(はじめにお読みください)

いたづら秋子さん 番外篇 諸注意


注意・いち)えっと………これは、かの偉大なる「F.cool様」の人気シリーズ「いたづら秋子さん」
の番外篇………だったらいいな(ぉ
 何故、私が書いてるのかは、まぁ……「ヒミツ☆」って方向でお願いします(ぉぉぉ


注意・に)ノリとその場の勢い「だけ」で書いた作品です。
 中身なんて期待しないで下さいね?(ぉぃ


注意・さん?)………ああっ、石を!! 石を投げないでええええ~(´Д`;≡;´Д`)~ 




 という事で、どうぞ〜(マテ








「いたづら秋子さん番外篇 ゲームです」








 あふ……おはようございましゅ………

 まだ朝の5時過ぎだというのに もう外は明るいみたいです

 夏もすぐそこですね


 そんな事を思いつつ 朝食の準備を始めようと あくびをかみ殺しながら

いつものようにキッチンへ………

 向かったのですが なにか違和感があります



「……あら?」

「ぐー………」


 祐一さんが リビングのソファに座ったまま寝ています。

 なんて可愛い寝顔

 思わず いたづらしたくなって


 違います


 いたづらは もう卒業したんです

 これからは真面目に 

 そう 真面目に祐一さんに接すると決めたんです 



 それにしても……

 いくら今日が日曜日だとはいえ 祐一さんは どうしてこんな場所で寝てるんでしょう? 

 不思議に思いながら ひょいっと覗き込みます


 あら? 何か握ってますね

 何か握って……


 ナニか握って……


 ナニを握って……


 きゃ、そんな



 って ちちち 違います!!



 えっと これは…… ゲームのコントローラでしょうか?


 よく見ると テレビの電源が入って……いません


 どういう事でしょう?


 まあ 気にしてもしょうがないですね


 とりあえず 朝ご飯の準備をしましょう




 〜〜♪(秋子さん料理中)


 〜〜〜〜♪(料理中だよ)


 〜〜〜〜〜〜♪(料理中なんだよもん!!)






 さて 準備もできました


 途中でなにか聞こえた気もしますけど きっと空耳ですね


 さて


 そろそろ祐一さんを起こしましょう


 名雪も起こしてもらわないと いけませんしね



「ぐぅ………」



 あらあら


 気持ちよさそうに寝てます


 起こすのも気が引けます


 けれど 起きてもらわないといけません


 ここは一つ ちょっと荒っぽい方法で……えい!


「ふが……むー……ん……んーーー………」


 ちょっぴり苦しそうですね


 やっぱり 鼻と口を両方塞ぐのは まずかったでしょうか?


 でも 苦しんでる祐一さんを見てると……


 私の背中に 得も知れぬ快感が生まれ


 ちがいます!!


 …………きっと これは気の迷い

 そう 気の迷いです!


 甥である祐一さんを虐待して それに興奮するなん………あら?


 祐一さんの顔色が なんだか青紫に……


 ああっ!

 鼻と口を塞いだままでした!


 たたたた、大変です!!



 わたわた わたわた……


「ゆゆゆ、ゆういちさんっ! しっかりしてください!」


 がくがく ガクガク……


 ダメです

 ぐったりしてしまって いくら揺さぶっても ピクリとも動きません

 こうなったら 仕方ありません


 T−ウイルス混入の この新型ぢゃむで


 って そんな物はありません!!!

 ああああ どうしましょう どうしましょう!


 このままじゃ 私は殺人犯になっ

 違います

 祐一さんが あの人と同じ あっちの世界に


 あっちの世界 アッチの………


「祐一君……」

「お、叔父さん、だめです、そんな…… 俺には名雪がいるし、

叔父さんにも秋子さんという人が……」

「そんな事、今の私達には関係ないさ…… さあ、こっちに来るんだ……」

「だ、ダメですよ、そんな……ああっ!」

「ふっ…… 可愛いな、祐一君……」

「あっ、そんな、お、叔父さ………ああっ!!」


 なんてことに……

 きゃ



 って

 ちがいますってば!!

 そんな事 考えてる場合でもないです!!



 ………仕方ありませんね。

 こうなったら 最終手段を使うしか




 どきどき どきどき





 ちゅ



「ん………」



 ふー



 大きく息を吸って もう一度



 ふー




「げほっ、ごほっ……はぁっ、はぁっ………は……ぁ……」



 ほっ

 どうやら 無事に蘇生したようです

 よかった




 それにしても 今の祐一さんの吐息……

 どことなく艶があって 思わず濡れちゃい……



 ませんっ!!


 そんな事 あるわけがありません!!!

 ないったら 無いんですぅっ!!


