aztec two-step

とびっこ↓
 
エロ1
 序ロ1
 序ロ2
 エロ2
 エロ3
 
  

 時雨れた紫の下着の更に下。

ぐぢょりと音をたてて、灰茶色に染まった肛門が拡げられる。

「ちょっ……。こんな所で、やめて下さいよぉっ!」

 二本の指が、仁保の尻穴の輪を横に延ばし、隙間から冷たい空気を
出入りさせる。普通なら濡れることなど無いはずの皮同士が、得体の
知れない液体を潤滑剤にして滑らかに擦れ合う。

「せ、清子先輩、何なんですかこれ……!?

 首元を捉まえられた無理な体勢で、仁保はどうにか首を捻って、
自分の後ろを弄る清子に問質そうとした。だがそこは双月堂家生抜き
のメイドたる二人のこと、仁保の質問に答えるでもなく、替りに仁保

の尻にずるずると指を挿入してくる。

「あ、はぁぅっ!?

 鉤の形に曲げられたままの指が、筋肉を通り過ぎて粘膜に食い込む
ように仁保の中を抉る。久しく刺激の無かった部分の感覚を叩き起こ
されて、仁保は堪らずに声を上げる。

「へー、仁保ちゃんっておケツが弱いんだねえ♪」

「ふーん、仁保ちゃんの意外な一面ー、なあんて♪」

 前から聞こえてきた、舌なめずりでもしそうな声に慌てて振り向く
と、そこには波打つ髪を揺らす則恵が待ち構えていた。

「ひぁ!?

 ひやりと汗ばんだ手の平が頬に副えられ、強引に下着を下げられた
仁保の顔を、こちらはぐいと持ち上げる。

「ちょっ、則恵先輩まで……!」

 咄嗟に前歯を剥き出した仁保の口元に、ムワリと広がった薄い臭気
が当たった。薄暗闇の中で仁保が目を凝らすと、浮かぶ肌色が「人」
の字を作っている。

「仁保ちゃあん♪ タマには先輩の言うことも聞いてくれないと、泣い
ちゃうよお?」

「ふむっ!?

 何を言い返すべきか一瞬悩んだ仁保の鼻の下に、ふにゅりと歪む肉
の袋が押し付けられた。運動鞄のような筒状の袋の奥で、熱を持った
丸いモノが蠢いている。特徴的な臭いに目を見開いた仁保の唇に向か
って、それは粘液の足跡を残してずるっと動いた。

「あ……」

 息を洩らした瞬間を狙って、則恵の常用している薬が生んだ情欲の
権化が、仁保の口を割って滑り込んだ。こういった事には慣れている
仁保は、差し出された則恵の男根を迷うでもなく含み込む。

「ほんは、ほーへいはんを、ひゃぶあへへ、うへひいんれふか、へん
はい?」

「えへへー♪ 何言われたって、オチンボくわえられてたら分んない
よー?」

 相変わらずの則恵の包茎を詰(なじ)ってみるが、則恵は全くお構
い無しに、男性器に仁保の口の中を往復させ始める。唇を締めつけて
生白い包皮を剥いてしまおうとした瞬間に、仁保の背筋を異なる刺激
が走り抜けた。

「ひゃぶっ!?

「うふふー♪ 今日こそ仁保ちゃんに教育的指導だよぅ?」

 つい先ほどまで清子の指で容赦無く嬲られていた仁保の肛門。歪に
隙間を開いていたその穴の口に、ぬるついた大きめの塊が割り込もう
としている。

「ちょっとぉ清子ちゃあん。あんまり急にするから、仁保ちゃんに
オチンボ噛まれちゃったよぉ?」

「ごめんね則恵ちゃぁん。でもでもぅ、仁保ちゃんのお尻が待ちきれ
なくてぇ♪」

「ふ、はっへにほんぁ……うぶぅっ!」

 予期通りでありつつも不穏な清子の台詞に、仁保は則恵の男根を
くわえさせられたままで、なけなしの抵抗を試みた。しかし、これも
予期通り、言葉が終わるまでの間に、仁保の尻穴の中には、清子の欲
情棒が半ばまで入り込んでしまう。

