私の散歩道「ボクシング」
いつもの散歩道である駅前通りから、ふとした気まぐれで脇道に入ってみると、パン、パンと軽快な響きが耳に届いてきた。
その音に誘われるように上を見上げると、コンビニエンスストアの二階に、ボクシング教室の看板があった。
否や、ボクシング教室、と言うのは正確では無いのかもしれぬ。おそらく入り口へ続いているのだろう、二階への階段の壁には、ストレスや運動不足の解消が高らかと謳われ、一時間いくら、と呼び込みの張り紙があった。
それを良く読むに、ここは格闘技としてのボクシングを教える場所に非ず、喩えるならバッティングセンターのように、気の済むまでサンドバッグなりパンチボールなりを殴っていただこう、とそう言う場所のようだ。
殴り合いにはいささか気が引けてしまう私だが、これならば安心だ。
こうして毎日散歩をしているが故、足腰はそれなりに丈夫であると自負してはいるが、こと、上半身の身体能力に関してはどうにも心許ない。どうにも最近肩こりが酷いこともあるし、せめても入り口から様子をうかがってみようと私は決心したのであった。
と、階段を上り、入り口のドアから中を覗こうとしたところで、今帰るのであろう女性客とちょうど出くわした。私たちは互いに会釈をし、無言ですれ違っただけであったが、なるほど、今のようなOL風の女性客が一人で来られるような場所なのであるな、と私は得心したのであった。
さていざやと中をうかがうと、店員とおぼしき女性が一人、器具の点検をしていた。どうやら、他に客は居ないらしい。
無用な混雑を嫌う私にとっては、これは実に有り難いことである。雰囲気も、ややくたびれてはいるが、全体に女性らしい気配りが行き届いていて、清潔な感じすらある。私は一人頷くと、安心してドアを開いたのであった。
「あ、いらっしゃい。お客さんですか?」
女性店員――ショートカットで、如何にもスポーツ少女と言った様相の、さばさばした娘は、私の方を向いて軽く微笑んだ。なかなかに可愛らしい顔立ちである。
来意を告げると、私はグローブを渡され、更衣室に通された。確かに、上着を羽織ったままでは運動など出来るまい。隣には狭いながらシャワー室も用意されており、女性客には有り難い心遣いであろう。
さて、上半身をシャツ一枚と言う姿になった私は、生まれて初めてグローブを手に付け、サンドバッグ――これがまた、ぴくりとも動かない――をがむしゃらに叩いていたのであったが、ふと店員から声を掛けられた。
「お客さん。他にお客さんも居ないことですし、良かったら、私の訓練につきあってくれません?」
殴り方でもアドバイスされるのかと思っていた私は、大いに驚き、間抜けに口を開けたまま彼女の方を向いた。
すると彼女は苦笑して手を振り、
「あ、いえ、違うんです。お客さんのすることは別に変わらないんですけど――ただ、殴ってもらうものが変わるだけで」
ふむ、と私は首を捻る。例えばボクシングの練習風景では、選手がトレーナーの構えるミットにパンチを繰り出していたりする。つまりはそのようなことか、と私は早合点し、それを了承したのであった。
しかしその少女は、私の返事に朗らかな笑みを見せると、何と下半身の衣服を脱ぎだしたのであった。
狼狽する私を余所に、少女は完全に衣服を脱ぎ去り、その巨大な、一抱えほどもある睾丸と男根を、露わにした。まるでモデル並の立派な男根である。
そして少女は、その巨根にコンドームを被せると、台の上にがに股になって立ち、私を手招きした。
「さ、お客さん。お願いします」
つまり、私にその男根と睾丸を殴れと言うことであろうか。確かに、台の上に立ったことで、彼女の股間の逸物は実に殴りやすい高さに位置している。
「こうやって私、チンポ鍛えてるんです……
ああぁ……びくびくボッキしてきちゃう……
