とりとめもない淫夢 成本家編 前編
「おはよおおぉ〜」
良く晴れた日曜日の朝。寝癖でぼさぼさの髪を掻きつつ、如何にも眠そうな声を出して美景はリビングに顔を出した。
「おはよう美景。日曜だからと言っても、あまり寝坊はダメよ」
対称的に、休日でもしっかりと髪型を整えている隆子が、トーストにジャムを塗りながら美景をたしなめる。「おはよう美景ー」
「おはよう」
そしてトーストにかじりつきながら千春が、続いて一昨日から帰ってきていた輝美が朝の挨拶をする。
テーブルからは目玉焼きの良い匂いが漂い、家族揃っての朝食の時間に彩りを添えていた。
「ん〜」
まだぼんやりとした声を発しながら、美景はのそのそと席に着く。テニスで鍛えたむっちりとした肉体を持つ彼女だが、苺模様のパジャマ姿だともう少しあどけない愛らしい少女のように見えてしまう。
「いや〜、昨日は変な夢見ちゃってさ。なんか良く眠れなかったんだよぉ」
言われてみれば、美景はどことなくくたびれた顔をしている。千春は興味深げにきょろっと妹の方を向いた。
「ふぅ〜ん? どんな夢?」
「千春、お行儀が悪いわよ」
ものを食べながら話す千春に、呆れた顔で注意する隆子。もとより、成人している妹に対して行儀を指摘するのは無駄だと分かってはいるが、それでもこうして口を挟まずには居られないのが隆子という人間の性格だ。
母である輝美はその辺りは気にしていないようで――小うるさい隆子に対しても、そのままであることを尊重し――話してみな、とでも言うように、末っ子の顔を見て頷いて見せた。
「うん、あのね。それがさぁ……」
*
夢の中で美景は、自転車に乗っていた。
自転車から降りることは出来なかった。理由は分からない。夢とはそう言うものだ。
夕暮れ時の川の土手を自転車で軽快に走る――何ともすがすがしく、爽やかな行為である。しかし、今の美景にとっては、全くそんなことはなかった。
「ひぐふううぅぅっ……
キンタマ、きっついいぃぃ
」
一昨日に輝美から受けた睾丸折檻により、すっかり腫れ上がっている美景の陰嚢。
昨日から比べればまだマシとはいえ、少しでも刺激が加われば随分と敏感に反応してしまう。
そんな状態で自転車に――しかも、輝美特製のゴムスパッツを履いた状態で乗せられているのだ。
少しでも振動が加わるたびに、むっちりと形の浮き上がったテニスボール大の睾丸が「うに
うに
」と卑猥に形を変え、美景の下半身にビリビリとした刺激を走らせる。サドルに蒸れた睾丸を圧迫されないように、美景は背筋を反らせた不自然な体勢でペダルをこがなければならなかった。
「お゛うぅっ
んほおぉぉ……
蒸れタマ、すごいよおおぉ
ぬるぬるしたタマが、ぐにぐにされて
んひい゛い゛
自転車に乗ってるだけなのに、段々、段々、気持ち良くなって来ちゃううぅ
」
しかしそれでも微細な振動は確実に美景に伝わり、彼女は徐々に甘い声を上げ始める。
敏感な睾丸を歪まされる快感に彼女は表情を変え、鼻の穴を開いて発情吐息を噴出しながら懸命に走り続ける。
「んはあ゛あ゛あ゛ッ
ああ、ダメッ、転んじゃっ……あ゛へひいいぃぃ……
タマ潰れるうううぅぅっ
あたしの大事な大事なオキンタマ袋ぉ
ぐにってぇ
ぐにってされるのぉぉ
」
快感の余りにハンドル操作がおぼつかなくなると、彼女は慌てて体勢を立て直す――と、サドルによって片方の睾丸が太股に押しつけられて、思わず美景は叫んでしまうほどの刺激を受ける。
そして刺激を受ければ力が抜け、ハンドルが曲がり――その繰り返しであった。
「ふっぎいぃぃ
ひいいぃぃっ
ダメ、ダメえぇ、キンタマ凄すぎて、もう自転車に乗ってられないよおおぉ
あ゛ッ、お、またぁっ……んっへぉぉぉぉお゛
」