 はぁ はぁ……

 私は 一体誰に向かってこんなに言い訳してるんでしょう……?



 まあ それはともかくとして

 祐一さんを元のように寝かせて 何事も無かったかのように起こしましょう♪


 ふふっ

 私って 罪な女(はぁと)ですね


 きゃっ 自分で言っちゃいました


 …………こほん

 とりあえず



 ゆさゆさ ゆさゆさ


「祐一さーん おきてくださーい あさですよー」

「ん……んー……あ、秋子さん………?」

「はい。もう朝ですよ、祐一さん」

「あー……おはよう……ございます……」

「おはようございます。もうすぐ朝ご飯の準備もできますから」

「はい……じゃあ俺、名雪起こしてきます………」

「よろしくお願いしますね」

「わかりました……ふぁぁ………」



 ふふ

 祐一さんたら 大きなあくびをしてリビングを出ていきます

 そんな姿も また可愛い

 違います きっとこれも気の迷いです

 そうに決まってます


 とと 朝ご飯の準備でしたね

 って

 もう終わってるじゃないですか


 はふぅ

 どうやら私 相当錯乱してたみたいです


 こういう時は 頭を振ってしゃきっとしましょう



 ぷるぷる ぷるぷる



 大丈夫

 これでいつもの私です



 ……………あら?


 テレビのすぐ側に ゲーム機とソフトのパッケージが置いてありますね

 コントローラを握ってたんですから まあ あって当然ですけど


 でも……祐一さん どんなゲームをしてたんでしょう?


 興味がありますし……見てみましょう


 てとてと……(歩いてる音と思いねぇ)


 ひょいっ



 「半3D対戦格闘 Kanon VS O.N.E(18歳未満の方の(以下削除)」



 ひ ひやぁぁぁぁぁぁぁ


 あ 秋子 どっきどきです(錯乱)


 祐一さんってば こんなゲームをやってたんですか………?!



 と 取り敢えず説明書を……

 って 何で読んでるんですか私はっ!!?

 誰もいませんけど なんとなく慌てて目を逸らします

 べ べつに私は こういうのに興味は………


 ちらっ(盗み見)

 ちらっ ちらっ(盗み見)

 ………祐一さん まだ下りてきてないようですし………

 ちょっとだけ


 そう ちょっとだけなら………



 とん とん トン トン



 わたわたわた



 ゆゆゆゆゆ 祐一さんと名雪でしょうか!?


 いいタイミングで 階段を下りる音が聞こえてきます


 もうちょっと

 あとちょっとで 秘密の花園に足を踏み入れられそうだったのに



 ちちちちち ちがいますってば!!


「秋子さん、名雪起こしてきましたよ…………って、何やってるんですか?」

「ありがとうございます。ちょっと散らかってるみたいだし、片付けようかと思って」


 動揺を悟られないように 普段通りを装って答えます

 どきどき……

 どうか ばれませんように


「あ、すいません。遅くまでやってたから……ロクに片付けないで寝ちゃったみたいで」

「いいんですよ。でも、夏休みだからって、夜更かしは程々にしてくださいね?」

「はは………気をつけます」

「じゃ、ご飯にしましょうか。名雪も」

「朝ご飯……だおー………」

「こいつ……まだ寝ぼけてるのか……。ほら、起きろ、名雪ー」


 祐一さんは 呆れたように 名雪をガクガクと揺さぶってます



 私の躰も あんな風に激しく揺さぶって



 ちがいますぅっ!!


 もう……

 私はこんな朝早くから 一体何を考えてるんでしょう……



 気を取り直して ご飯を食べることにしましょう

 一日を元気に過ごすには 朝ご飯をちゃんと食べなければなりませんからね♪


「うにゅ……イチゴジャムで、ご飯食べるお……」

「名雪……それだけはやめろ……」

「ふふ………朝から仲良しさんですね」

「なっ!?」

「私達、仲良しさんだお……」

「それはわかったから、ちゃんと食べましょうね? 名雪」

「はーい……」



 ふふっ……ほんと 朝から賑やかで楽しいですね………




 現在、朝食中です

 食べてますよ?

