私の散歩道「ファミリーレストラン」
いよいよ吹きすさぶ北風が身にしみる時期となった。日課の散歩に出かけるのも少々逡巡する日々であるが、とはいえ動かずにじっとしているよりは身体も温まろうと言うものだ。私は厚手のコートを羽織り、外へと出かけることにした。
しかして今日は当てもなくぶらぶらと歩くわけではなく、最近道路沿いに出来たファミリーレストランを覗いてみようと思っている。都市部を中心に展開する大手チェーンの店舗ではあるが、サービスが個性的で、是非近所にも出店しまいかと常々思っていたのだ。
ちょうど腹も減っており、昼食がてらにちょうど良い。まさしく渡りに船である。
さて、排気ガスのもうもうたる匂いに胸のむかつきを覚えつつ、車通りの多い道路を横切り、明るい外装が特徴的な件の店へと私は訪れた。
「いらっしゃいませー
」
まだ若い盛りであろうウェイトレスが、鈴を転がすような声で迎えてくれた。
溌剌としていて、実に魅力的な娘である。ミニスカートから伸びた彼女の肉付きの良い足に思わず目を吸い込まれそうになるが、そこいらの狒々親爺ではあるまいし、と、私はなんとか自制した。
私は彼女の案内に従って席に座り、メニューを受け取る。
周りを見渡せば、新店舗な上道路沿いという立地条件も加わって、どの席もすっかり埋まっており、来てすぐに座れたのは僥倖と言えよう。
メニューを開くが、しかしじっくりと舐めるように眺めるような真似はしない。こう言ってしまっては失礼だが、この系列の店は、食事に関してはそこそこの値段とそこそこの味が売りなのであって、特にどれを頼もうと余り変わりはないのだ。単純に、何となくエビを食べたい気分であった私は、ふと目に付いたエビフライ定食を注文することにした。近くを歩いていたウェイトレスにそれを告げ、麦茶を飲みつつ、しばし待つ。
しかし、ただ待つのも退屈である。待ち時間の手持ちぶさた加減は、実にどの飲食店であろうと、抱えつつも解消できない最大の問題点であろう。
そこをこのチェーンは、前述のユニークなサービスによって相殺し、待ち時間であろうとも客を飽きさせない工夫を凝らしているのだ。
「んっ……ふううぅっ
チンポに……食い込んでッ……揺れッ
ひっ、いっ
ナポリタン……お待たせ、いたひまひたあぁ……
」
今、後ろのテーブルに料理を運んできた彼女であるが、なんと彼女は、そそり立った男根にベルトを掛け――すなわち膳を男根にぶら下げて料理の皿を運搬しているのである。
これは別に、彼女がよほど自分の男根に自信がある、と言うわけではない。これこそがこの店のサービスなのである。
可憐なウェイトレスたちが、血管の張り詰めた猛々しい男根をそそり立たせて歩く姿は、誰にとっても実にチャーミングなものであり、これを眺めているだけでも料理の待ち時間はおろか、日がな一日それだけで過ごすこととて出来るであろうことは、余人の説明を待つこともなかろう。
やや足を開き加減にして、男根を萎えさせないように気分を高めつつ、重い料理を運ぶ。至難の業であり、それ故速度も実に緩慢としたものであるが、それに対し文句を付けるような客は居ない。誰もが、にこやかなる笑顔でそんな彼女とその男根を見守っているのだ。
「ひっ……ああっ、あ゛……
ごゆっくり、どう、ぞぉ……
」
そんな運搬方法に合わせて、店員が歩く通路はさながら舞台の花道のように高くせり上がっており、これは我々客が鑑賞する上においても実に具合が良い。
彼女はテーブルに膳を置くと、ベルトを手で掴み、腰をくいと可愛らしくひいて男根を外した。料理を運ぶ段において、ウェイトレスが手を使って良いのは非常事態以外はこの時だけである。