勿論彼女の野太い男根もスパッツにくっきりと浮かび上がり、堂々とした勃起具合を見せつけながらも欲情して脈動している。普段の彼女であれば、そのまま体勢を変え、サドルに男根をみっともなく擦りつけて絶頂したいところではあったが――自転車に乗り続けるという至上命題がある以上、それも敵わない。
「あ゛あ゛へえぇ
もうっ、もうダメ、もうあたしのチンポだめえぇっ
スパッツの中で勃起しまくりで、ひいいぃ
射精したくてしたくて、ガッチンガッチン
エロチンポが勃起しすぎいいぃぃぃ
え゛ひいいぃぃっ
キンタマ自転車いいよおおぉぉっ
ひいっ、んひいいぃ
このままじゃあたし、キンタマだけで……い、イッちゃううぅぅぅ
自転車ノリながらぶびゅぶびゅう
変態、変態だぁ……
自転車チンポアクメ
へはあぁあぁ
きっと、すんごく気持ちいいんだろうケド……」
しかし、仮に絶頂を迎えてしまっては、最早無事に自転車に乗っていられるとも思えない。美景は上気しきった顔で悔しさに歯を食いしばりつつ、何とかそれを堪えなければならなかった。
「あ゛あ゛あ゛あぁ……いつまで乗ってればいいのさぁ……
もう、やだよおおぉ、家に帰って、このスケベなチンポぉ……ごしゅごしゅ、手コキぃ
コキコキオナニーしたいよぉ
はあっ、はひ、ひいいぃ
え、エロいこと考えたら、我慢できなくなっちゃう……
んひい゛い゛い゛い゛
でもキンタマぶるぶるされてダメだよおおぉぉっ
」
スパッツにしっかりと圧迫されている美景の睾丸は如何にもぷりっとしていて、破裂寸前のように見える。食いしばった歯の隙間からはいつの間にか涎が漏れ始めて、彼女が限界寸前であることを示していた。
「あ゛あ゛ふううぅ
ふっ、ふううぅぅ、すふううぅっ、んふううぅぅぅっ……
」
ようやく体勢を立て直す美景。呼吸を整えて、性器からの神経伝達を何とか抑えようとする。
ハンドルにぐっと力を入れて握り直すと、顔を振って涎を汗を弾き飛ばし、自分は自転車をこぐのだ、と言う確固たる意志を秘めた瞳で前を見つめた。
だがしかし、そんな彼女の前に現れたのは――まるで工事中かのように、多量の小石がばらまかれている道であった。
「へ……あ、あは、あはは……」
突然の絶望に直面すると、人は笑うしかなくなる――美景はそれを体現して、引きつった笑いを漏らした。
そして、最早自棄だとばかりに美景はペダルを踏みしめて全力疾走を開始した。その結果――
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っへへへへえぇえぇぇっ!? キンタマキンタマキンタマおおおおぉぉぉぉブルブルされすぎてっ、へっ、ぐひいいぃぃぃ凄いいいいぃぃぃぃぃぃ
おおおおおっ
チンボにまでズンズン響いちゃうよおおぉぉっ
お゛ッ、ほぉぉぉ
自転車ががくんがくんするたび、エロタマが潰されてへえぇえぇぇ……
ひいいぃ
もうスパッツの中身がダメっ、ダメええぇええぇ
チンポ全体でイッちゃうううぅぅっ
ぐっひいいぃ
また来たああぁ
またがっくんって、キンタマいぢめに来たよおおぉぉっ
」
砂利道で自転車が振動するたびに、美景はサドルに睾丸を潰されて、間抜けな絶叫を上げる。しかし彼女は、むしろそれを望むかのようにペダルをこぐ足を緩めない。
「んぐっひいいぃぃ
自転車腫れタマ、きつすぎいぃぃ
イッ、イッちゃうううぅ
こんなの絶対イッちゃううぅっ
ザーメンタンクたぽたぽたぽたぽされすぎてっ、へひいいぃぃ! 無理矢理肉タマから搾られるううぅぅぅぅ
いいっ、イクッ、イックううぅぅぅぅ
へはあぁあぁ
自転車乗りながら、スパッツチンポイックうううぅぅぅぅ
ザーメン射精、あ゛っへえぇえっぇぇぇぇぇぇ
」
ぶびぼぶびゅるるるううううぅぅぅっ! ごぶっびゅうううぅぅ! べぶびゅううぅぅ!