 ネタ無いからって、手抜きじゃないですってば(汗



 …………………………いや、ホントに(滝汗)








「ごちそうさまでした」

「はい。お粗末様でした。祐一さん、どうでしたか?」

「たまには、パンじゃなく和食も良いですね」

「うん。いつものイチゴジャムでもいいけど、やっぱり和食もいいよね。

お母さん、料理上手だから」

「嬉しいこと言ってくれるわね、名雪も祐一さんも」

「本当のことですよ。なあ、名雪」

「そうだよ〜 お母さんの料理、凄くおいしいもん」

「あら。そんなに褒めたって、なんにも出ませんよ?」


 口ではそう言ってみますが 内心とても嬉しいです

 祐一さんも名雪も 私の料理が美味しいって言ってくれてるんですから

 母として 保護者として 嬉しくないわけがありません

 なにより 料理は愛情と言いますからねっ♪



「そういえば2人とも、今日は出掛けるんじゃなかったの?」

「うん、そうだよ〜。祐一と一緒に、話題の映画見に行くの」

「違うだろ。俺と名雪、北川と香里の4人でだろ?」

「あら祐一さん、ダブルデートですか?」

 
「う〜ん……どうなんだろうね?」

「まあ……北川は、そう思ってるんじゃないか?」

「じゃあ、香里は〜?」

「さあな? あいつの考えてることは、俺にはわからん」


 肩をすくめて 祐一さんは ちょっと難しい顔をします

 さも 香里ちゃんの事は 名雪の方が分かるだろう? と言いたいようです


「とにかく、あまり遅くならないようにするのよ?」

「うん、わかってるよ〜」

「じゃ、祐一さん」

「はい?」

「今日一日、名雪のこと……お願いしますね?」

「あ、はい。わかりました。それと……」

「なんですか?」

「夕飯は、たぶん食べられないと思います……すいません」

「あら、そうなの? 残念ね……」

「う〜……ごめんね、お母さん……」

「いいのよ。……めいっぱい、楽しんでらっしゃい」

「うん!」

「はい」



 元気に返事をする 名雪と祐一さん

 若いって いいですね………

 いえ 別に 私がどうこうというわけじゃなくて

 あうあう……

 私 誰に言っているんでしょう?



 朝食を終えた名雪と祐一さんは 準備のために部屋に戻ってしまいました

 私は食器のお片づけです



 〜♪

 〜♪〜♪

 〜♪〜♪〜♪



 うん 綺麗になりました

 台所の片づけは ばっちり終了です


 さて 次は……そうですね……

 お洗濯にしましょう



〜♪

 〜〜♪

 〜〜〜♪



 ふう

 だいたい終わりましたね

 じゃあ これを干さなきゃいけませんね

 幸い今日は とっても良いお天気です♪

 きっとすぐに乾きますね




 そうして私が洗濯物を干していると……


「それじゃ、お母さん。いってきま〜す」

「いってきます」

「気をつけていくのよ、ふたりとも」

「「は〜い」」


 どうやら ふたりは もう出かけるようです

 時計を見ると もう9時半を回っていました


「あら、もうこんな時間……次はお掃除ですね」


 自分に言い聞かせるようにそう言って てきぱきと洗濯物を干します

 素早く かつ 丁寧に

 ふふっ ちょっとしたコツがあるんですよね これ



 うん 

 洗濯はこれで終わりです

 さぁ 早速お掃除に取りかかりましょう


 る〜♪

 るる〜♪

 るるら〜♪



 はいっ

 私の手にかかれば おうちの掃除なんて 赤子の手を捻るより

 違います

 私がそんな 残酷な事するわけ無いじゃないですか
 

 こほん

 訂正しましょう

 私の手にかかれば おうちの掃除なんて お茶の子さいさいです♪




 あら いけません

 今朝 祐一さんを起こすときに ちょっと片付けたから……

 うっかり リビングの掃除を忘れてました



 リビングで お掃除は最後ですね


 ふいーん ふいーん


 最近の掃除機は 音が静かでいいですね♪

 ご近所の迷惑にもなりませんし 赤ちゃんがいる家庭で使っても問題なさそうです



 こつん


 あら?

 ぼーーっと考えながら掃除機をかけていたら なにかにぶつかってしまいました

 あ…これは…


 祐一さんのゲームです



 ……………(考え中)

 …………………………(秋子さん、まだ考え中)

 ………………………………………(まだまだ考えchu!)



 ぽむ


 そうです

 お掃除が終われば どうせ暇になってしまいます

 ゲームなんて あまりやったこと無いですけど 暇つぶしくらいにはなるはずです


 黙ってやるのは 祐一さんに悪いですけど…………

 ちょっとくらいなら きっとバレないでしょうし やってみることにしましょう

 




 それに





 祐一さんが普段 どんなゲームをやっているのか


 保護者として知っておかなければなりませんからね







 お掃除も これで全部終わりました

 昼時まであと 2時間近く……

 時間は たっぷりあります


 と いうことで

 さっそく始めましょう♪




 どきどき

 ドキドキ

 あ 心臓がばくんばくんいってます



 なるほど ドキバクですか?

 ………違います


 そんな

 狸と猫が(以下削除)だなんて……




 だから 違いますっ


 はぁ……

 どうしてこんな事を考えるんでしょう?