「んふう♪ というわけでぇ……協力してくれないかなぁ、則恵
ちゃん♪」

 仁保の尻を再び拡げにかかった清子は、悩ましげな声を少し洩らし
ただけで、今度は仁保の両の太股の下にがっちりと手を回す。

「はぅん♪ 分ったよぉ清子ちゃん? えへへー♪」

「うぷびゅっ」

 相方のしようとしている事を目配せ一つで察知した則恵は、生温い
仁保の口の中から男根を抜き出し、唾液の撥ねるそれを振り回しなが
ら、仁保の股の上に腰を沈める。

「仁保ちゃーん♪ いくよー?」

「え? え?」

 自由にされた唇を震わせて、事態の確認を求める仁保。尤、それを
はっきりさせるのは、自分の股間で揺れている男根であり――

「仁保ちゃぁん♪ いっちゃうよー?」

「則恵ちゃぁん♪ 早く早くー」

 それを狙うモノと言えば、則恵の下半身にある牝の入り口なので
あった。

「二人いっしょでぇ……♪」

「あ、ちょっ、待っ……」

 脹れたように竿全体を包む肉袋はそのままに、則恵は自分の生白い
隠嚢の下、二人で仁保を責め通しだった間に濡れそぼっていた女陰に、
茶褐色の男根を宛がう。

「仁保ちゃんをサンドイッチだよ♪」

「あふぅぅ……っ!」

 じゅぶりと音をたてて、仁保の性器が則恵の尻の中に埋められる
までに、それほどの時間が掛かる訳もなかった。

  園      公    想    妄  の 保

 めいてはきたものの、まだまだ冷たい西風が空間を支配する夕
暮れ。青と黒と赤を薄めて混ぜ合わせて、結果できた灰色の空の下
で、双月堂家のメイド達は取り込んだ洗濯物の山と格闘していた。

「せ、先輩、いくら久しぶりの晴れ間だからって、これだけのシーツ
を一気に洗うってのは無理があるんじゃ……」

「はいはい仁保ちゃん、文句言わないで運ぶぅ♪」

「そうだよ仁保ちゃん、お洗濯はできるときにしちゃうんだよぉ♪」

 平らにした手の平の上、顔までどころか頭よりも上にまで積まれた
白いシーツの群れを運びながら、三人はメイドの区画にあるリネン室
を目指して歩いていた。

「そうだよねえ則恵ちゃん♪ できるときにしとかないとお邪魔され
たりとか♪」

「そうだよお清子ちゃん♪ のんびりしてると誰かに見られちゃったり
するんだよぉ♪」

「……えっと、お洗濯の話してるんですよね?」

 双月堂の家屋敷は、決して資産が少ない訳ではない。本来ならば乾
燥機の十台や二十台など軽く購入できてしまうのだが、先代の方針で
ある「布類は天日に干すもの」という言葉が梅雨時を除いて今だに生
きていた。

「あれあれ? 違ったっけ?」

「うーんうーん、仁保ちゃんが難しいこと言ったよぉ?」

「……どのへんが難しいんですか」

 半ば独り言のようにツッコミを入れて、仁保はまた横を向いて歩き
出した。普通歩くときは前を見るものだが、文字通り壁を抱えて歩い
ている今の状態では、横に見える景色から道筋や障害物を推測する方
が確実なのだ。

「あ、あ、仁保ちゃん、着いたよ?」

「ほらほら、こっちだよ?」

 細かく曲がる廊下を辿って行こうとしたところで、仁保は不意に、
先輩メイド達に呼び止められた。片側しか見えない仁保の視界に、大
荷物を抱えたまま器用にカニ歩きをして清子が現れる。

「あ、それじゃ則恵ちゃん見えないよね……えとね、仁保ちゃん」

「はい?」

「えいっ♪」

「は!?

