達は全てに道を求め、心身ともに鍛錬する事を……つまり……」

 近所の少年少女を集めた剣道教室の中で、彼だけは一人中学生の立場に居た。
 少年は、夕月の口調事態やけに時代がかってる事について、最初の内は不可思議に思った物で、
 他の教え子達のように、それらをすんなりと受け入れるのは難しい程度には幼さは抜けていた。
 しかし、中学の三年にもなるが、それにては背丈も低く、顔もまだ童顔らしさが抜けきれないように見える。

「……しかるに、道があってこその術、それを忘れれば、修羅へ落ちる事になり……
 その事を胸に秘めねば、真の大成は……」

 彼自身は夕月の教えを乞うよりも、少年達の指導の手伝いが多いとか、
 それでもこの道場に通うのは指導者が真の武芸者であると惚れこんでいるからとかは、蛇足である。
 ともかく、 元々はまだ学校に剣道をする機会が無い小学生の弟の為に連れてきた場所であるが、
 彼女の凛とした美しさ、そして熾烈なる強さに惹かれ、
 中学の部活の合間を縫って邪魔させてもらっている訳だったのだが、
 こうして、他の少年剣士達が帰った後、自分だけが引き止められるのは初めての経験であった。
 理由を説明するより前に、前述の話が始まっている。
 けしてつまらない話では無いのだが、真意はようとして知れないから、
 つきまとう疑問のせいで、話をうまく噛み砕けないで居る。

「……という訳だ」
「……はい」
「……」
「……あの、それで、先生、本題はなんなんでしょうか?」
「な……」

 男性としてはは高い音程の声による少年からの返事に、夕月はらしくなく動揺した。
 顔が赤いのは、差し込む夕焼けの茜だけからではなかろう。
 そう言えば、話の途中だって、僅かではあるがこのように戸惑ったり、
 顔を赤くしたりしてなかったか、まるでそれを隠すように、再び話し出したりしていたが。
 今も、揺れる自分を無理矢理抑え付けるように話し始めた。

「つ……つまり、剣の道は人の道で御座ろう。君も私に習う者であれば、人として為すべき事が」
「為すべき事ですか?」
「そ、その通り! ……本当は気づいておろう、何故居残されたか」

 そう言われても、全く解らない。
 心当たりがあるだろうと言われても、
 少年はそれを偽らぬ事くらいしか師匠である夕月に誠意を示せなかった。

「ご、ごめんなさい、皆目」
「ま、まだしらばっくれるというのか!」

 遂に激昂までして立ち上がる彼女に、少年は思わず後退る、……だが

「……んひぃ……♪」
「……先生?」

 面を打つ時のような、道場に張り詰めるあの声とは全く違う、やけに甘ったるというか、
 もっといえば、いやらしい声が漏れた。
 折角立ち上がったのにまた彼女は座りなおす、それも正座ではなく、股のあたりを押さえ込みながらだった。

「あの、お加減が悪いのでしょうか?」

 心配して声をかけたのだが、夕月は、彼のその気遣いも耳に入ってない様子である。
 顔はますます紅潮して、動揺はよりはっきりと、最早滑稽に見える程酷くなっていた。

「ひ、人として、偽る事は、相手だけでなく、己をも……おほ……おほへぇ……♪」
「せ、先生!?」

 いよいよ呂律までおかしくなっている彼女に駆け寄り、思わず、肩を支えていた。
 普段の整然とした面影はすっかり歪み、肌からは汗が噴出している。

「しっかりして下さい、本当に変ですよ」
「し、知ってる……癖にぃ……」
「今から、誰か呼んで来ますから」
「知ってる癖にぃ!」

 何も知らない、と心の中で思った次の瞬間だった。

「私の、ボッキマラぁ……」

 ……突然

「知ってる癖にぃ……♪」

 彼女は袴をめくって褌もつけてない股間を、
 何も遮る事もなく自由奔放にそそりたつ肉棒を、少年に見せ付けていた。
 少年はただただ、面食らった。

「……え、え? ……ええ?」

 叫ぶ事も出来ない衝撃を受けて脳が麻痺する、当然思考能力は抵抗するし、体もすっかり固まってしまう。
 その所為で視線が固定され、その瞳はしっかりと汗で蒸れてホコホコに臭い立つ巨マラを捉える事になり、
 まだ十代の少年の記憶に、しっかり刻まれる事になってしまった。

