偉大なるF.coolさんの看板的SSである「いたづら秋子さん」も皆の祝福のもと、静かに幕を下ろす
しかし、その遺志を継ぎし若き(かどうかは定かではない)SS作家は、いたづらな秋子さんの再来を自分自身の手によって行おうとしていた…
って死んでないって
とりあえず先に謝っておきます
全人類に向かって………御免なさい
いたづら秋子さん 制服着ちゃいます
ぽかぽか
お日様も、すっかりにこにこ顔です
この街の雪もすっかり解けて、少し遅めの春が、やっと来てくれました
お庭の花壇の花たちも、色とりどりの綺麗な花を咲かせ始めました
チュンチュンと、スズメ達も嬉しそうに、そこで羽を休めています
そんな、静かな日曜日の朝…
どたどた
「わー、香里と待ち合わせの時間〜遅刻しちゃうよ〜」
ではありませんね
先ほどまで、祐一さんと一緒に寝ぼけ眼で下りてきて朝食を取っていた名雪も、やっと目が覚めたようです
テーブルの椅子には、可愛いけろぴーも座っています
「お、おかあさん、行ってくるね」
リビングのドアにひょこっ、と顔を出した名雪が言います
「はい、いってらっしゃい、遅刻しそうだからって、あまり急いじゃ駄目よ」
「うん」
そう言って、名雪はドアから消えて、
もう一度顔を出しました
「ね、ね、おかあさん、私の制服、クリーニングに出しといて欲しいんだけど…」
「はいはい、わかりましたよ」
それに私は笑顔で答えます
「それより、時間、いいの?」
「あ。…ごめんね、お願い――」
うふふ、よほど急いでいたんでしょう、声がそのまま遠ざかっていきました
今日から連休だというのに、忙しい事ですね
でも、そんな仕草も自分の娘ながら、可愛いものです
大きな音で玄関が閉められる音がした後、
この家に、もう一度静かな朝が訪れました
うんっ……
はぁ
庭に面する窓に立って、朝の光を全身に浴びて、大きく伸びをします
今日もお掃除にお洗濯に 秋子、頑張りますっ
すると、
ぐ〜
はきゃ
い、いえ、わ、私のお腹じゃありませんよ、私はもっと、く〜、って可愛い
ではなくて
お腹の音とは、少し違いました
後の方から音がしたみたいなので、振り向いてその音の主を探してみると、
「ぐー」
さっきまでソファでTVを見ていた祐一さんが、口をあけて大きないびきをかいて居眠りです
あらあら、涎までたらして、はしたないですよ
うふふ、『春眠暁を覚えず』かしら?
ハンカチでそれを拭ってあげて、少し考え込みます
…このままそっとしておいてもいいのですが、お掃除の音で目を覚ますのも、起こされる方にとっては不愉快かもしれません
なので、起こさないように祐一さんを抱きかかえ…
無理でした
当然ですよね 無理したら私がぎっくり腰になっちゃいます
い、いえ、そんな年というわけでもないのですが
違いますよっ
どちらかというと私の方が祐一さんに抱きかかえられ
違います
…少し冷静になりましょう
祐一さんも、本当に大きくなりました
昔は、私でも抱く事が出来るほど小さかったのですけど
そして、可愛かったです
じゅるり
違います
そして大きくなった祐一さんに今度は抱く番から抱かれる番に…
だから違いますってっ
…でも、祐一さんには失礼ですけど、その、同い年の男の子とは違って、その、中性的とでもいいましょうか、男臭さが無いといいましょうか、その…
今でも十分可愛いです
じゅるり
だから違いますっ
もう、この年になったら、お髭も生えてくると思うのですが、祐一さんのあご、つるつるです
静かに閉じている目、睫毛も長い方です
全体的に小さくて端整な顔、小さめなお口…
その…かつらを被せてお化粧してスカートを着せたら女の子になるんじゃないでしょうか…
か、可愛いです…
…はっ
いけませんいけません
ぶんぶんぶんっ
頭をぶんぶか振っていやらしい考えを振り払います
男の子にしては細い腕ですよね…
ぶんぶんぶんっ
と、とにかく、一度、祐一さんには起きていただいて、お部屋で寝てもらいましょう
……
そこで、ふと私のいたづら心が湧き出ちゃいました
前みたく、耳に、ふっ☆ っとしちゃいましょう♪(第一話参照
もう一度、祐一さんに近付きます
今度はお顔に近付いちゃうです
そ〜っ
祐一さんの顔、綺麗です…
ぶんぶんぶんっ
祐一さんの吐息、あったかくて感じちゃいます…
ぶんぶんぶんっ
私の唇が、耳たぶに触れるか触れないかの距離まできた、その時に…
そ、それでは…、
そっと息を吸い込んで、
ふっ☆
……
「う〜ん」
…あら?