 もしかして私 疲れてるのかしら?



 ううん

 大丈夫です

 私 元気です



 すーはー すーはー


 大きく深呼吸して………

 うん 落ち着きました




 それじゃあ 今度こそ


 といっても まだ心臓がドキドキしてます

 直接いたづらするのではなく こうして間接的に いたづらするというのも………

 なかなか刺激的でいい感じです♪


 …………うー………

 いたづらは卒業すると決めたのに……

 でもでも 楽しいんですから しょうがありません



 はぁ

 誰に言い訳しているんでしょう?


 軽く頭を振って 気を取り直し

 いざ

「半3D対戦格闘 Kanon VS O.N.E(18歳未満の方の(以下削除)」

 をプレイしてみましょう


 でも その前に ちゃんと説明書を読みましょう

 そうしないと 操作方法どころか 何も分かりませんからね♪


 じー………(読んでます)

 じーーっ…………(黙読してるようです)

 じーーーーーーーーーっ(食い入るように熟読しています)



「ふぅ………」


 軽く息を吐いて 持っていた説明書を ぱたむと閉じました

 気が付くと じっとりと汗をかいていました

 よっぽど集中していたんでしょうか?

 スカートのポケットからハンカチを取り出し 額に滲んだ汗を拭います




 操作法などは大体分かりましたし

 あとは実践あるのみですね




 というわけで


 れっつぷれいです♪





  ――――――――――――


    30分経過………


  ――――――――――――



 秋子はコントローラを置き、虚空に視線を彷徨わせる。

 その瞳は潤み、心なしか肌も上気している……



「……………違いますっ!!」

 自分で考えた空想上のセリフに 思わず叫んでしまいました


 それにしても……


「このゲーム……凄いですね」


 誰にともなく呟いてみます

 私があんな事を空想したのは もちろんこのゲームのせいです

 だって このゲームは……


「私が勝ったら、対戦相手が脱いで(自主規制)だなんて……」

 まったく 祐一さんてば 私というものがありながら


 違います


 名雪という 可愛い彼女がいるのに こんなゲームで自分を慰め


 ですから違いますっっっっ


 ………まあ とにかく こればっかりは許せないですね

 ええ 許してなんかあげません


 いたづら決定です♪



 ……………〜〜♪(裏で作業)

 ふんふんふ〜ん♪(鼻歌歌いつつ、楽しそうに作業中)

 ……………ららららら〜〜♪(曲変えて、凄く楽しそうに作業chu!)




 うん

 我ながら 良くできました

 うふふっ………これを見た祐一さんの反応が とっても楽しみですね♪ 








 −−−−−そんなこんなで時間は流れ−−−−−







「「ただいまー」」


 祐一さんと名雪の元気な声が聞こえたのは 日も暮れて 辺りが宵闇に包まれた頃でした

 暗くなる前に玄関だけでも と思って 電気をつけた直後だったものだから

 つい邪推して


「あら、ふたりとも、お帰りなさい。………もしかして、電気がついた瞬間を狙ったのかしら?」

 なんて聞いてみます


「そんな事ありませんよ。そこまで来たら、ちょうどついたんです」

「そうだよ〜。わざわざそんな事しないよ〜?」

 と あっさり言われちゃいました

 そういうわけでは無かったみたいですね

 どうやら私の考えすぎみたいです

 失敗失敗。 てへっ☆

 なんて思ってみたり


 ち 違います


 私 そんな事思ってませんよ?(あせあせ




 ま まあとにかく

 意外と帰りが早かったので 一応聞いてみましょうか


「それにしても……ずいぶん早かったようだけど、ふたりとも夕飯は食べたの?」

「え? ええ。ちょっと早めに済ませてきましたよ」

「お母さん、もしかして……」


 ぎくっ


「晩ご飯、作りすぎちゃったの?」

「え? そうなんですか? 秋子さん」


 うう……こういう時は勘が鋭いわね……名雪

 そうは言っても 隠したって意味はないですし 正直に言うことにしましょう


「ええ、実はそうなのよ。もし食べてないなら、一緒に食べようかと思って」

「珍しいですね、秋子さんがそういう失敗するなんて」

「そうだね。私達、ちゃんと朝に『夕飯はいらないよ』って言ったのに」

「つい、いつもの癖で3人分料理しちゃったのよ」


 私はなるべく 平静を装って答えます


「習慣って、怖いですね」

 うう……祐一さんが まるでこの世の終わり とでもいうような顔で言います

 それだけ 私が信用されてると思っていいんでしょうか?