だっぷんとぶら下がった、重くてつやつやのパンチボール二つと、熱くて硬い肉柱
お客さんの思うがままにいたぶって、殴ってくださいぃ
お願いします
」
良いのか、と私が問うと、彼女は勿論と頷いた。なるほどこのように男根を鍛える方法もあるか、と私は納得し、早速、軽いジャブを彼女の睾丸に放った。
「んほぐうぅっ
ひ、あっ
」
途端に彼女は甘い声を上げた。
予想以上に敏感な反応に、かえって私の方が身を引いてしまう。
「あ、いいえ、大丈夫ですから、そのまま……
もっと強く、ぶん殴っちゃってください
」
やや頬を上気させ、少女が言う。
少女にとって、別にこれは初めての経験ではないのだろう。少女の男根は中々につややかで、あまり荒事に慣れているようにも見えないが、しかし頼まれた以上、あまり遠慮するのも失礼というものだ。
私は遠慮無く、右拳で左睾丸を、左拳で右睾丸を、時折に幹への一撃を加えつつ、少女の巨根をさんざんに殴らせていただいた。
「おっ、おっ、おおおぉーっ
いっ、あ゛あ゛あ゛ッ
キンタマが、鍛えられるううぅっ
んあ゛あ゛ッ
もっとっ、もっと強くっ、もっと強くキンタマぶん殴ってくださいいいぃ
キンタマっ
私のデカタマ
殴ってッ、殴ってええぇっ
ジャブで揺らしてッ、たっぷりたっぷりなキンタマサンドバッグッ
ドスドスパンチしちゃってくださいぃぃいぃっ
んおおぉぉ……お゛おおぉぉぉおぉぉ
効くううぅ……効くよおおぉっ
ああ、あっ、チンポっ、チンポにもぉっ、チンポにもパンチいぃっ
ひ、いいぃっ、んひいいぃぃ、ぐひいいぃっ
」
少女の嬌声をBGMに、私は汗を流す。ふと上を見れば、少女の亀頭から漏れた先汁が、コンドームの中に溜まってゆくのが見える。なるほどコンドームが無ければ私はちょうど彼女のシャワーを浴びる羽目になっていたのであるな、と、私はその分泌液の量に慄然とした。
「ふっ、う゛う゛っ、お客さん、筋が良いですよ……お゛お゛お゛お゛おおぉぉ
キンタマああぁっ
キンタマを、思いっきり殴り抜いてっ
ぐううぅぅぅっ
んふううぅぅうぅっ
すんごい、鍛えられます……ひいぃぃぃぎいぃっ
もう、もうイッちゃっ、イッちゃううぅっ、チンポ汁ううぅぅ……キンタマサンドバッグで、チンポが、イッちゃうよおおぉぉ
キンタマとチンポが、ばしばし殴られて、ぶるんぶるん揺れまくりいぃっ
ひいいぃぃい゛い゛い゛いぃぃっ
い゛ッ、あ゛ッ、倒れっ、倒れそうぉおぉ
」
少女が倒れては一大事である――私はふと拳を止めたが、彼女はしかし、すっかり発情した目で私を見据え、継続を懇願するのであった。
「だっ、大丈夫ですっ
キンタマとチンポ、鍛えてますからっ……このくらいじゃ、まだ、まだっ……ひいいぃぃっ
そう、そうですっ、チンポに連打下さいいいぃぃっ
あ゛あ゛あ゛あ゛へえぇえぇえぇぇぇっ……チンポが痺れるううぅっ、チンポ殴られて、チンポがビリビリしてくるよおおぉぉっ……
いいぃぃぃ
チンポの感覚が、ひっ、消えて、あ゛あ゛あ゛イッ、ちゃ、ううぅぅっ!」
絶頂の叫びに合わせ、私は上方の彼女の亀頭を左右からめった打ちにする。先ほどからどうにも物騒な言葉ばかりが並べられているが、私は非力であるし、何より分厚いグローブをしているので、これはこれで快感であるのかも分からぬ。
「あひっ
チンポのっ、チンポの先っぽが、パンチボールにっ……
ガチガチのボッキチンポッ
ボッキチンポ殴ってッ
ひあ゛あ゛あ゛ッ、あ゛
汁ぅぅっ、汁が出るうぅっ! スケベなチンポ汁が、パンチされてびゅるびゅる出ちゃうよほおおぉぉ
おっ、おひっ、おっほおおぉぉぉぉぉおぉぉ
イグイグイグううぅぅっ……チンポ汁、出っちゃうよおおぉぉぉぉぉっ
」
ぶっどびゅるうううぅぅっ! どぶびゅうっ、びゅ、どぶびゅるるるるうぅぅっ!