「な、な、な、……な」

 なんですか、と叫ぶ前に、その大きくそそりたったものを、上下へヘコヘコ揺らしながら夕月が語りだす。

「み、見てた癖に、私が、道場で転んでおマラを打ち、気持ちよくて思わず床せんずりした事ぉ……♪」
「へ?」
「それを千代様に見つかり、その侭おマラ、千代様がモップとして扱って下さった姿もぉ……♪」
「え?」
「千代様ぁ……あへぇ……私の駄目駄目駄目駄目オキンタマを、竹刀でグリグリしていただろう?
 君は、それを見ていた、見ていたぁ……♪」
「……」
「そ、それで、そんな、あさましい姿見て、
 剣士にあるまじきおドピュ姿見て、君も自慰に耽っていたでござろう!? ……おほぉ♪」
「……」

 とんでもない濡れ衣が思いっきり自分に振りかかってきた事を知った少年は、
 無言の侭に頭をブンブン振って否定した、が、

「嘘♪ 嘘を♪ 千代様が確かにそうおっしゃっていたもの♪ 私達見てセンズリコキしてたってぇへぇ♪」

 思い込んだ彼女は、少年の否定のサインを完全に受け流した。完全に目はイッている。
 何か薬でも飲まされたのか、天然でこれなのか、一瞬考えようとするが、
 あらゆる思考は、目の前の光景で吹っ飛んでしまう。
 少年が生で間近に見る女性の性器は、濡れた花園では無く荘厳にそそりたつ肉棒だった。
 目を閉じても浮かぶくらいの一物が、次の瞬間、迫ってきた。

「え、ええ!? ま、待ってください、先生、お、落ち着いて……! わ、わぁ……!」

 すっかり取り乱した少年は、立ち上がって逃げるという当たり前の事すら出来なかった。
 その侭腰をぺったり床につけている所為でアツアツの肉玉が、可愛らしい顔にぶつかってしまう。

「〜〜〜!」

 続けて、頭を両の手で固定される。
 立ち上がった夕月は180センチと成人男性の平均より高い。
 構図的にも少年は、獣に捕まった獲物といった風である。

 むにゅう。

「ん、うぅ……!」
「覗きはぁ……犯罪でぇ……♪ でも君は教え子なんだからぁ……
 警察に捕まる必要が無いように、お仕置きするよう千代様に申し付けられたぁ……♪」

 興奮しきった彼女の言葉が鼓膜を奮わせる。
 だが、それに返事しようにも、喋れないくらい強い力で、男根が自分の顔を蹂躙する。
 蒸れた臭いが鼻腔に直撃し、先走りが肌に染み込みそうなくらい塗りつけられて、
 さっきまで普通だった顔が、強制的に、下品で性的な顔にデコレーションされていく。
 ……そのとどめとなる行為は、始まってから間もなくやってきた。

「おほぉ♪ ……で、出るぅ、出るのぉ♪」

 出る、と聞いたその瞬間、
 異常な状況で混乱していた脳が、その言葉の意味する事を知って、
 男根で顔面が塞がれた事による、呼吸困難、視界不良、
 その所為で緩んでいた肢体を使い、どうにか逃げようとしたが、時は既に遅く。

「うひぃい♪ おっ、おへぇ♪ おほおおおおおおっ♪」

 ぶぴゅるるるうっ! びゅるばっ、びゅうっ、どぴゅっ! ぶりゅぴゅううううっ!

 夕月のたくましい男根から発射された精液は、零距離で少年の童顔を、白濁色で埋め尽くし、
 噴水のように噴き上がった精液は、頭の上から少年を精液漬けにしてしまった。

「はぁ……♪ へぇ……♪ 射精ぃぃぃ……♪ 男の子の顔ズリで、射精ぃっひぃ♪」
「……あっ……う……あ」

 信じられない仕打ちに、少年はぽかんと口をあけて、途切れ途切れの呻きをあげるだけであった。
 そして、その姿を見て、夕月はにまっと笑う。

「こんなにドロドロにぃ……♪ くさい、くちゃい、ザーメンくちゃい……♪」
「せ、先生ぇ……」
「男の癖に♪ 剣士の癖に♪ 流石おマラでおセンズリする少年♪ 変態、変態、変態ぃ……♪」
「ち、違う、変態なんかじゃあ……、……んひへあああっ♪」