 ちょ……っと複雑な気分です

「で、お母さん」

「なに?」

 名雪がちょっと真面目な顔をして聞いてきます

 母親の私が言うのもなんですが こんな名雪の顔は 滅多に見ることはありません

 つい 心持ち身構えるようになってしまいます

 ……………もちろん 平静を装ってますが


「今日の晩ご飯、何を作ったの?」


 がくっ


 横で聞いていた祐一さんが 文字通り「がくん」と体勢を崩しました

 私も 思わず体勢を崩しそうになりますが そこはこう 秋子さんパワーで持ち堪え


 違います

 そんな訳の分からないパワーなんて 持ってません


 こほん

 改めて


 そこはこう 普段から鍛えている鋼の精神力で

 …………いえ 鋼かどうかは分かりませんけど

 とりあえず無難なところ……そう オトナの余裕 というやつで耐えます


 ………カタカナで書くと 何だかとっても エロティ……

 だから違いますってば




 うう……

 とにかく 私は耐えたんですぅっっ!!(ここまで1秒ジャスト)



「名雪……なんでそういう真面目な顔で、そういう事を聞くんだ……」


 体勢を崩しながらも 名雪に対してツッコミは入れてる祐一さん

 ………………………?


 名雪に対してツッコミ………

 祐一さんが 名雪にツッコミ…………

 祐一さんが名雪に パイルダーオン!!

 きゃ そんな


 って 違います

 というか パイルダーオンってなんでしょうか?


 いえ まあ 祐一さんと名雪の仲は認めますけど


 って 違います チガウデショウ!?


 あら 思わずペリーさんになっちゃいました

 ……………ペリーさんって誰でしょう?

 黒船でしょうか?(ここまで約0.8秒)



「えー、だって、お母さんの料理だよ? 気になるじゃない」

「いやまあ確かに、秋子さんの料理は美味いからな……気になるが」


 あら 私が考え事をしてる間に 二人で話を進められてました

 何となく 割って入るのも躊躇われて 私はそれを眺めています


「ねえ、お母さん」

「なに?」

 わひゃあ

 いきなり名雪に話しかけられて 思わず飛び上がりそうになるくらい驚きました

 ……あくまでも 微笑んだまま 返しましたけど

「何つくったの〜?」

「祐一さんも、気になりますか?」

「え?! は、はぁ……まあ……」

 名雪に後ろに立ったまま 気にはなるけど聞けないでいた様子の祐一さんに 私はいきなり

話しかけてみました


 うふふ

 私の予想通り 祐一さん いきなり話を振られて慌ててますね♪


 と 些細ないたづらは これくらいにしておきましょう


「そうですね……」


 私は そこで一旦言葉を切って 辺りを見回しながら


「ここでずっと立ち話をしているのもなんだし、リビングに行きましょう?それに、ふたりとも疲れて
るでしょう?」


 と聞いてみました


 すると ふたりは

「そうだね〜」

「そう……ですね」


 揃って言いました


 ……自分で言っておいてなんですが ちょっと悔しいです


「じゃ、行きましょう」

「うん〜」

「はい」




 リビングにやってきた私は ふたりをソファーに座らせて キッチンへお茶を淹れにいきます

 どんな話をするのにも お茶は付き物ですからね



 お茶といっても 今日はまだ夏日ですから アイスティーです

 さすがに茶葉は自家製ではありませんが これは結構本格的な物ですから 淹れたときの

香りも申し分ありません

 もちろん 淹れ方にもよりますが



 こぽ こぽ こぽ



 三人分のティーカップに紅茶を均等に入れて 砂糖とミルクを添えて トレイに載せて……

 あとは こぼさないように運ぶだけです



「はい、ふたりとも。アイスティー」

「ありがとう、お母さん」

「どうも」


 ふたりの前にティーカップを置いて 私はソファーに座ります

 そして紅茶を一口

 うん 美味しいです

 我ながら うまくいきましたね♪


「さて」

「?」

「どうしたんですか? 秋子さん」


 もうひと口 紅茶を飲んで 私は立ち上がります

 そんな私の様子を ふたりは不思議そうな顔で見ています


「夕飯を食べようかな、って思ったんですよ。まだ食べてませんから」

「で、結局なんなのー?」

「それを聞くために座ってたんじゃなかったっけ……? 俺達」

「ええ。そうでしたね」


 そう言って 私は微笑みます

 鏡がありませんから 自分ではよく分からないですが かなり素敵な笑顔だったと思います



 そう



 まるでいたづら好きの小悪魔のような


 違います




 まるで生まれたての 無垢な赤子のような



 ………………………ちょっと無理がありますね



 やはりここはスタンダードに 「天使のような微笑み」 ですね♪



「お母さん……なにか企んでる?」

「あら、どうしてそんな事言うの?」

「だって秋子さん……めちゃめちゃ嬉しそうに聞いてたじゃないですか……」



 う

 うちの子達は なかなか鋭いです


 とはいえ ここで諦めるなんてことはできません

 みっしょん継続です!