 則恵の気合とともに、頭の後ろでばくりと音がした。そちらを見よう
にも、体に凭れ掛かるシーツの束が危なっかしく、仁保は顔を動かせな
い。

「そのまんまで私がいるのと反対に動いたら、お洗濯物の部屋に入れる
から」

「な……何なんですか、それは」

「隠し通路だよー? ここのは天井が高いから、シーツも引っ掛からず
に運べるよー?」

 開いた口が塞がらない仁保を後にして、解説をした則恵はさっさと壁
の穴に入っていく。

「あ、待って、待ってくださいよっ」

「仁保ちゃーん、私もいるからねー?」

 清子をまねるつもりで恐る恐るカニ歩きをして、仁保も薄暗く開いた
隠し通路に歩を進めていった。

  園      公    想    妄  の 保

 程なくしてリネン室に辿り着いた仁保は、すっかり不思議空間として
認識した双月堂の家の、洗濯物を置いておく部屋の天井を眺め回していた。

「凄い……忍者家屋みたい……」

「ゲイシャ、イズ、ナンバーわーん♪ なんてなんてぇ?」

「アナタを殺して私も死ぬわっ! だっけ?」

「いや、それじゃできるのガイシャですから。多分」

「ふえ?」

 呆けたように見上げた格好のまま、それでも仁保は二人の先輩に鋭く
ツッコミを入れる。

「イタ車は金食う、すぐ止まるー♪」

「……好きな人に殺されますよ? それこそ」

 即席でよく分らない歌を放射し始める先輩メイド達に口だけで返事を
しながら、仁保は渡された太い梁の上に広がった闇に目を凝らす。こう
した「古いモノ」が好きな部分が仁保の中でむくむくと鎌首を擡げ、翳
に回った二人の先輩のことを、すっかりと意識の外に追いやってしまった。

「むー、清子ちゃぁん……」

「なになーに、則恵ちゃぁん?」

「ほえー……」

 無意識のまま口から声を洩らす仁保の背に回り、則恵は清子に耳打ちをする。

「仁保ちゃんってば、私達のこと忘れちゃってるよぉ?」

「そぅだねえ、ちょっとヒドイよねぇ」

 唇を突きだし、則恵は仁保に後ろ指をさす。目配せ一つ、親友の言い
たい事を察知した清子は、そろそろと腕を伸ばして、形の良い仁保の尻
の下へと片手を差し入れた。その指先には、いつの間に乗せたのか、
鈍く光をはじく液体がどろりと自身を塗り広げている。

一方の則恵は、両手の指を波打つように動かしながら、薄い黒のメイド
服に包まれた仁保の肩に両手の平を近付けていく。

「……よーし、いくよ?清子ちゃん」

「……うん、いいよ?則恵ちゃん」

 仁保の首筋と腰元で、二人のメイドが身構えた。そこでリネン室の薄
暗闇に空く、一瞬の間。

「せぇのぉ!」

「どぉりゃぁあ!」

「わぁあっ!?

 肺活量と腹筋に自信のある仁保とて、不意をつかれてしまっては得意の
大声も出せはしない。出せたところで助けが入るような場合であるとも
思えなかったが、ともかくそこまで考える間に、仁保は柔らかな積み布
の上に突き飛ばされ、布に沈んだ尻をがっちりと捉まえられてしまって
いたのだった。

  園      公    想    妄  の 保

 仁保の股の先で、色素の滲みた勃起がずぶずぶと則恵の秘所に沈められ
ていく。粘り気に満ちたその中で、仁保は自分の男根がびくりと震えるの
を、確かに感じた。

「えへへぇ? 仁保ちゃんってば、清子ちゃんにアナル掘られて感じちゃ
ってるんだぁ♪」

「や、そんな……ぅふぐっ」

 指で縦横に拡げられていた肛門は、サイズとしては控えめな清子の男根
を、さしたる抵抗もなく呑み込んでしまっていた。嵌まりこんでくる先輩
メイドの仮初の生殖器を直腸の奥で意識させられて、閉塞感と弱弱しい疼
きとに、仁保は口元を痙攣させた。

「しかもぅ、ムリヤリされてオチンボたてるなんて、実は仁保ちゃんって
ば、マゾの変態さんだったんだぁ♪」

「ちょっ……ちが……!」

 言いかけた仁保の肛門を、清子の男根がズンと貫く。事前にいくら解され
ていたとはいえ、指の届く範囲などたかが知れている。その更に奥、ピタリ
としまった未開の領域を抉じ開けられ、仁保はしゃがんだ姿勢から浮き出し
た腰を強張らせた。

「ふひゅっ!」

「あへっ♪ 仁保ちゃんってばぁ、私のオマンコがそんなに欲しいのぉ?」

 当然の如く、その動きは仁保の下半身にまたがった則恵の膣内を突く結果
を生む。則恵自身の男根を味わううちに硬度を増した仁保のそれは、
ぐっちょりと濡れた襞の中に押し込まれ、微妙な隙間から泡立つ粘液をぼた
ぼたと溢した。

