いたづら秋子さん お風呂上がりですよ その3



 私は、お風呂をあがると、身体にバスタオル一枚を巻いたままで、そのまま出ていきました。







 ……え?
 あらあら、違いますよ。
 私だって、そんな年中祐一さんにセクハラまがいのいたづらをしているわけではありません。


 ――――いやですね、誰ですか?
 「俺もそんないたづらされてみたい!」…なんて言ってる方は。
 うふふ、こんなおばさんをからかわないで下さい。


 それで、ですね。
 今日、祐一さんは、お友達の家に泊まりに行くそうで――北川さん、だったかしら?
 家にいないのです。


 ですから、今夜この家には名雪と二人っきり。
 三人での暮らしに慣れた今では、ちょっと広く感じちゃいますね。

 その分、私も気がゆるんでしまいまして…

 ついつい、バスタオル一枚で家の中をうろつくなんて、お行儀の悪いことをしてしまいます。



 それは、潜在的に私のあられもない姿を誰かに見て貰いたく
 違います。


 ――余談ですが、私の「違います」は、もちろんその間一秒です。
 
 え?
 た…ためらってなんていませんよ!
 ホ、ホントですってば…
 はぅ…
 信じて下さい…


 ええと。閑話休題、です。

 キッチンでコップ一杯の牛乳を飲んで、名雪にお風呂を促しに居間に向かうと…

 あらあら。
 名雪はテレビを見ている間に眠ってしまったようで、ソファに崩れ落ちたまま、

「くー」
 といつも通りの可愛い寝息を立てています。


「ほら、名雪、起きなさい」
「うー」
「うー、じゃないでしょ」
「いー」
「いー、でもないの」

 ゆさゆさ。

「うにゅ…お母さん?」

 ようやく、目を覚ましたようです。

 …と、思ったら、また、

「すー」

 …只の寝言だったようです。


「ほら、名雪、こんなところで寝たら風邪ひくわよ」

「みゅぅ〜…お母さん…起きる…」

 名雪はねぼけ状態のまま、無意識に私の着ているものを掴もうとします。


 ところが…

 その時、私はバスタオル一枚しか身につけていなかったわけですね。

 そうするところ、つまり…


 はらり


「きゃっ」

 バスタオルが名雪に掴まれてはだけてしまいました。


 瞬間的に、私は生まれたままの姿をさらしてしまいました。


 私は慌ててバスタオルを巻き直します。


 どきどき
 どきどき


 名雪……眠っているから、見てないわよね?


 もちろん、自分の娘に見られたからといって別に問題はありませんが、
 年頃の娘に自分の裸を見られると言うのは、さすがにちょっと恥ずかしいものがあります。



「名雪…眠ってるわよね?」


 私が、そう名雪に確認すると、

「…すー」

 よかった、まだ眠っているようです。


 しかし、です…

 私がほっと胸をなで下ろした、そう、その時に。

 名雪は、寝ぼけたまま、こう、一言。






















「うー…  …………じゃんぐる…だおーっ」



(終わり)

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ども、読んで下さって有り難うございます、F.coolです。
「アシスタントの水瀬『お茶目』秋子です…って、なんて話を書くんですか(真っ赤)」

 ぽかぽかぽか…

痛い痛い。勘弁して下さい(^^;
「火田さんは私のことイヂメてそんなに楽しいんですか!?」

 ぽかぽかぽか…

そりゃ楽し…いえ、毎回身を斬るような思いで書いております。
「本当ですか?(ジト目)」

ええ。毎回、悲しさに包まれ、ああ、祐一が自分だったらなぁ…と思いつつ…
「…もぅっ…全然反省してませんね…」

ハ、ハ、ハ。
「それに、ラストのこのオチ…すごく恥ずかしいですよ(かぁぁ)」

 ぽかぽかぽか…

ははぁ。何が恥ずかしいんでしょう。私にはじゃんぐるの何が恥ずかしいのかなんてさっぱり。
秋子さんは何が恥ずかしいんですか?
「…うーっ…(まっかっか)」

 ぽかぽかぽか…

あはは、痛し痒しですね。
「…許しません…」

 ボカ!!


ぐはっ!(転倒)
あ、秋子さん、今のはさすがに
「うふふ、何のことですか?(にっこり)」

サーッ(血の気が引く)
す、すすすすす、すいません、私が調子に乗りすぎまし…
「面倒だからとどめ刺しちゃいましょうか♪」

 ドグァ!

ぐぼはっ!(吐血)

「それでは皆様、次回があるかどうかは期待しないで下さいね」
お、おおおお、俺は書く! 死んでも書くぞぉっ!

「じゃあ死んで下さい(はぁと)」
へ?

「えい♪(きっく)」

 ドゴシャッ!

ぐがっ!




「あら? さすがに、やりすぎたかしら…?」


「火田さん、火田さん、しっかりして下さい」

…あ、秋子さん…
「…はい、なんでしょう」

…最後に…伝えたいことが…
「そんな、最後だなんて…(ほろり) …で、なんですか?」

その…
「はい」




ぱんつ…見えました…
「……」

 バキャッ!

黒…でしたね…
「……」

 グシャッ!





『目標、完全に沈黙!』



「ふぅ…では、失礼しますね」


うおおっ…F.cool死すとも浪漫は死せず…ぐふっ……


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