「そうね……もう教えてもいいわね」

「どういうこと?」

「………………鍋ですか?」



 うう 祐一さん鋭いです


「はい、その通りです、祐一さん」

「わ、すごいよ、ゆういち〜。どうしてわかったの〜?」

「どうしても何も………」


 よく分からない といった様子の名雪に対して 祐一さんは はぁ と ため息をついて

 かぶりを振りました

 苦悩するような仕草も とっても素敵です……


 って 違います


 祐一さんのように ぶんぶんと首を振りたいのを堪えます

 当然私は そんな事をおくびにも出さず 祐一さんに質問することにしました


「祐一さん、気付いていたんですか?」

「ええ。キッチンの方から、鍋を煮込む音が聞こえてましたから。それに」

 そこまで言って ひょいと肩をすくめてみせました

「秋子さんともあろう お人が、こんな時間まで夕食を食べてないって事は、煮込むのに時間がかかる

鍋物くらいのものでしょうから」


 むむむ………

 祐一さん パーフェクトな答えです

 あまりに完璧すぎて 私といえど反論の余地もありません


 名雪は名雪で「ゆういちー、すごいよー」と大はしゃぎです


 とはいっても 正確には まだ 完全じゃありません





 そう






 どうしてこんなに ご飯が遅れているのか


 その 真の理由に 祐一さんは気が付いていないんです!(どーん!!←効果音)


 そして その理由は……いずれ気が付くことでしょう。

 その時が楽しみですね ふふふ……


「で、秋子さん」

「はい?」

「今の俺の推理、どうです? 当たりですか?」

「そうですね……」


 勝ち誇っている祐一さんに 私は考える仕草をして見せます

 が さりげに余裕の表情をすることも欠かしません


 そうする事で 相手に精神的なプレッシャーを与えられますし

 それに何より……正解は半分でしかないのですから それも当然ですけどね♪


「祐一さん、私からも一つ、聞いてもいいですか?」

「………はい」

「では」


 そう言って私は こほん と咳払いをします

 そして


「………………………ファイナルアンサー?」


 起源は某テレビ番組で使われたもので 今ではよく使われる この言葉を口にします

 すると祐一さんは

「……………………………………………………………ファイナルアンサー」

 ひどく迷った様子でしたが 意を決したようにはっきりと

「自分の答えは変わらない」という意志を示しました

 この言葉にはそういう意味合いもあるんですよ(注:ホント「らしい」です(^^:)



 さあ

 私も祐一さんに言わなければなりません

 お決まりの この言葉を


「……………………………………………………………」

「………………………………………………………………」

「どっちなの〜、おかあさ〜ん」

「……………………残念!!」

「な、721ッ!?」

「え〜!?」


 ふたり揃って、驚愕の表情を浮かべていますね

 でもでも ハズレはハズレなんですから しょうがないですよね?


「秋子さん!! スタディを!! STUDYをお願いします!!」

「あらあら……答えが知りたいんですか?」

「だって、気になりますよ、それ!!」

「そうですね……聞かない方が良いこともあると思わない? ふたりとも」


 いつもの微笑みで私がそう言うと


「お母さん………こわいよ……」

「や、やっぱり遠慮しておきます……」


 ふたりは怯えた小動物のように びくっと体を竦ませます


「名雪ったら……酷いわね……」


 その様子に ちょっぴりショックを受けながら とりあえず名雪に抗議して

 そして祐一さんの方を向いて


「それで、祐一さん、答えを聞くんで…」

「すみません、聞きません。絶対に。ファイナルアンサーで」


 が〜ん

 即答されちゃいました

 しかも 一言一言を区切って 聞き間違いの無いほど はっきりと 


 くすん

 秋子しょっくです



 でも 私 負けません!

 気を取り直し 気付かれないように深呼吸して


「そうですか? 残念です」


 いつものようにそう言って 頬に手を当てます

 ……………これ 癖になっちゃってるんですね

 無意識にやってます



 っと

 今は関係のない話でしたね



 く〜


 あら?

 名雪が寝てしまったのかしら?