「遠慮しなくていいんだよぉ? ちゃーんとオネダリできたら、たっくさん
可哀がってあげるからねぇ、仁保ちゃんのマゾチンボ♪」

「だっ、誰が……」

「あれあれぇ? 仁保ちゃぁん、まだ分んないのかなぁ♪」

 仁保の後ろを犯している先輩メイドが、相方の挑発を継いで言葉を発した。
ついで、白布の山に蹲っていた仁保の体が、マット運動の途中で後転を失敗
したように、剥き出しの尻を突き出した姿勢で丸められてしまう。

「あは♪ 私の包茎チンボが抜けちゃったよぉ……しょうがない、もう一回♪」

「あふぅっ……」

 清子が仁保をホールドする一瞬前に結合を外した則恵は、今度はがに股に
脚を開いて、裏返された仁保の尻を椅子にする要領で、再び仁保の男根を
秘所に咥え込んだ。その股間からは、薄く濁った汁をぬらぬらと洩らす男根
が聳えたち、斜め四十五度にふらふらと揺れている。

「さぁて則恵ちゃん♪ 二人で頑張ってオナニーしよっか♪」

「うんうん清子ちゃん♪ やっぱり自分でしないと気持ちよくないもんねえ♪」

「はぁ、はぁ……え、あ、あぁっ!?

 手前勝手な台詞を吐いた先輩メイド達の言葉が消えるかどうか、仁保に
とっては実に休む間のないタイミングで、腰を包む複数の部分が悲鳴を上げた。

「はっ、はっ♪ あぁん、こーやってお尻振ってると、自分が犬になった気分
だよぉ♪」

「がきゅぅぅぅっ!?

 則恵は、親指を外した八本の指で男根を上下から握り、そのままがしがしと
腰を振り始める。固定された指筒の中を、波打つほどの余り皮を被った男根が
滑り、根元まで呑み込まれた仁保の性器は前後にうねって、則恵にもどかしく
も決っして弱くない官能を与える。

「えへ、えへへぇ、私ワンちゃんになっちゃったよぉ……へっへっ……♪」

 自らそう口にしながら、則恵は湿った舌を突き出して、自分と他人の体を
使っての自慰に耽る。そうすることで起きる衝撃は、見事にそのまま、下に
入った仁保の脳髄を直撃した。

「ぢょっ……! タマ、あたしの、ダマぁっ……!」

 則恵が座っているのは仁保の股間、その部分を隙間なくびっちりと、則恵
の尻肉が覆っている。

「にへへー♪ お尻の下でゴリゴリして、気持ちいいよほぉ♪ 仁保ちゃんもぉ、
チンボとキンタマ同時にアイしてもらってえ、嬉しいでしょぉ?」

 そして、則恵は仁保の男根を根元まで秘穴で呑み込んでいる。すなわち、
その根元に垂れ下がった仁保の肉袋は、則恵が尻を前後させる度に、引き摺ら
れるようにして擂り潰されることになる。

「あぐっ、やめ、則恵っせんばぎひいぃっ!?

 いくら柔らかな肉の間だとはいえ、本来の向きを無視して転がすように嬲ら
れるのだから、過敏な精玉に与えられる感触はたまったものではない。不規則
に吸い付く則恵の女陰を感じて昂りながらも、仁保は必死に静止を求めて声を
上げる。

「じゃぁじゃあ♪ お座りされて喜んじゃう仁保ちゃんに、もう一回オシオキ
だよぉ?」

「なっ、何……っ、ぎゅぅうっ!」

 続いて走った軽い痛みと痺れに、仁保は一息に下半身の筋肉を引き攣らせた。
それと同時に、仁保の上で大股を拡げた則恵が、緩んだ口の端から涎を垂らす。

「えへへぇ♪ また大っきくなったよぉ、仁保ちゃんのチンボぉ?」

「にーほん♪ さーんぼん♪ よーんほぅん♪ ほらほら仁保ちゃぁん? 
おケツを拡げてもらったら、なぁんて言うのかなぁ?」

「な、何を言えっ、て……えへぇっ」

 動悸が尻の中で蠢くように疼く仁保の肛門。そこには、充血した男根を取り
巻くように、清子の両手の指が入り込んでいた。さして厚くもない排泄穴の輪
を抉じ拡げて、中指が、人差し指が、ずるずると根元まで収まる。塗られた粘
液と尻内が滲ませた滓混じりの汁が細い指に絡み付き、挿入された性器の竿部
分をくるむように擦る。