以前みたいに飛び起きませんね…
少しくすぐったそうに身をよじるだけでした
ちょっと拍子抜けです
「う〜ん…むにゃむにゃ…」
あら? 祐一さんが何か寝言を言ってます…
「やめろよ名雪…今日は駄目だって…疲れて…むにゃむにゃ」
はにゃにゃーー
…な、何言ってるんですか祐一さん!?
え、えと、その、名雪と祐一さんはた、確かにこ、恋人同士ですけど、え、あ、あの
わちゃわちゃ
ちょっと混乱です
え、えーと、そんな事を考えている余裕はありません
ち、ちょっと深呼吸です
すー、はー
少しだけ、落ち着きました
…でも、そ、そこまでの仲でしたか
ちょっと嫉妬です
いえ、その、祐一さんは名雪のものなんですけど、その、なんと言いましょうか…
私にも少し分けてほしいといいますか
違います
い、いえ、少し祐一さんも驚いてくれないといたづらのしがいがないといいますか
そ、それだけですよっ
私も名雪みたいに
な、なんて思いませんっ
そんな事、名雪が許してくれませんっ
ならば名雪がよければいいのですか
違いますっ
そのときは二人で
ぶんぶんぶんっ
ちょっと、頭を振って考えてみました
名雪…みたく、ですか
そこで私、ちょっとひらめいちゃいました☆
えっちな祐一さんに、今日は凝ったいたづらでおしおきです♪
祐一さん、覚悟しておいてくださいです
可愛いお人形さんがたくさん並べられています
女の子のお部屋は、こうでなくてはいけませんね♪
少し、目覚ましの量が気になりますが…
私の部屋も、これくらい…
こんなおばさんに、お人形は似合いませんよね…
はっ
そんな、私がおばさんだなんて
ふるふる
駄目です 私、そんなにおばさんじゃ…
でも、
高校生の娘がいたら、そう呼ばれちゃいますよね…
当たり前ですよね…
はふぅ
くすん、私もそんな年になっちゃいました
…でも、でもです
見た目では、まだまだ負けてはいないつもりですっ
私だって、それなりの服を着て、おしゃれをしたら、まだまだいけるはずですっ
…多分ですけど
ですから、今日は、名雪に失礼して、
名雪の制服、着ちゃいます
これで、高校生に見えちゃうかもです
ちょっと、安直ですか…
い、いえ、今回は別の意味もあるんですよっ
それは、出来るだけ私を名雪に似せて、お寝ぼけ祐一さんをだましちゃういたづらです♪
言われた通り、ちゃんとクリーニングに出しますから、許してくださいです
…では、名雪のベッドに綺麗にたたんである制服を、失敬です
両手を後ろ手に、エプロンを外して…
んしょっ
はらり
しっかりとエプロンをたたんで
上着を…
ふと、名雪の制服を見てみます
目の前に広げてみると、ワンピースなんですね、これ
上下両方を一度に脱がないと、着られません
下着姿は、少し恥ずかしいです…
でも名雪は毎日そのように着替えてるわけで
…意外と大胆ですね
さすが私の娘
違います
仕方ありません、まずはカーディガンを
ぷちぷち
そして、春用のセーターを…
ぬぎぬぎ
ぱちぱちっ
ひゃんっ
静電気が立ちますぅ
えっと、んしょっ、…と
ここで上を着たいんですが、…スカートも脱がないといけないんですよね
巻きスカートの止め具を
ぱちんっ
はらり
うう、やっぱり少し肌寒いです
それに、ほとんど裸同然ですから恥ずかしいですぅ…
早く制服を着るです
名雪の制服のボタンを…
ぷちぷち
広げて、袖を通してみる
毎日見てますが、実際着るのは初めてです
大丈夫…ですよね
名雪よりは身体、大きくないとは思いますから…
んしょ、と
…ちょっと、袖長いですね
指先が出るか出ないところで袖がいっぱいになりました
名雪も、ここまで成長したんですね…
お母さん、嬉しいです
ちょっと、しんみりしちゃいました
もう片方の袖にも通して…
ボタンを掛けます
一番上から…
んしょ、んしょ…
袖が余ってるものですから、なかなか手が出ないです
それでも、何とかボタンをかっていきます
…あ、あら?
