shadeGrown _ 08 leaden week ver._


※中篇です。

エプロンだけをつけた姿の則恵は、同じ格好をした、しかし全く体型の違う清子と向かい合ってベッドに座っていた。横には、持参した篭を携えた仁保がいる。
「にゃぁん♪ こういうコトされると、オシオキされてる感じがするねぇ♪」
「いゃぁん♪ 私達の調教のタマモノ、なぁんちゃってぇ♪」
 二人はそれぞれ手首をエプロンの紐で後ろ手に縛られ、短い裾の下から肥大化した性器を突き出していた。則恵には文字通りにソフトボールと化した睾丸が、清子には腕の太さにまで脹らんだ男根が、魔薬の効果を覿面に見せて備わっている。
「あれあれぇ? 私のと何か違うよぉ、清子ちゃぁん」
 普段自分が使っている薬だけに、則恵は清子の体に現れた性欲の塊がどんなものなのか、わざわざ見るまでもなく知っているはずだった。しかし、そこに見えたものは、ある一点において、則恵のものとは大きく異なっていた。
「え? ……あれ、ほんとだぁ」
「何のことですか?」
 覚束ない手付きで則恵の手を縛っていた仁保が、肩越しに覗き込んできた。首筋に感じる息遣いに、則恵は思わず首を竦める。
「やぁん仁保ちゃん♪ くすぐったいよぉ」
「……くすぐったいじゃありません。則恵先輩はさっさと足を出してください、聞いてなかったんですか?」
「んふふー、則恵ちゃんが怒られたー♪」
 重い響きの声に右を向くと、横目で睨んでいる仁保と目が合った。則恵はわたわたと手を振ろうとして、背中に回った腕の勢いで仰向けに倒れ込んでしまう。
「あ、大丈夫ですか先輩?」
「……えへへぇ♪」
「オシオキしてる方がそーゆーの気にしちゃダメだよぉ、仁保ちゃぁん♪」
 昼間の顔に戻って肩を支える仁保に、則恵は目を細めて笑った。清子からツッコミが入るが、そこは聞き流すことにする。
「そういう清子先輩は、早くオチンボこっちに向けてください。そんなものビクビクおっ立てられても邪魔なだけなんですから」
「やぁぁん♪ きたきたぁ♪」
 さも汚らわしそうな仁保の言葉に目を潤ませる清子。泣きそうな顔をしているが、その実喜んでいるのは一目ならぬ『一聞』瞭然だった。便乗するように言葉を返しながら、則恵は裸足を揃えて腰を伸ばす。
「そぉだよ清子ちゃん♪ 早くぅ、オチンボ出して♪」
「うんっ♪ えへへ、何されちゃうのかなぁ、私のブットい、ズル剥けオチンボぉ♪」
 則恵の視線の先に、膝を立てた清子の股間が突き出される。あまりの重さに撓(しな)る男根が、則恵の足の間に挟まるようにしてノロリと垂れてきた。
「あーあ、なぁんでこんなにムケムケかなぁ、清子ちゃんのオチンボはぁ」
「いいでしょー♪ わざわざムイてなんかあげなくたって、くぱぁ♪って開いて、びゅぐびゅぐぅ♪って出せちゃうんだよぅ♪」
 二人を知らない人間が見ればわざとらしさすら感じるような仕種で拗ねる則恵に向かって、清子は殊更得意そうに自分の男根を自慢する。
 普段則恵が呑んだ時には、鈴口までがっちりと覆った上に、余った部分が先で丸まる程の包皮を作ってしまう薬。それが何故か、清子には中途半端にしか効かず、亀頭の下で止まる程度の皮しか生みだしていないのだった。
「そうですね清子先輩。じゃ、則恵先輩、足でお望み通り開いてあげてください」
 大した抑揚もなく告げられた言葉に、メイド達はびくりと動きを止めた。当の本人である仁保はと言えば、清(す)ました顔で手元のバスケットを漁っている。
「どうしたんですか? お仕置きされてるのに、楽できるー、とか思ってたんですか?」
 こちらも動きを止めて二人を向いた仁保に、先輩メイド達はプルプルと首を振った。
「え? そ、そーゆーわけじゃないよ?」
「う、うんうん、違うんだよ? 足コキしてあげらんなくてつまんなーい、とか思ってないよ?」
「……思ってるんだね? 則恵ちゃぁん」
「ち、違うよ、清子ちゃぁん!? ねぇねぇ仁保ちゃん、こーやって開いてあげればいいんだよね?」
 藪蛇を出したやり取りの勢いで、則恵は勢い込んで両脚を振りたてた。ただでさえ短いエプロンの裾はあられもなく乱れ、股間に生えたでっぷりとした袋をシーツの上にさらけ出す。だが、それを囃す間もなく、清子はあらぬ方向に目を見開いていた。
「はびゃぁっ!?」
「ね? ね? くぱぁ♪ ってなってるよね? 仁保ちゃぁん」
「あ、えぇ……よく開いてますね、清子先輩の」
 一瞬息を呑んだ仁保は、我に返って表情をつくろい、言う事を聞いた則恵を褒めてやる。呆気に取られたまま考えた言葉はどこか間が抜けていたが、則恵も清子も、既にそれどころではない様子だ。
「や、や、則恵ちゃぁんっ……! それ、違う、よぅっ……!」
「何が違うのぉ、清子ちゃぁん……? ズル剥けさんな清子ちゃんチンボは、私の足の指じゃ、モノ足りないかなぁ?」