「へぇっ、へあぁ……っ」

滑らかな肌はさして抵抗もなく、ぬるぬると直腸にまで入り込み、仁保の肛
門を着実に拡げていく。普段は控えめにしか伸ばされない胴の底の穴を、他人
の意志による挿入のためだけに開かれて、仁保は力を吸い取られるような、
世にも情けない声を唇から洩らしていた。

「ごーほん♪ ろーっぽんぅ♪ ……準備おっけー!」

「仁ぃ保ちゃんったらぁ、これからが本番なのに、だーらしない顔しちゃってぇ♪」

「ほ、本……番、てへぇ……? ぇひっ……へいぃっ」

 仁保からすれば下の方へ無理に曲げられた男根の手前では則恵が、済崩しに
引き伸ばされてぬるついた肛門の中では清子が、各各に自分の勃起に手を掛け
た。屈折、拡張、摩擦、と様々な責めを一時に施されて、仁保は清子の胸の上
で折り曲げた咽から細い息を洩らす。

「いくよー? 仁保ちゃーん♪」

 掛け声とともに、則恵は指の間にがっしと握り込んだ男根を、両手首を使って
ずるずるとしごき出す。負けじと清子までもが、指先を絡めた竿をマッサージし
始めた。

「でもでも、イクのは私達だけどねー? 則恵ちゃーん♪」

 ぐぢゅりと音を鳴らして、仁保の性器から新たな粘液が絞り出された。

「あぐふぅっ!!

しばらくの間圧迫だけを続けられていた睾丸が、重量感溢れる尻の振動に悲鳴
を上げる。しかし咄嗟に力を込めようにも、最も意識しやすい尻肉の感覚は内部
で暴れる指の関節の固さに支配され、肝腎の穴のふちに気を向ける暇など与えら
れない。替りに締った仁保の直腸は、ガッチリと嵌り込んだ清子の亀頭の形を、
こと更に感じることになってしまった。

「や、ゃだあ、ハマッてる、おじりのおぐにぃ……!」

「だぁいじょーぶだよ仁保ちゃぁん♪」

「ちゃぁんと抜かずにおいてあげるから♪」

 分っているのかいないのか、先輩メイド達の返答は適当そのものだ。仁保に
してみれば、軟らかな粘膜に挟まれた自分のモノ、そして柔らかくもないはず
の深みに潜り込まれた清子のモノを余計に感じさせられるだけでしかない。

「抜かずに、ってぇ……あだし、こんぁぁっ……!」

 一度自慰を始めてしまったら最後、清子にしろ則恵にしろ途中で已めるなどと
いう作法を知る筈も無かった。振り回される男根に擂り潰される睾丸、拡げられ
るばかりで官能につながる摩擦などさっぱり行われない肛門まで、中途半端な刺
激に仁保は
1人悶える。そんな間にも、仁保を上下から鋏み付けた二つの体は、
無遠慮な様子で動きを激しくしていく。

「えへへへー♪ 仁保ちゃんのアソコの毛ぇ、ズリズリして気持いいよぉー?」

 がに股の姿勢をいかして前後どころか左右にまで腰を振り回し始めた則恵が、
酒に酔ったような声を洩らす。疼きが鈍痛と異常な排泄欲に変わり始めた仁保
は、会話のきっかけを捉もうと口を開いた。

「そっ、そんなこ……」

「あー、いいないいなあ則恵ちゃぁん。でもでもぅ……あれぇ? なぁに、
仁保ちゃん♪」

「……とはいいですからっ、もう、いい加減やめてくださいよほぉっ!」

 清子に割り込まれながらも、仁保はどうにか台詞を続けて訴える。そして、
そこに返ってきたのは、更に厄介な言葉だった。

「あはぁっ♪ 仁保ちゃんってば……♪ いいよ、このままケツ出しして
あげよっかー?」

 仁保の背後から流し目を送り、清子は男根を揉みしだくスピードを一気に
上げる。その拍動に合わせて、仁保の尻の奥に鎮座した塊がぶくぶくと脹ら
む。それはさながら、仁保の腸口を受け皿にしての自慰行為だった。