む、胸のあたりのボタンが届きません
えと、うんしょっ
ぎゅ〜
ぱちん
ふぅ
何とかとまりました
ぷちぷちぷち
そして、下までとめ終わりました
…スカート部分、短いですね
ちょっとしたら見えちゃいますよ
私のタイトスカートみたいに、下側が内にすぼまってるのではなく、逆に外に広がってます
…ちょっと意識したら、挑発的になっちゃうです
…はっ
それが好みなんですか祐一さん…
この制服で、がいいのですか
そうなんですか
はっ
だから名雪はクリーニングに出して、なんてことを…
そんな、そんな、
今、私が着ている制服で、その、
はきゃっ
だ、駄目です そんな妄想
そんなこと言えません、言えませんったらっ
という事は祐一さんの
駄目っ、駄目ですぅ
付着してたり
そんなことありませんっ
匂いだけでも
そんな匂いしませんっ
そ、そんな事ありませんよね?
ただ、この連休中にピシッ、と制服を新調して、新学期に臨みたいだけですよね?
そうです、そうですよ
だから、そんな匂いはしませんっ
で、ですから、確認のために服に鼻を当ててみます
すー…
普通の布の匂いです
ちょっと残念
違います違います違いますっ
イカく…
ぶんぶんぶんっ
栗のは…
いやあぁぁぁぁぁ
駄目っ、駄目ですっ
どうして私はその匂いの形容を知ってるんですか!?
懐かし
違いますぅぅぅぅぅぅぅぅ
頭をぽかぽか叩いて、ヘンな思考を追い払いますっ
お、落ち着くのよ秋子…
すー、はー…
で、では、着替え再開です
肩掛けを羽織って、リボンを締めて
しゅるしゅるきゅっ、と…
はい、完成です♪
名雪の部屋の鏡で確認します
んっ、いい感じです
ちょっと、胸がきついですが…
まだまだ、ここは負けてませんよっ
でも、名雪も私の娘ですから大丈夫ですよ
何が大丈夫なんでしょうね…
祐一さんを満足
違…わないかもしれませんけど違いますっ
ですから今は胸は私が満足させ
それこそ違いますっ
足…は、このままでもいいでしょう
いつもの名雪みたくロングソックスもいいですけど
太ももが入らないのでは、なんて言ってる人は誰ですかっ
た、確かに名雪は陸上部で足は私以上にすらり、としてますが…
そ、そんなことはいいのです
生足の方がそそるから
だから違いますってっ
ハイソックスもそれはそれで
だから違いますぅぅ
で、では、三つ編みも解きましょう
髪の長さも、解いたらさほど名雪と変わりません
先っぽのリボンを解きます
しゅるしゅる
綺麗に編まれた三つ編みが、小さな房になって解けていきます
まずは、指で髪の間を滑らせて
次に櫛で静かに梳(と)いていきます
がっ
ひぅ
く、櫛が髪の毛に引っかかりました
い、痛いです
ぐいぐい
ふぅ
…キューティクル、やっぱり痛んできてますか
名雪のような、つやつやな髪ではなくなってきてますね…
はふん
ちょっとショックです
でも、そんなことではめげません
力を加減しながら、私の三つ編みで出来たウェーブがかった髪を、ストレートにしていきます
ちょっと、ドライヤーも加えながら…
はい、まっすぐになりました
なんだか、久しぶりです
まっすぐさらさらの髪を撫でながら、鏡を見ます
あとは何が名雪と違いますか…
小じわの数
いやぁぁぁぁ
間違ってはいませんけど、認めたくありませんっ
肌の張り
みやぁぁぁぁ
そ、それも間違ってはいませんっ …やっぱり認めたくありませんが
あ、そうです声です
祐一さんを起こすわけですから、少しなりとも合わせておかないと
「あ、あ、あ〜」
これじゃ分かりませんね 喉に手を当てて、声の調子をみてるんです
うーん、もう少し高いトーンですか
「あ〜、あ、あ…朝だよ〜祐一〜」
うん、こんな感じですね
準備万端っ
それでは、祐一さんにいたづら開始ですっ♪
とんっとんっと軽快に階段を下りて、リビングに向かいます
ちょっとドキドキです
祐一さんにあられもない姿を見られることが
違います
静かにドアを開けて、ソファを覗き込みます
「…ぐー」
大丈夫そうですね、それでは…
「あさ〜、あさだよ〜」
「…んぐ」
あ、ちょっとだけ反応しました
今度は軽く揺すってみます
「祐一起きて〜」
名雪の口調って可愛いですね
「んぐ、んがんがんが」
うっすらと目が開きました
「ん…あ、名雪か」
涎の垂れたお口でそう呟きます
成功のようです♪
「うん、そーだよ」
「寝かせろ…また後でしてやるから」
ゆ、祐一さん、何を言ってるんでしょうか
「だ、だめだよ〜起きて〜」
もう一度揺すります
「う〜、わかったわかった…しょうがないなぁ」
むっくりと起き上がった祐一さんは…
え? え? ふぇ?