 そう思い 斜め前に座ってたはずの名雪に視線を移します



 名雪は祐一さんと 先程の答えを議論(というか半ば当てずっぽうでしたが)しています



 く〜



 あら? またです

 名雪は……やっぱり寝てません


 ということは この音は………



 きゃ

 わわわわ 私の お腹の音ですね



 ………幸い ふたりは議論に夢中で気付いていないようです



 ここはとりあえず 何気ない風を装って ご飯を食べることにしましょう♪



 ひょい

 ぱくっ

 もぐもぐ……ごくん



 うん おいしいです

 我ながら良くできた料理だと思います



 私が満足そうに微笑んでいると 突然


「あ〜、美味しそうだよ、ゆういち〜」

「そうだな……」


 という声が聞こえてきました

 ちょっと行儀悪いですけど お箸を咥えたままで 声のした方を見ると

 議論をしていたはずのふたりが いつの間にかこちらを見てます


「あらあら………ふたりも一緒に食べる?」


「うん!!」

「はい」


 ふふっ

 名雪も祐一さんも やっぱり夕飯を食べることにしたようです

 ご飯がなにか? という話題は 結局うやむやになっちゃいましたけど……


 食べてしまえば同じなので 「気にしちゃ、めっ(はぁと)」です♪



 〜それから 十数分後〜


「うおあぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!?????

なんっっじゃこりゃあああああっっっっっっっっっっっっ???!!!!」


 あら

 リビングから松○優作……じゃなかった

 祐一さんの絶叫が聞こえてきました

 ……………どうしたんでしょう?


「……………………………………」


 急に静かになりましたね


「へ……へへっ………萌え尽きたぜ、おっちゃんよぉ……」


 なにか聞こえた気もしますが……

 まあ 何が起こったのか なんとなく察しはついてますし………

 私はとりあえず 残ってるごはんを片付けましょう♪


 〜食事開始から 数十分経過〜



「ふぅ……ごちそうさまでした」


 ううっ………量が多かったせいで 食べるのに手間取っちゃいました……


「あっ、秋子さん、夕飯済みました?」


 私が ちょうど片づけを始めようとした その時

 一足先に食べ終えていた祐一さんが リビングから戻ってきました

 その表情はどこか 急に痩せ細ったようにも見えます


「はい。……なにか用事ですか?」

「えっと、大した事じゃないんですけど……」


 視線を所在なく彷徨わせ 祐一さんは落ち着かない様子です

 なにか言いにくいことでしょうか? くすくす……



 違います


 私 そんな意地悪そうな笑い方はしません



 やり直しです


 ええ そうしましょう


 こほん



 気を取り直して

 こちらから催促するような真似はせず ただ黙って 祐一さんの言葉を待ちます


 やがて決心したのか 祐一さんが口を開きました


「ちょっと、聞きたいことが、あるんです」

「私に答えられることですか?」

「………たぶん、ですけど」


 自信なさげに答える祐一さん


 (この反応は………)


 私は自分の考えを確かめる意味も込めて


「その前に、ひとつ聞いてもいいですか?」


 そう言いました

 すると祐一さんは


「はい?」


 と 一瞬首をかしげながらも 頷いてくれました
 

「リビングの方、ずいぶん静かでしたけど……名雪、もう寝ちゃいました?」

「え、ええ。それがなにか……?」

「いえ……なんとなく、聞いておきたかっただけですよ」


 なんでもない風を装ってますが 今ので私は確信しました



 祐一さん……………どうやら気付いてしまったようですね


「それで、祐一さんの聞きたい事というのは?」

「あっ、はい、その……」


 あたふたしながらも 落ち着きを取り戻そうと ゆっくりと息を吸って

 唾液を嚥下する祐一さん

 ………………「唾液を嚥下」って なんだか えっちぃ表現ですよね きゃ


 って 違い……ませんね


 ま まあ今は それどころじゃなくて


「秋子さん、今日、俺達の留守中に……」

「留守中に?」



「リビングに置きっぱなしだった、俺のゲーム機に……なにかしました?」

「あら、なんのことでしょう?」


 予測通りのことを聞かれ 私は狼狽えるでもなく冷静に


 そう


 自分でも呆れるほど冷静に答えました



 きっとこれが <秋子さんぱわぁ>なんですね




 ちちちちちち ちがいますよ?!



 …………たぶん(ぽそっ)




 な 何はともあれ 私の完璧な偽答(ぎとう)に 祐一さんは


「そ、そうですよね? すみません、変なこと聞いて……」


 と 渋々ながらも納得したようです


 そんな祐一さんに私は 敢えて解りきったことを聞いてみます

「でも、どうしたんですか? いきなりそんな事を聞いたりなんかして」

「あ、いえ、別に何でもないんですよ」


 あはは と笑って 祐一さんは ふらふらとした足どりでリビングを抜け

自分の部屋へ戻ったようです



 どうやら私の予定調和どおり 事は進んでいるようです

 このままいけば うふふ………





 って 何も考えてませんでした


 まあ いっか☆


 いえ よくないですね



 とはいっても どうしたものでしょうか………




 食事も終わり 食器を片付けながら ずっと考えていますが………

 なかなか良いアイディアが浮かびません


 このままですと「いたづら」ではなく ただの「いぢめ」か「いやがらせ」にしかなりません


 そんなの 例え天が許しても この

水瀬<じゃむますたー>秋子が 許しませんっっ!!