がに股にて歯を食いしばり、少女は股間に付けたコンドームを水風船が如く膨らませる。その量たるや大きさに見合った凄まじいものであり、私はゴムの皮膜が破裂せぬものかと肝を冷やしてしまった。
「ふーっ……ふーっ……ふううぅぅぅーっ……お客さん、チンポの扱いが上手いですね……
次は、きっ、キンタマ
を、イクまで、殴ってくださいっ
」
その前に、ゴムの付け替えを勧めたかったが、しかし物事には流れというものがある。
少女が汗水を垂らして発情しているように、私も久しく経験していなかった運動の愉しみに興奮したか、はたまた少女の見事な睾丸に誘われたか、ここでこの雰囲気を断ち切るような無粋はせずに、ただ彼女の言葉に従うのであった。
まずは、右拳を真っ直ぐに打ち出す。
「ほっ、ごぉおおぉぉっ
おおおおぉぉっ、ぐ、ふひいいぃぃぃ……
キンタマが、お尻にぶつかるみたいな、強烈なパンチいぃぃっ
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛へ
あ゛へえぇ
ぱちゅうぅんって、凄い音がしましたねっ……
まだ、じんじん痺れてるよおぉっ
」
そして、彼女の睾丸を弄ぶかのように、左右からフックを繰り出した。
「ふあっ
んふおおぉ
左右からキンタマ揺さぶられてへえぇぇ
すごいいぃぃぃ
あ゛あ゛、あ゛あ゛あ゛
エロ肉サンドバッグから、ザーメンが上がって来ちゃうよおぉぉっ
お客さんのパンチ、いいひいいぃぃ
い、いかがですかっ、私の、ムチムチ
プリプリ
の、ドデカキンタマの殴り心地はっ
」
彼女の膝がガクガクと震えだし、声も再び甲高くなってゆく。男根に張り巡らされた隆々とした血管が脈打っているのが目に見えるようだ。
私は彼女にとどめを刺すつもりで、左右から同時に、挟み込むようにその睾丸を打った。
二つの睾丸が、互いにぶつけられ合う感覚はいかばかりのものであろうか。
「ほんごおおぉぉぉおぉおっ
」
さながら獣のごとき雄叫びを上げ、彼女は懸命に足を突っ張らせながら背筋を反らす。
「きっ……キンタマ、両側から、潰れッ……ん、ぐ、ひいいぃぉおぉぉぉっ
い、い゛い゛い゛い゛イグうぅぅぅっ……チンポ、イクッ……ザーメン汁ううぅ、搾り出されちゃ、ううぅぅっ
」
さらに、駄目押しとばかりに、私は見よう見まねのアッパーでもって下から睾丸を突き上げる。
グローブごしにも、彼女の睾丸が良く弾む感触が伝わってきた。
「ひんお゛お゛お゛お゛お゛おおぉぉぉっ! 目の前がチカチカするよおぉぉ……
アクメするううぅぅっ……キンっ、タ、マ
殴られてッ……ひあへっ……イッっちゃあああぁあぁぁっ
」
どっぼびゅるううぅぅっ! びゅぶちゅっ、びゅぐびゅるうぅぅっ!
内からこみ上げる衝動を我慢できぬかのように、少女はまた大量に精液を放つ。二度の射精でゴムの中に溜まった精液は、じゅるじゅると卑猥な音を立てながら、被せ口まで逆流して睾丸を伝って垂れ落ち始めた。
しかし、こうまでされてまだしっかりと立っているとは素晴らしい、と私は感嘆していたのだが、
「んへえぇぇ……今、ゴム、換えてきます……よろしければ、もっともっと、私のキンタマ、打ち据えてください……
チンポを殴って、鍛えてくださいぃ……
」
なんと彼女にはまだまだ余力が有るらしい。顔中を汗だくにし、誘うような流し目でそう言われてはつい頷いてしまいたくなるが、しかし残念ながら私の体力の方が保たなさそうだ。
私ももう若くもない、引き際は心得ている。若ければ引き際以前にまだ体力が保つのではと思う向きもあるが、そこは考えぬことにした。
帰り支度をし、残念そうな彼女を相手に精算を済ませる。私は、これは良い運動になったと満足しつつ、疲弊した身体を引きずって帰途についたのである。
(終わり)