「ひいいぃぃん熱いいいぃ
チンポ汁熱いいいぃぃ
スパッツの中で熱いよおおぉぉ
え゛へえぁあぁ
濃い汁出すの気持ちいいぃ
へ、へひっ、んへああぁ……あぁあぁぁぁぁぁぁああああっ!?」
勢いよく射精して、自転車をこぎながら理性のとろけた絶頂顔を晒した美景であったが――射精の快感にすっかり身体を弛緩させた彼女はいつの間にか足の動きを止めてしまっており、物理法則に従って右に向かって倒れ込んでしまったのであった。
*
「そこでベッドから落っこちて起きたんだけどさ。そんな夢だったんだよ」
と、自分の見た淫らな夢を堂々と食卓で語り終えた美景は、焼けたトーストをぱくりと頬張った。
朝食の席でそんな話をされても、聞いていた三人は全く動じない――隆子だけは頬を染めて目線を逸らしているところから、違う意味で動じないようにしているようではあったのだが。
「面白いねぇ」
「あっ! ダメ! やらないよ! やりたくないですっ!」
輝美がにやにやといやらしい笑みを浮かべてコメントすると、美景は途端に青くなってぶんぶんと手を振る。
「なぁんだい全く。まだ何も言ってないじゃないかい……」
おそらく、今度実際にやらせようとでも思っていたのだろう――簡単に見破られた輝美は、詰まらなそうに口をとがらせて黙った。
「てーかさぁ美景? それって、立ち漕ぎすれば解決したんじゃないの?」
「あー、うん。でも夢の中って、そう言うのに気づかなくない? 自分のしてることに疑問を持たないってゆーかさ」
「ま、ねー。かく言う私も、今朝は変な夢を見てねー……」
と、トーストを食べ終えた千春は、目をくるっと上に向けて、自分の夢の記憶を辿りだした。
*
轟音、と形容した方が正しいほどの大音量のダンスミュージック。薄暗い室内には異様な熱気が立ちこめ、カラフルなライトが飛び交う中、千春はミニスカートのボディコン姿で踊り狂っていた。
「んっふっふっふふ〜ん♪」
手には羽の付いた扇子を持ち、それを左右に激しく振りながら、リズムに合わせて腰をくねらせる。
千春は床よりも一段、二段と高くなった足場に立っており、男達の欲望に満ちた視線を浴びながら、飛び散る汗も気にせず陶酔したダンスを見せつける。
今、この場に居る全ての男の視線を自分が独り占めしている。自分が女王にでもなったような気がして、それがますます彼女の興奮を高まらせた。
「みんな私を見てるぅ……
この顔、この胸、このくびれ、この尻……そして、だっぷんだっぷんのグラマラスキンタマあぁ……
」
そう、彼女は何故か下着を身につけていなかった。そんな状態でミニスカート姿でいれば、当然、巨大とも形容できる彼女の睾丸が完全に露出してしまっているわけであり、しかし千春はそのことに疑問を挟まず、ただ睾丸を見られる快感に酔い続ける。
「あ゛っふぅ
腰を振るたびに、キンタマぶるんぶるんしちゃうわ
汗でべぇっとりしてツヤツヤした私のキ・ン・タ・マぁ……
見て、見て
もっと見てええぇ
揺れまくるキンタマを見てよおおぉ
」
音楽に合わせて睾丸は太股に打ち付けられ、べちゃり、べちゃりと情けない音とともに汗を周りに撒き散らす。
周囲の男達は喝采を上げ、彼女の陰嚢に見とれていた。
「はあぁあぁぁっ
こうして見られるのって、最高よぉ
ん゛っふ
ザーメン肉タンクで精液が煮えたぎっちゃうわあぁ……
お゛お゛お゛お゛ぉ
キンタマで汁が作られすぎて、自然に溢れちゃいそぉ……
はああぁあぁ
キンタマのもやもやが焦れったくて気持ちいいいぃぃん
」