 …………違います……誰が<じゃむますたー>ですか……



 こほん

 と ともかく!!


 なんとかこの状況を 拿捕 じゃなくて

 打破しなければ……


 このままでは





 私は








 いたづら秋子さん ではなく いぢわる秋子さんになってしまいますっ!!





















 ということで



 みんな寝静まったようですね……

 ちなみに今は もう夜中です



 え?


 何をしてるのかって?


 ふふっ それは………





 明日のお楽しみです♪








 〜そして 次の日〜





  ちゅんちゅん……



 あふ……すずめの鳴き声が聞こえます……


 もう朝なんですね……

 うう……眠いです……


 でも 起きて朝ご飯の準備をしないと………


 まだ少し寝惚けた頭で そう考え 私は起きあがりました


「う………ん……っ」


 寝間着のままで大きく伸びをして カーテンを開きます 


 今日も いい天気ですね………



「ささっと着替えて、朝ご飯を作りましょう……」


 そう自分に言い聞かせ 服を脱ぎます


  ぷちっ ぷちっ……しゅる……

  するする………ぱさっ


 さて……今日はどの服にしましょうか……


 う〜ん………これにしましょう


 夏らしい 涼やかな色合いのワンピースです♪



 んしょ んしょ………ふう

 そして姿見の前で くるっと回転……

 うん よしっと

 変なところはありません 完璧です








「おかしいわね………。二人とも、まだ寝てるのかしら……」


 朝食を作り終え ずいぶん経ちます


 すでに朝8時を回っていますが 一向に名雪と祐一さんが起きてくる気配はありません


 まあ 祐一さんと名雪は まだ夏休みですからね


 と言っても 私はお仕事がありますし 関係ないですけど……

 はあ……

 学生さんが羨ましいですね……


 とはいえ 今だけしかできない事なので とやかく言うつもりはありません


 一生に一度の機会なんですから 存分に堪能すること 機会を活かすことは

あの子達の人生にとって プラスにはなっても マイナスになることはない と思ってますからね


 ……………行動の内容にもよりますが(意味深



 そうは言ったものの さすがに遅いですね……


 とりあえず起こしに行こうかしら


 思って私が席を立った その時




   ジリリリリリリリリリリリリ…………………


 けたたましい目覚ましの音が 2階から響いてきました


 これで祐一さんも目を覚まして 名雪を起こしてくれますね







 さあ






 二人が起きてきたら いつものように私はこう言うんです














「あら、おはようございます、祐一さん。名雪」









 って。



 3人で 家族で過ごす この瞬間を 笑顔で過ごすために…………






FIN













   ちょっとした、おまけ(ぉ




 朝食を食べ終えて 暫くしてから


 私は食器の片づけを終えて 一度 部屋に戻りました


 と

 突然リビングから




「な……………なんですとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

ぉぉぉっっっっっっっっっっっ!!!!!!???」



 祐一さんの もの凄い悲鳴(?)が聞こえてきました


 ふふっ……


 作戦は成功したようです


 これでようやく

「いたづら秋子さん」を名乗れますね♪



 ちなみに私が何をしたのかというと 




 正解は








 ゲームデータをコピーして 元データを消して バックアップを持ち去っただけ


なんですよ♪(オチ)








     あとがき(という名の言い訳)

 ようやっと終わりました「いたづら秋子さん」番外編、如何だったでしょうか?

月宮です。

 さて……事の起こりは6月中旬。

 ささやかな(?)賭けに負け、「何かSSを一本」というのが始まりで書きはじめ

気がついたら、10月も中旬…………大変お待たせして、申し訳ないです。返す言葉も御座いません(;

 それでも、楽しんで頂けたならば、私としても書いた甲斐があったというものです。

 もちろん、批評、酷評、感想、誤字脱字指摘など(笑)私如きに、そういったものを頂けるならば

それに越したことも御座いませんが…(^^;(待ってまーす(笑)



 まあ、何はともあれ、ともかく(錯乱)



長々とお付き合い下さりまして、ありがとうございました♪



(追記)

随所に散りばめた元ネタについて、ですが……………


わからなくとも………いいですよね?(マテ

わからなかったら、知人に聞くなりして調べて下さい(ぉぉぉぉ

いえ、私に直接聞いても良いですがね(^^;



 此にて、終了でしたとさ。ちゃんちゃん♪

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