「しょ、そんな……あたしと肛門セックスしてるのに、オナニーで中出し
なんて……ぇっ!」

「声が震えてるよぅ、仁保ちゃぁん♪」

「だ、誰がぁへぇっ……へひぃ」

 肛門の内側で沢山の指先が蠢き、波打つようにして男根を絞る。手指の背
で拡張された仁保の直腸には、細かすぎる振動はもう届かない。

「中出しじゃないよお、仁保ちゃぁん? ケ、ツ、出、し♪」

 清子の言葉に興奮したのか、自分の包皮の中に指先を突っ込んで掻き回し
ながら、則恵が仁保を囃したてる。

「恥ずかしいよねえ♪ ケツの奥にチンボ汁流し込まれるためだけに、ケツ
出し♪ されるんだよぅ、仁保ちゃん?」

「あぅ、ぁあうぅっ……!」

 二人のメイド達は、ぶちゅぶちゅびちゅびちゅと音をたて、少なからぬ臭
気を撒き散らしながら、仁保の体の内そとで手淫を続ける。密着された則恵
と清子に勝手に上り詰められつつも、痛覚が苦しみに変わらない程度の刺激
と、挿入でも排泄でもなくただただ拡張だけをされる尻穴の感覚に、仁保の
脳裏に濃濁した泥水が満たされていく。

「はくっ、ふぐぅ……」

「ほらほらぁ♪ 清子ちゃんにオネガイしないど駄目だよぉ? いーっぱい
ケツ出ししてください、ってぇ♪」

「そうそう♪ 言ってくれないと、オセンズリやめちゃうよぅ? いーっぱい
ケツ出ししてあげないよー♪」

 しゃくり上げる天然モノの睾丸が、則恵の尻に潰されてグルリと回った。
その先には、茶色く緩んだ滓穴がフイフイと息をしている。

「ぁふぅん……っ♪」

 谷間を滑った睾丸の感触に悦び、則恵が股間に力を絞った。隙間があれば
あるだけそこに転がる肉の玉が、拡がった則恵の尻穴にスルリと吸い込まれる。

「はぎゅっ……!!

「あはぅ♪ 駄目ぇ、もうガマンできないよぅ♪ のり、則恵ちゃぁあん……♪」
 仁保の尻穴はと言えば、連続した擦過音を洩らす清子の指に開かれ、びく
びくと脈打ちながら空気に臭いを滲み込ませていた。

刺激と興奮で溜った血が集まり、清子の男根に感じられるほどの熱で中身
を茹で上げる。

「清子っ、ちゃあん♪ イッちゃお、おどぴゅしちゃおぉぉぉっ♪」

止どめに、則恵の肛門が捉まえた二つの肉玉を支える管から迸った触覚が、
仁保と清子の男性器に、麻痺毒にも似た衝撃を走らせた。

「き、ふぐぅぅっ!!

「お、おほおおおぉぉぉぅっ♪」

 二本の男根が、一方は勢いよく、他方は曲りくねった路地を突き抜けるよう
に生殖液を噴出した。各各が、密着した女陰の底に、そして蛇口だけを圧し中
てた直腸の奥穴に、粘つく汁をどくどくと送り込む。

「おへぇっ♪ 仁保ちゃっ、イキナリ出しちゃ駄目! え、ぇへぇぇぇ……♪」

 数瞬遅れて決壊したのが、仁保の腰にどっかと据えられた白い二つの睾丸だ
った。配水管の詰まりを吹飛ばす行為そのものを自らの尿道に施して、則恵が
白濁した種汁を仁保の顔面にぶち播ける。

「うぶっ! く、くひゃぁ……っ!」

 横に向いた頬をしたたかに精液で叩かれ、仁保は思わず体を攀じる。腹圧が
外れた腰はぐいと突き出され、股間に屹立した局部と直腸に抉じ開けられた尻
奥穴の両方から、ぶりぶりと泡を浮かべて濁り汁が溢れ出た。