 清子の尿道口には、則恵の足先、両の親指がしっかりと食い込んでいた。のみならず、則恵は隣の指も使って男根の先穴の端を掴み、グイグイと割り開いているのだった。
「あぁ、そうですよね。やっぱり、経験ホウフなメイドはこの位じゃ満足できないですか」
「そん、な、ことっ……言ってない、よぅ……! 則恵ちゃぁん、助けてぇ……」
「んふふー。清子ちゃぁん、誰にお願いしてるのかなぁ?」
 清子は息も絶えだえになりながら、自分の男根の前に居る二人に哀願する。
「そ、そんっ、なぁ……! オシオキされる、のって、則恵ちゃん、もっ、一緒でしょー……?」
 暗い笑みを浮かべる則恵と、哀れっぽく泣き付く清子。そのどちらの声も聞くでもなく耳に抜けさせつつ、仁保はぼんやりと考える。
思えば、双月堂の屋敷の生活は、非日常と不条理の塊りなのだ。まして怪しげな薬まで加わったこの場でなら、何が起きても不思議はない。
「えー? だってだってぇ、仁保ちゃんのオチンボ縛ったのって、私じゃないしぃ……♪」
「う、嘘だよぅっ……! あれ、やったのって、則恵、ちゃんじゃっ……!」
 それなら、今更自分が何をしたって問題はない。はずだ。多分。
自分勝手に納得して、仁保は手元の篭の中身を取り出した。眠気もあって据わった目で手の中の物体を確かめると、その外側をペリペリと剥いてゆく。
「仁保ちゃん? 何それぇ?」
「やぁっ!? 則恵ちゃんっ、足、足ぃっ!」
 明後日の方向を向いた則恵に引っぱられ、清子の男根の出口が歪に形を変える。粘膜が張詰める感覚に声を絞る清子に、仁保は煩わしそうに言い放った。
「五月蝿いですねぇ……卵ですよ、見てわかんないんですか?」
「タ、タマゴ……?」
「へぇー、ゆでタマゴなんだぁ♪ 仁保ちゃんでもそれっくらいは……な、なんでもないよ? ……うん」
 横目で睨まれた則恵は、縛られた手を振る替わりに肩を揺すって首を振る。裸体にエプロンを着けた二人の先輩メイドが見つめる中、仁保は手に持った剥き卵を指先で抓んだ。
「じゃ、入れますよ。ほら」
 仁保は無造作に、則恵の足指の間にそれを乗せた。卵の尖った端をあてがわれた清子の穴は、くぷりと粘ついた音をたてて、白い塊りを半ばまで呑み込む。
「ふぇえっ。 な、何ぃっ……?」
 腰を突き出した清子には、しなだれた自分の男根の先は見えない。拡げられた尿道の内側を直接触れられる感覚に、戸惑いの浮いた声を洩らす。
「うわぁ♪ タマゴ、パクパク食べちゃうんだね。清子ちゃんのオチンボ♪」
「えぇっ!? これって、タマゴが入ってるの、則恵ちゃぁんっ?」
「だから、五月蝿いって言ってるんですけど。あたしは」
 パジャマ姿の仁保は、三白眼で二つ目をそこに押し込む。ズルリと粘膜を滑り、新しい卵が清子の男根に埋(うず)もれてゆく。その拍子に白身が破れ、濃厚な黄色をした中身がドロリと尿道に広がった。
「や、やめてぇ仁保ちゃぁんっ。入っちゃうっ、入ってきちゃうよぅ……!」
「だそうですよ。則恵先輩、どうします?」
 機械的に茹で卵を剥きながら、仁保は清子の男根を足で支えている則恵に訊いた。
「入れちゃえ入れちゃえ♪ ねぇねぇ清子ちゃぁん、何コ入るか当てっこしようよぉ♪ 私のと違ってズル剥けさんだしぃ、いーっぱい食べてくれるよねぇ?」
 両脚を持ち上げた無理な体勢にも関わらず、則恵は楽しそうに清子に話しかける。
「そ、そんな、はぁっ♪ ま、また一コ……いやぁっ、ま♪ まだ入れる、のほぉっ!?」
 次々と男根に卵を押し込まれる清子はそれどころではなく、びくびくと腰を震わせ、不自由な手を使って後ずさろうとする。
「ダメだよぉ清子ちゃぁん♪ お返事はちゃんとしないとぉ、オシオキされちゃうんだよぉ? ほぉら、よーっつ、いつーつ♪」
「かはっ、はがぁ、あぁっ! オチンボ、拡がっちゃう、よほぉぉ……♪」
しかし、則恵の足に尿道口を押えられていてはそうもいかない。時に歪み、時に潰れながら中へ中へと侵入してくる弾力を堪能することしか、清子には許されていないのだ。
「なな、つぅ♪ や、っつぅっ♪ お♪ オチンボの、奥までぇ♪ ず、ズルズルって、ズルズルぅ、ってぇぇ♪」
 涙を流しながら壊れかけた笑顔を浮かべる清子に、仁保は無関心な様子で猶(なお)も卵を剥いてゆく。
「あ、今間違えましたね、清子先輩。余計に欲しいんなら、素直にそう言ってください」
「ち、違うよぅ仁保、ちゃっ……! やあぁっ、二コいっしょなんて、……んへぇぇぇっ♪」
短い髪を振りたくりながら、清子はひたすら、自らの男根を掘り拡げる半熟卵を数え続けるのだった。




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