尚、例えば飲み物のような軽いものは、今度は男根ではなく睾丸に括り付けて運ぶようになっており――
「ふんぐぅぅぅううぅぅっ
コーヒー運ぶと、キンタマがっ……ほかほかして……蒸れちゃうようっ
タマが、ほかほか……ひっ
揺れっ
零れえぇ
あ゛あ゛、あ゛あ゛
タマが火傷しちゃううぅうぅ
私のキンタマっ、キンタマあぁあぁ
」
「が、頑張ってっ! 私だって、カツ丼運ぶの大変なんだからっ……
」
睾丸は萎える心配こそないが男根よりもよほど揺れやすく、かつ、そのたびに強烈な刺激が与えられるのでこれもまた重労働である。睾丸の衝撃に喘ぐウェイトレス、その顔をよく見てみれば、先ほど私を席に案内してくれた娘だ。友人とおぼしき隣の娘に励まされつつ、泣きそうな顔で頑張っている。
「むちゅって引っ張られた潰れたオキンタマに
ほかほか湯気がしみちゃうよう
キンタマにしみるようっ
ひっ
ひああぁあぁ
キンタマあぁっ
あ、あひっ、ひいいぃぃっ、う、う、うあ゛あ゛あ゛
ああぁぁん
ムレムレタマキンダメなのっ
」
「ほらっ、もうちょっとだから……お待たせ、しましたあぁっ
」
「ひぃいぃっ
ごゆっくり、どうぞおぉ
」
ようやく目的のテーブルへと辿り着いた娘は、半分崩れ落ちるようになりながらも、それでも何とか運び終えた。隣の娘に肩を貸して貰いつつ、睾丸をさする姿は、実に見目麗しき友情の光景である。客に礼を言われて彼女ははにかみ、関係のない私までもが嬉しくなってしまうような笑顔を見せた。
「ふっ、ふうううぅっ、んふっ、おぅ
おふっ、おううぅっ
おふっ、お゛お゛ぅぉぅ……
」
と、逆の方から聞こえてきた威勢の良い声に振り向くと、今度は、やや年長とおぼしきウェイトレスが、鍋焼きうどんを運んでいた。重いし、熱かろうに、吊り目がちで負けん気の強そうな彼女は、足をどっしりがに股に構え、悠然と運んでゆく。
「ぐううぅうぅ……熱いいぃっ……えーっと、うわっ、遠いねえ……!」
歯を食いしばり、汗を流しつつ運ぶ姿は実に美しいのだが、どうも目的のテーブルは店の端にあるようだ。
「てっ、手伝いましょうかっ?」
「大丈夫だよ……んおぉ
チンポ、萎えて来ちまうっ……
」
「あっ、あっ」
同僚のけなげな申し出も顧みない彼女であったが、少し気を抜いてしまったのか、ベルトがややずり下がり、料理が落ちそうになってしまう。私ははらはらとしながら彼女の動向を見守っていたが、さすがに風貌通り彼女は一本芯の通った性格であるらしい。
「お゛ッ……ふううぅっ
け、ケツぅっ
ケツ、指でずぼずぼぉぉ
おひっ
おひっひいいぃ
チンポ、勃つうぅ
あ゛あ゛あ゛……お゛お゛お゛おおぉ
がに股チンポ、ボッキしまくるようぅっ
ひっ
ケツぐりぐりして、チンボボッキ
ボッキぃ
あたしのチンポ、ボッキぃいぃ
」
嬌声を上げながらも、彼女は自分の菊門に指をあてがい、それを一気に突き込んで強制的に男根を跳ね上げさせた。
「あ゛ーっ……熱い、熱い、あづいいぃいぃ
勃起チンボに湯気あづいぃ
ひっ
うっ
おっ、ほぉ
ひーっ、がに股チンボおぉ
気持ぢよぐなるうぅうぅ
」
男勝りの、それでいて艶っぽい喘ぎ声を上げつつ、彼女はなんとか持ち直し、また悠然と歩き出した。実に惚れ惚れするような姿である。
しかし、菊門、ひいては前立腺を責めることは、ウェイトレスにとって諸刃の剣である。屹立しなおす程度であれば御の字であるが、行きすぎて快楽を覚え、絶頂してしまっては元も子もない。
ウェイトレスが絶頂した場合、その料理は無料になると言う決まりがあるため、なおさら危険な橋だ。
そして、その仕組みを利用して、褒められぬ行為に出る輩もいる――