「にぇへへぇ……♪ 仁保ちゃんにケツ出し、しちゃったぁ……♪」

「うふー♪ これで先輩だね、清子ちゃぁん……♪」

 疲労に上乗せされた脱力感に手足を絡め取られて、乱れたストレートパーマ
に隠された目蓋がブルブルと震える。続いて眸をぐるりと上に向けた仁保は、
べったりと汚された洗いたてのシーツの上に、崩れ落ちるように沈み伏せたの
だった。

 

  園      公    想    妄  の 保


 いつの間にか日の落ちた宵の口。

 屋敷の奥手側にある裏方達の区画で、二人の側付きメイドが縮こまっていた。

「せ、清子ちゃん、大丈夫かなぁ……?」

「の、則恵ちゃん、大丈夫だよねぇ……?」

 互いの名前を呼びながら、小さな顔を寄せ合って囁き交わす。竦んだ肩の前
には、何故か緑色でスカートを穿いた人型が描かれた扉があった。

「い、今、ぼどぼどー、って、いってるよねぇ?」

「さ、さっき、ぶびゅるるー、って、いってたよぅ?」

 双月堂家の人間には、あまり世間一般ではお目にかからない性別が存在する。
その為、奥まった場所にある厠であれ、こうした標札が貼られているわけだが――

「ひゃぁっ!」

「きゃぁっ!」

 同時にその部屋に目を向けた則恵と清子の前で、茶色の板張りのドアががたり
と開いた。一拍おいて、のそりと後輩にあたるメイドが姿を現す。

「え……えとえと、仁保、ちゃん?」

「だ……だいだい、だい、じょうぶ?」

 唇を蒼白にして、二人は仁保に声を掛けた。いつもの小麦色をした頬には汗の
垂れた跡が幾筋も走り、膜で覆ったように半ばまで顔を濡らしている。その余波
を喰らってなのか、真直ぐに流れていた髪の毛は、赤茶色に光る波頭のうねりを
取り戻していた。

「……先輩……」

「ひっ!」

「うっ!」

 直線に引かれた睫毛の下から見上げられ、則恵と清子はびくりと身構える。
仁保の口が更に動くと、言葉に合わせて二着のメイド服がフルフルと揺れる。

「また、ザーメン浣腸……じゃなかった、チンボ汁のケツ出し、してくださいね?」

「へひ?」

「えぃ?」

 意外な台詞に、二人のメイドが固まった。

「二人してあれだけのコトをしておいて、自分達だけが気持よくなるつもりだった
んですか? 変態の上に役立たずだなんて、ま、さ、か、あたしの先輩がそんな手
の付けられない方達だなんてこと……ありませんよ、ねえぇ?」

 眼球の奥に波風を立たせて、年下のメイドは腰に手をあてた格好で言い募る。
則恵と清子が思わず視線を落とすと、湿って色を濃くした紫の布地が仁保の足首に
掛かっていた。

「それじゃ、おしゃぶりして下さい。チンボもアナルも、たっぷりですよ?」

 言ってから、仁保は両手を差し上げた。中指を二本伸ばし、双月堂家の中に於ては
先輩であるところの二人の唇に突きたてる。

「むふっ」

「うぐっ」

「ああ、もしかして気になりますか? 大丈夫ですよ、ウォッシュレットは使って
ませんから。それに」

 仁保の指が二つの口を割り、ようやく唾を滲ませ始めた舌の表面をぐいと押す。

「下着が無ければそのままでも汚れませんよねぇ? ねぇ、清子先輩? それに
則恵先輩」

 ゆらゆらとたち上る見えない煙に中てられて、則恵も清子もこくこくと首を振る。
はずみで抜けた指が二人の鼻を弾き、二対の目の中央で便所の明りを照り返した。

 仁保はそのまま後ずさり、薄い灰青に染められた部屋の中心で中腰になった。
膝を大きく開いて、裸の尻を便器の宙空に向けて剥き出す。

「さ、お好きな方にどうぞ? とっくに、準備はできてますから。あたしは」

 双月堂の屋敷は、どんな場所であれ、空間は広い。ご多分に洩れない青い部屋は
三人のメイドを呑み込んで、ばたりとその出口を閉じた。


                (終わり)




作品を戴きました
流 己洲さんのサイトはこちらです
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