甘ったるい声をあげながら、千春のダンスはさらに激しさを、下品さを増して行く。
動きは下半身が中心になり、腰のくねりは左右から前後へと変わって、ますます振り子のように睾丸を揺らしてみせる。千春の巨大な睾丸が大きく揺れる様は一種迫力があり、ぶるん、ぶるんと言う音さえも聞こえてきそうなほどであった。
「ど〜お、私のキンタマぁ……
ドスケベなの
ドスケベすぎるのよぉ
この中に、ザーメンがいっぱいっぱい詰まってるの
出したい出したいって、ぐつぐつどろどろのチンポ汁が暴れまくってるの……
おおおおぉぅ
女キンタマ
女のドデカいキンタマあぁ
見てっ、見てええぇ……私、もう、キンタマ見せつけてるだけで……んほぉぉぉぅ
」
睾丸から迫り上がってくるような、ゾクゾクとした刺激。その感覚が、実際の射精感覚と繋がるのは時間の問題であった。大勢の無遠慮な視線に巨丸を愛撫され、千春は亀頭が服に擦れる感覚に身悶える。
「おほぉっ……
あっへえぇ……
いいっ
見られるのいいいぃ
私の身体、熱くて熱くてたまらないわぁ……たぽたぽの、発情メスキンタマぁ……
射精、射精しちゃいそおよおっ! ああいいぃ
見られてイク、見られてイクッ! 踊りながらキンタマアクメしちゃうううぅ
凄いわこんなの初めてよおおぉぉ
タマ見せでイクなんて
タマチラでイクなんてぇえぇ
はっひ
ハミタマ感じるうううぅぅ! はあぁあぁ
ド変態のキンタマ露出アクメへえぇ
イクッ、イク、イックぅ……
」
ついには千春の腰の動きはたんなる前後運動へと変わり、ダンスではなく空腰へと変化する。皮に包まれて吊された敏感な肉の玉が勢いよく揺れる感覚を楽しみながら、千春は今までに経験したことのない異常な絶頂を迎えようとしていた。その顔は半白目で舌を突きだし、発情したケダモノの様相であった。
しかし――
「あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?」
興奮した観衆の一人が千春の細い足首を掴み、下へと引きずり下ろした。ハイヒールを履いていた千春はそれに抗うこともできず、集団心理で群がってきた男達の手に捕まってしまう。
そして全く遠慮のない男達の愛撫――睾丸はそれぞれ鷲掴みにされて五本の指をしっかりと食い込まされ、無惨に形を歪ませてしまっている。はずみで飛び出した男根にも多数の手が伸び、撫でられ、さすられ、根本をしっかりと掴まれて強烈な摩擦を受けている。
「ひいぐううううぅぅ! 何するのよおっ
あ゛あ゛あ゛、せっかく露出アクメしそうだったのにいいぃぃ! 台無しッ、ひっ
台無しいいいぃぃぃ! ふっ……うっ……ぎひいいいぃぃぃ……
キンタマッ……潰れちゃうううううぅぅ……! 濃すぎるザーメンが、どぼ、どぼ
搾られちゃうわああぁああぁぁ……
チンコキもきっついぃぃ
男センズリって激しすぎるのおおぉぉぉっ
」
せっかくの初体験を邪魔されて、千春は幾分がっかりしていたが、十分に高められた肉体がこの貪るような愛撫に耐えられるはずもなく――
「ひおおおぉぉぉほぉ
イクっ、イグうううう! タマ肉をゴリってふん掴まれてザーメンタンク無理矢理イカされちゃうわああっ
ひいぃっいいいいい
センズリチンポも気持ぢいいぃぃぃぃ
私のチンポタマ、もっとセンズって、センズって、コキコキ倒してえええぇっ
え゛へひいいぃぃぃっ
出ちゃうううぅぅ
エロ汁出ちゃうわあぁあぁぁぁぁっ
」
どびっぶびゅるるるるうううぅぅぅ! ぶびびゅううぅっ、ぐびゅっ、どっびゅうううぅ!
