いたづら秋子さん エッチな下着です(後編)
後編です。
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ううん
はぁ
ううん
はぁ
先ほどから私 ため息ばかり付いていますね
私は自分の部屋のなかで ひとり また ため息
祐一さんも名雪も まだ学校から帰ってきていません
はぁ どうしましょうか
つい 数日前見つけた 秘蔵の下着
私ったら なんであんないやらしい下着を買ったのかしら
もはや 記憶も曖昧で どんな形だったのかも忘れてしまいました
あの頃の私は若かったのですね
……え? いえ あのっ 今も その 若い……つもりです
そして その下着が 今 私の目の前にあるのです
あの時は 見つけた途端に タンスの中に仕舞いましたが
どうしても ここ数日 そのイメージばかりが私の心の中を占めていて
いけないわ
と 思いつつ
心の中では これを着てみたい
と 思う自分が居るのです
でも さすがに 誰もいないからって こんな下着
ひょい つまんで持ち上げます
ぴろ〜ん
……布地が これだけしか有りません
あの これ 本当に 下着としての役割を果たしているのでしょうか
日の光差さない暗闇の奥底の様な色の生地
……でも これをこのまま着ないでおいても
精神衛生上良くないですし
それに その 勿体ないですし
あん ケチだなんて 言わないでください
わくわくと 好奇心が ちょっとだけ
あの 許してくれますよね
あの 責めないで くれますよね
とにかく
一度だけ 着てみましょう
どうせ 誰に見せるものではないんですから
祐一さんに
み 見せませんよっ
*
カーディガンのボタンを外して
セーターを脱ぎ……
ぱちぱち
あんっ 静電気 ひぅ びっくりしました
今着用している 普通の白色のブラが露わになりました
ホックを外して えい ……ぷち
はらり
……ちら
うん 大丈夫 垂れてません
さてさて いよいよですね
エッチな下着 ブラジャーを
ぴろ〜ん
……どうして こう この下着は こんなに薄い素材なのでしょうか
もし 色が黒じゃなかったら
その…… 透けて 見えちゃいます
……別に 下着姿を見せる相手も居ませんけど ね
祐一さ
だから違います
さて ええと ホックを
ホックを
すかすか
あら?
妙ですね ホックがありません
じろじろ
おかしいです このブラ ホックがありません
不良品でしょうか
そうして私が あれやこれやといじっていると
はらり
あら 外れました
……て あら?
ええと うん? 妙です これは
後ろではなくて 前の部分が
……こ これはっ
ひょっとして これが その
フロントホック と言う物なのでしょうか
ちょっと カルチャーショック
はぁ これが噂の
どこで噂になっているかなんて知りませんが
う ううん とりあえず 付けてみましょう
れっつ ちゃれんじ
うんしょ うんしょ えい
カシュ 前のホックを しめて よし
できあがりです
ふぇ 結構 簡単なんですね
さて 次は その いよいよ 下の方です
いやですね 私 誰にも見られてるわけじゃないのに どきどきしちゃいます
巻きスカートを外して ふぁさ
パンティを んしょんしょ ぱさ
よし さてと
私は黒いパンティを手に取ります
こっちが前ですね あら え でも やっぱり 細くないですか
じゃ こっちが前 え? こっちも細いじゃないですか
……?
あ
え ひょっとして
困りました あの その これって まさか
てぃ てぃ てぃ
てぃーばっくと言う物では
お紅茶 それはてぃーばっぐです
ひぇ こんな ああん
本当に私 こんな下着を買ったんですか
どき どき どき
こ これを 着る ん です か
いつまでも 下だけ脱いだ格好ではいられないし
まるで変態さんのよう
いえ この下着も 十分に変態チックですが
ううん ううん どうしましょうか
そわそわそわそわ
ええいっ
しゅっ するする きゅ
はぁ
履いてしまいました
んく やっぱり 予想通り お尻がきついです
ええと
鏡 鏡
私は部屋の端にある大きな姿見に自分の身体を映します
きゃっ
誰ですかこんなエッチな格好をしてる人は
私
え うそ これ 本当に私ですか
いやぁ
私って 実は こんな女だったのですね
はぁ びっくりです どうしましょう
どうもしません
ええと とりあえず 確認したことですし
もう 脱ぎましょうか
うん こんな恥ずかしい格好 もう イヤです
……
……でも
その ちょっとだけ 勿体ないような
何を考えてるんですか私
でも 考えてみると 私がこんな格好をするなんて 一生に一度しかないのかもしれません
うーん そう考えると
ですが この格好で居たからといって 何が出来るわけでも
ちら
鏡
ええと
鏡に向かって
片目をつぶって 胸を突きだして お尻を上にあげて
せくしぃぽーず くねくね
ついでに 投げキッス ちゅ
きゃあっ 私 何をやってるんですか
そんな歳でもないのに いえ あの それは置いておいて
はぁ ちょっとはしゃいじゃいました
早々に 脱ぐとしましょう
「ただいまー」
ゆ
ゆゆゆゆ
祐一さん
何でこんなタイミングに
いつもいつも思うのですが どうしてこう 祐一さんはタイミングが悪いのでしょう
実は 狙ってたり まさか
「……あれ? 秋子さん……は」
どうして私を捜してるんですかっ
ああっ ダメです おきがえ中です
でもその たとえば 祐一さんがここに探しに来たとして
「あ 秋子さん ちょっと入って良いですか」
「ごめんなさいね祐一さん 私 今 ちょっと」
「どうしたんですか」
「あの その ……お おきがえ中なんです」
「えっ あ 秋子さん 俺は もう 我慢がぁっ」
がらっ
「きゃぁぁぁぁぁぁっ」
――なんて事には ならないでしょうけど
おきがえ中だと告げるのは 恥ずかしいものがあります
とりあえず 仕方有りません
この下着の上から いつもの服を 着るとしましょう か
「……秋子さん ……こっちかな?」
あっ あっ あっ 早く おきがえ 早くっ
*
がちゃ
「あら 祐一さん お帰りなさい」
「あ 秋子さん ただいま ……こっちに居たんですか」
「ええ 私に 何の用かしら」
「ええと あはは あの 腹が減ってしまって 今日の夕飯 なんですか」
……そんな理由で……
「……今日の夕飯はカレーです」
「そうなんですか 楽しみですね あれ 秋子さん あの」
「なんですかっ」
「え その なんか 怒ってませんか」
「気のせいですよっ」
すたすたすたすた
「え お 俺 何かしましたかっ 秋子さん」
ぷーん だ
祐一さんの お陰で こんな下着のまま 夕飯を作る羽目に
あんっ お お尻が んく
はぅ すたすた歩くことも出来ません
もうっ 祐一さんっ
今日のカレーは 辛いですよっ
(終)
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さて、これで終わって良いものでしょうか。
気が向いたら、続き書きます。
では。
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