 突然少年の口から、甘く長く下品な喘ぎ声が漏れた。
 夕月が一瞬で袴を剥き、下着をずらし、
 露になった少年の男性器に、自分のザーメンで漬かりきった肉棒を押し当てたからだ。

「ちんぽまで、嘘つきで御座ったなぁ……♪ ちんぽ好きなのに、おっきくなってないなんてぇ♪」
「う……あ、ああぁぁぁぁぁあぁ……♪」

 少年自身に、ふたなりの女性に興奮する要素は、今日この日までは無かったとしても、
 肉棒を包み込むムチッとした感触は、幼く敏感な体には、余りにも甘美に過ぎた。
 間近に迫るのは美しい年上の女性の顔、
 股間を包み込むのは芯まで蕩けそうな竿肉と玉肉による淫猥責め。

「おほ、んぉほっ♪ 正直なってきた、ちんぽこ勃起してきた♪」
「ぼ、僕、変態じゃ……変態じゃないんひああぁぁあ……♪」

 泣きそうな顔になって否定しようとした所、彼女がもたれかかってくる。
 自分より大きい彼女の体重が、肉棒同士の下品な絡みを増させる。
 言葉にならない呻きのような声、その間に挟まれる、甘く長く下品な喘ぎ。
 初めての性体験は、余りにも異常で、そして極楽に近い快感で、
 覚えるはずの緊張も無く、全てを飛び越えて快楽に直結してしまって、嘘を真実にさせられてしまう。
 変態じゃなかったのに、変態にさせられてしまう。

「やめ、先生、ちんぽちんぽでレイプ、し、しないで……しないでへぇ……」
「あ、こ、声、かわいい♪ 情け無い声、かわいい♪」

 ちんぽ中毒じゃなかったのに、……ちんぽ中毒に。

「んあ、んあぁ……♪ 駄目、も……ぉ……、……あぁっ♪」
「……んぅ♪」

 びゅうぶうぅぅぅ! ぼぴゅっ、ぼびゅっ、びゅくびゅりゅびゅぴゅうう!

 絡み合った睾丸の振動を伝え合いながらの射精で、二人の股間は隙間無く精液で塗りたくられる。
 ちょっと動くだけで、ミチィ、グチュゥ、と股間同士が揉み合わされるので、はへぇ♪
 という声と供に、また粗相をしてしまう。

 ……今まで感じたことの無いであろう快感の所為で、すっかり腑抜けている少年から体を離すと、
 夕月は、無言でにまっと笑った侭、どろどろになった肉棒を彼の口元に突き出した。
 すると空ろな瞳の侭、何の抵抗も無く、大きなマラをその口ですっぽりくわえ込んで……

「君は……変態……で御座るな……♪」
「は……は……い……」

 粘着質の高い水音が、誰も居ない道場に響く。

「この秘密……他の教え子には漏らさぬよな……♪」
「は……ひ……だからぁ……」
「解っておる……♪」

 これから稽古の後、毎日毎日この勃起マラで指導すると夕月は言うと同時、精を放った。
 少年はそれを飲み下しながら、明日からの自分を想像し、頭を蕩けさせ……。







「……千代様、これは何で御座りますか?」
「何って……書かれてる通りでしてよ?」
「な……何故、……何故こんな事を書いたのかと、私は申し上げておるのです!」

 夕月は激昂していた。千代の袂から零れた紙に、
 自分とあの教え子との信じられない情事の流れについて、まことしやかに書かれていたからである。

「だって、夕月ったら男の方とのおチンポを拒んでいる様子じゃない」
「へ、へあぁ♪ おチンポってぇ……♪
 ……って、って、それがどう関係あって、こんな事を考えたのですかっ!」
「ですから、別に深い意味は無く。
 夕月を男の方とさせるにはどうしたらいいか、暇潰しに考えただけでしたのよ?」
「余計なお世話ですっ! だいたいこんな風に男がなびく事態が非現実的で、ああもう!」

 夕月は紙を、ともかく細かく滅茶苦茶に破く。

「女性みたいな風貌でしたら夕月も抵抗はないと思ったのですが、彼は気に入りませんか?」
「い、いくら彼の姿が女性に近かろうと、……ではなく、そもそも教え子とそのような関係っ!」


「ならいっそ、小学生の男の子たち全員に、そのおキンタマを玩具のように弄ばれるのは?」
「んひっ♪」


 想像して興奮したのがすぐ解るくらい、夕月は股間をおさえその場で身を震えさせた。