*
ふわふわと身体が揺れる
んー…もう少し眠らせろ…
『祐一起きて〜』
んー…
辛うじて目を開ける
ぼやけた視界の中で名雪が俺を見下ろしている
「ん…あ、名雪か」
名雪の姿を確認するともう一度目を閉じる
ぐー
『だ、だめだよ〜起きて〜』
むー…今日は学校休みだろ…
部活か…?
いってらっしゃいのキスか…?
そんなの帰ってきてからいくらでもしてやるから寝かせろ…
ゆらゆらゆら…
あーわかったわかった…してやる してやるから…
ぷちゅ
*
はみゃ
みゃみゃみゃー
ゆ、祐一さん大胆です
い、いきなり起きだした祐一さんは私に抱きついて、その、
私に、その、き、き
キスされて…
みゃ
顔が熱いのが分かります
ね、寝ぼけてて、とはいえ…
その、嬉し
違…わないですけど、その、心の準備とか
えとえと
そ、それで祐一さんはそのまま私の肩にもたれ掛かって
「んぐー」
ね、寝ちゃいましたし…
お、重いです
な、何とかずれ落ちないように支えてますが
ずるずる
もふっ
「きゃっ」
それでも祐一さんの重さで頭が下にずれだして、その、
私の胸の間に挟まってしまっちゃいました
はぅ
だ、だめです祐一さん
そ、その、起きて下さいぃ
ひゃぅ
い、息が布地を通り越して胸の間にかかりますぅ
「お、起きて下さい祐一さん祐一さんー」
ぐりぐり…
あ、頭を動かさないで下さいぃ
ぷちん
ふぇ?
ぴと
はゃ
そ、その、祐一さんの今の行動で、今までいっぱいいっぱいだった私の胸の…
名雪の制服の胸のボタンが取れて
わ、私の胸が大全開になって
その、ブラの当たってない部分、私の胸の谷間に…
祐一さん、直に顔を埋めてますぅぅぅ
やっ、そ、そのい、息が
「だ、だめです祐一さ…ん」
んっ…
あ、足に力が入らなくなってきました
よろよろ
ぼふっ
ソファに二人、もつれるように倒れこんでしまいました
そ、それでも祐一さん起きませんよぅ
それに、祐一さんの両腕、がっちりと私を抱きしめてますしぃ
ふゃ
だ、だから、む、胸に顔を押し付けないで下さいぃ
く、唇が直に肌に…
う、腕も動きません
「お、起きて下さいよ…祐一…さ…ん…」
はぅぅ 身体が火照って声、出しづらいです…
「んむ…いい匂い…」
どきーん
そ、そんなこと言うのは反則ですよぉ
どきどき
だ、駄目です 祐一さんは私の甥です 名雪の恋人です
わ、私みたいなおばさん
で、でも今、私は名雪で
あ、あ、頭がぼーっとしてきます…
だ、駄目ですよ お、起きて下さいよぉ…
もぢもぢ
祐一さんの腕の中で身をよじらせます
「ん…」
あ、反応しました
とにかく起きて下さい お願いですぅ
祐一さんの顔が上がりました でも、まだ寝ぼけてますぅ
「ん…あ、名雪」
ち、違います、秋子です
そう喋ろうと思うのに、口が動きません
「なんだ…朝っぱらから…いいのか?」
な、何がいいのですか!?
そ、それは分からないことはありませんが、そ、その
だ、だめ
「あ…うぁ」
ふ、震えて声が出ません…
どうしてこんな事になっちゃったんですか?
