貴方の頭蓋に住まうモノ・・・・続きです・・・・・
「ゆ、祐一さん・・・・!その姿は・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・髪の毛、切ったんですか?」
へこ〜
「ええ、そうなんですよ、結構伸びていたし、最近、うっとうしくなっちゃって・・・
どうした、みんな?その拍子抜けしたような顔は・・・」
居間にいるみんなは、何故かぐったりとした表情で溜息をついた。
「はぁぁぁぁ・・・ばかばかしい」
「うぐぅ・・・名雪さん、紛らわしいよ・・・」
「だって・・・だって・・・変だよ、こんなの、私の知ってる祐一じゃないよ・・・」
どうも名雪は本気でイヤらしい。・・・にしても、大げさな奴だ。
「第一、なんで灯りを消して部屋を閉め切ってたの・・・」
「へ?ああ、ヘタに光が入ると、反射して鏡が見づらくなるんだよ・・・
それに、やっぱり断髪式には雰囲気が必要だろ?」
「・・・紛らわしいのは、祐一の方だよ・・・」
「祐一さんたら・・・髪の毛を切るぐらい、私がやってあげますよ?」
「はは、すいません。それじゃ、後でちょっと後ろの方だけ調整して下さい。」
気がつくと、真琴とあゆがじー・・・・・っと俺の頭を見ていた。
「・・・なんだ?」
「祐一・・・」
「祐一くん・・・」
「お、二人とも、あんまり見とれるなよ」
そこで二人は息を吸うと、
「「ヘン!」だよ」
「な、なんだと!」
「そうだよ、おかしいよ・・・」
皆は口をそろえて俺の髪型を非難する。
あ、あれだけ悩んだ末の髪型なのに・・・
「あ、秋子さん」
俺は秋子さんに救いを求めた。
「大丈夫ですよ、祐一さん。なんだかやんちゃな感じで、いいと思いますよ、ふふ」
「やんちゃ・・・・・って、褒め言葉になってませんよ」
「あははっ♪祐一、おもしろいよっ」
「笑うな!」
「うぐぅ・・・これは、失敗だね・・・」
俺はキッと振り返ると、
「あ〜ゆ〜・・・髪の毛のことについて、お前だけには、いわれたく無いぞ」
がし、ぐりぐりぐりぐり
俺はあゆを捕まえ、頭をぐりぐりする。
「うぐぅぅぅ!」
「ええいこの!そんなこと言うのは、この口か?この口か?」
「うふぅ、ひゃめへよ、ゆふいひふ〜ん」
「ちょっと祐一!なにしてんのよ!かわいそうでしょ!やめなさいよーっ」
「祐一、やっぱりヘン・・・」
「ほらほら、みんな。もうその辺で・・・
祐一さん、とりあえず、念のためもう一回髪の毛を払ってきて下さいね。
そうしたら、ご飯にしましょう」
辺りに明るい空気が舞い戻る。
そこにあるのは、暖かい家族の姿。
「わーい、ご飯、ご飯」
「ボクもうおなかペコペコ・・・」
「子供か、お前達は・・・」
「祐一、やっぱりヘン・・・」
「まだ言うか!」
何気ない日常は、こうして過ぎていきます・・・・・・・。
(おわり)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・・・・・解説
長くなった髪の毛って、うざったいですよね。
途中でオチが読めてしまったら、ごめんなさいな。
Libraryへ トップへ