泣き笑いの表情で痙攣しながら、千春は盛大に白濁液を噴き上げる。
「ひいいいぃぃっ
またセンズリい
イッてるのにチンポコキッ
すんごいい! あ゛あ゛あ゛あ゛、もうっ、おっぱいもオマンコも、好きなようにしちゃってよおおぉぉ
もっとイカせまくってぇえぇ
私のエロぉい身体、無茶苦茶にしてええぇえぇぇぇぇええぇぇっ
」
手足を掴まれて、無惨な絶頂顔のまま千春は身動きすることもできず、ただただ男の手による乱暴な快感を受け続ける。
興奮して突き出された舌はベロベロと中空をなめ、そこだけが誰にも邪魔されず淫靡なダンスを続けていた。
*
「ってわけよお」
「姉さんもえっちぃなぁ……
でもさ、そこってどこなの? クラブみたいなところ?」
きょとん、とした表情で聞き返す美景に、千春はうえっと喉に詰まった声を出す。
「あんた……知らないの? はぁ〜、世代の差を感じちゃうわぁ」
「お前だって、あそこで実際に踊ったこたぁないだろぉ?」
「まあ、ねぇ。でも一度はあそこで踊りたいと思ってたんだけどね。それなのに私が成熟したころには無くなっちゃうしさ。夢だったのになぁ〜」
どうやら輝美も知っている場所らしく、二人はそこについての思い出をちらちらと話し始める。
ついていけない美景は、ん、ん? と不思議そうに二人の顔を交互に見ていたが、そこで紅い顔をしたまま押し黙っている隆子の存在に気づいた。
「ん? ははぁん……さては隆子姉さんも、何かえっちぃ夢見ちゃったんでしょ〜」
と、からかうような顔になって声を掛けてみると、ハッと顔を上げた隆子はオーバーアクションで反応する。
「ば、ばばっ、馬鹿なこと言わないで! 私がそんな淫靡な夢を見るはずがないじゃないのっ!」
その場にいた誰もが、ああ、見たんだな……と確信した。
「いーじゃん恥ずかしがらなくても〜♪ 教えて教えて♪ どんな夢見たのさー」
「そうよ姉さん、私たちだって話したんだからぁ」
「あなたたちは自分が好きで話しただけでしょうっ! え、その、そうじゃなくて、見てないんだから話せるはずがないでしょうっ……!」
にやにやとした妹二人につつかれ、隆子は顔中を真っ赤にして何とか誤魔化そうとする。
「話してごらんよ、隆子。いいじゃあないかね、たかだか夢の話くらい。ん?」
しかし、加えて輝美までもがそんなことを言い出した。言葉自体は柔らかだが、顎をさすりながら発せられるドスのきいた声は、有無を言わさない迫力に満ちている。
三人にそう言われると、隆子は渋い顔をして椅子に座り直して、少しの沈黙の後、大仰にため息を吐いた。
「分かったわよ……私は、こんな夢を見たんだけど……」
(後編へ続く)