「ウェイトレスさーん、ほら、もっとチンポボッキさせて! 情けないアヘ顔してみせて!」
「ビキビキの剥けチンポエロいねえ! スケベだね! 射精しちゃうところ、見せてよ!」
私の前の方に座っている、若いサラリーマン二人だ。彼らは、大盛りの焼きそばを二人がかりで運んでいるウェイトレスに向けて、卑猥なヤジを飛ばしている。
「ひ
ひ
お客様お許し、くださ、いっ
オチンポ
オチンポが、びゅ
びゅ、って、ザーメン出しちゃうわっ
露出チンポ、イキチンポ我慢できなくなっちゃいますっ
」
「いいっ
いやあぁあぁ
あ、あ、あんまりねっとりと見ないでくださぃ
ボッキしすぎて、苦しいんです
ダブルがに股チンボ
お客様に囃されると、お゛お゛お゛
イッちゃうかもですぅ
」
二人で向かい合ってがに股になり、彼女らは料理を必死で運んでいる。応援や励ましならまだしも、彼らは明らかに、かのウェイトレスたちを射精させようと口々に囃し立てているのだ。
直接彼女らに触るのは明確な規約違反であるから、そこまでの無法はせぬものの、しかして懸命に働く彼女たちに屈辱を与え、あまつさえ可愛らしい彼女たちの濃厚な精液の掛かった料理を無料で食しようとは、言語道断な振る舞いである。
幸い、彼女たちは、小刻みに震えつつも、なんとか無事に料理を運び終えた。
私はホッと胸をなで下ろすが、男二人は周囲の白い目にも気づかずに、詰まらなそうに口をとがらせている。呆れたものだ。
まあ、あまり腹を立てても詮無きことである。私は気分を鎮め、麦茶をもう一口啜っていると、ようやく私の注文したエビフライ定食が向かってきたようだ。
運んできているのは、先ほど孤軍奮闘していた勝ち気そうな彼女。太く、長い男根を震わせ、また堂々としたがに股でこちらに向かってくる。
「うっ、ふううぅっ、う゛う゛
キンタマぁ、揺れるうぅ……うっ、ふううぅ、カリがベルトでこしゅこしゅされて……イッちまいそうだぁ……
ひあ゛
お待ちどう、さ、んっ……です
」
頬を真っ赤に染めて、達してしまいそうだと言うのに、このしっかりとした足取り。全くこの店のウェイトレスには頭の下がる思いである。
彼女も日々客にからかわれたりして大変なのであろう、それを労う意味でも厚く感謝の言葉くらい掛けねば。
もし、お嬢さん――
「えっ……ひっ、えっ
何言うんだよぉっ
やっ
やはあぁ
そんなこと言われたらっ、い゛ッ
あ、ああ、あ、あ、あたしのっ、チッ、チッ、チンボおぉおぉ
チンボイクチンボイクチンボイクッ
チンボがイッぢまううぅぅぅぅっ
そんなこと言うなんてっ
い゛ーっ
チンポが熱くなって、我慢できないっ……ひあああっはあぁあはあぁっ、がに股でチンポっ、おーっ、もうダメだあぁっ、腰がぁあぁ……腰がカクカクして、ベルトに擦るううぅううぅっ
チンポおおぉ
いひっ、いひぃ
出るっ……ぶびゅっちまうううぅっ
あたしのチンポが
思いっきり濃いの
たっぷり
ぶびゅぶびゅしちまうよぉぉぉぅっ
」
どぼぼぼぶびゅうううぅっ! ぐぶっびゅっ、どっぶびゅううぅっ! びゅるるべじゃっ! べじゅっ、びじゃああっ!
凄まじい音を立てて、目の前にあった彼女の鈴口から精液が放たれ、エビフライ定食と私の顔面は白濁に染まった。
「あ゛、あ゛、あ゛……え゛へえぇ
え゛へえぇえぇ……
射精気持ぢいぃ
お客さん酷いよぉ
酷いよぉ
あんなこと言われたら、誰だってアクメしちまうよおおぉ
え゛ひ
まだぶびゅぶびゅするうぅ
キンタマが熱くてたまんないいぃ……
」
彼女は快楽にとろけた顔をして、私を涙ながらに非難する。
私は普通に励ましの言葉を口にしただけなのだが、何か拙いことを言ったのだろうか。
(終わり)