祐一さんを起こしてびっくりさせて終わりだったはずなんですが…
どうしてこんな事に…
どうして…
ちゅっ
もう一度、口づけ…
寝ぼけ顔の祐一さんが優しく私の頭を撫でます
ああ、もうだめです…
食べちゃうんですね食べられちゃうんですね
でしたら……美味しく…食べてくださいね…
「ねーおかあさん、香里が私の家に来たいからって連れてきたんだけど……」
ばたんっ
………………………
「……………」
「お邪魔しまーす…ん? どうしたの、なゆ……き」
………………………
『な、何やってるの……祐一「相沢君」……』
その二人の言葉で、凍りついた時間が動き始めました
「え? な、名雪…?」
祐一さんは今ので目が覚めたのか、きょろきょろと私とドアの名雪を見やります
「で、この人は…」
もう既に両手は私の両胸にかかっていて、その格好のまま、私を見下ろします
「あ、秋子…さん…?」
そのまま発した祐一さんの声は、この静寂に掻き消されそうなほど、小さかったです
「は、はい…」
そんな自分の声でも、何故か聞こえづらかったです
急いで普段着に着替えて、リビングに急ぎます
外からでも聞こえるほどの大声で、名雪の声が聞こえます 凄い剣幕です
「な、何やったの祐一!! おかあさんにあんな事、あんな事…」
「し、知らない、き、気がついたらいて…てっきり、名雪だと、思って……」
「ち、違うんですっ、祐一さんは悪くありませんっ」
リビングのドアを開け放ち、叫びます
「御免なさい…全部、私が悪いんです」
目を腫らして泣いている名雪に、冷めた目を祐一さんに向けている香里さん
私は、座り込んで、土下座します
「その、祐一さんをおどかそうとして、びっくりするのが見たくて、私、あんな格好をしてしまったんです」
「そ、そうなの…、おかあさん?」
「本当です…御免なさいっ」
もう一回深々と頭を下げます
許してください、名雪、祐一さん…
みんな、私が悪いんです
あんないたづら心さえ出さなかったら…
「えっと、じゃぁ…仕方なかったの…かな お、おかあさん、顔、上げてよ…」
名雪が口にします
「え…」
「わ、分かったから、もう怒らないから、ね、おかあさん、祐一」
私、あまりの申し訳なさで、泣いてたみたいです
床が少し濡れてました
「……ねえ、もう少し詳しく教えて欲しいんだけど…状況がまだ掴めないから」
香里さんが言います
「そ、そうですね、詳しくお話します」
鼻を少しすすって、事の顛末を話し始めました
「あ…秋子さん、凄い事思いつきますね…」
それが、香里さんの感想でした
そうでしょうか…?
「私も…そう思う」
ああ、名雪まで…
「でも相沢君、寝ぼけてたとはいっても、名雪と秋子さんくらいの区別はつくんじゃない?」
香里さんの言葉に、祐一さんはぽりぽりと頬を掻きながら、
「その…なんだ、匂いとか…温かさとか…同じだったから…」
はきゃ
名雪の顔が赤くなるのが分かります そ、その、私も同じくらい赤いくなってるでしょう
な、なんてこと言うのですか祐一さん
そんなこと、食べ比べてみないと分かりません
違います
「はぁ、…熱い熱い」
ぱたぱたと香里さんがあおぎます
「そういう香里さんも、北川さんとはどこまでいってるのですか?」
「あ、それ私も聞きたい」
「ち、ちょっと名雪…」
「あら、先日、商店街で二人が一緒に歩いてるのを見かけましたよ」
「ちょっと秋子さん!?」
香里さんも赤くなります
…そんな、この一連のどたばたも終わって、やっと静かな日曜日が始まるようです
もう制服は着たく…ありません
そんな、躊躇なんてしてません、してませんてばっ
し、信じてくださいよぉ…
(終)
#作者のこだわり
秋子さん妄想…あそこで数百行省略
制服…袖が長くて、指先がちょ、っと出ていることに注目ぅぅぅぅぅ
秋子さんの名雪声…國府田マリ子の少しトーンが低い感じ、もしくは鼻声
まんま皆口裕子でも、そのぎこちなさが現れてGoodぉぉぉ
あい、邑人です
こ、こんなんでよろしいでしょうか?(激滝汗
見境無いですねー。とにかく秋子さんに制服を着せたがる僕は変態さんでしょうか
はい、フォローがありませんね、決定です(涙
春の妖気(誤字)とほんの少しの気の緩みがこんな作品を作らせてしまいました(あくまで受身
注意一秒恥一生
ダメダメです
最後の方なんかどうやって18禁的展開に持ってこさせないかで精一杯だったり(ぉ
でもR指定(爆
読み終わったら、あなたの記憶のメモリからきれいサッパリ消しといてください(涙
出羽ー
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