マッサージシリーズ所感

00/03/23 記


いやぁ…いろいろありましたが、ようやくマッサージシリーズは完結いたしました。
思えば長く続けてきた物です。

一作目…と言うより導入編の『屋敷の秘め事』から始まって、
最終作『祐一、舞にマッサージする。』
まで、実に10本も書いてきました。
間違いなく、私の書いた中で最長のシリーズです。
五分の一はマッサージを書いてきているわけですね、私は(^^;
おかげさまで皆様の反応も良く、私の代表作と言っても過言ではないでしょう。

と、いっても。
今だから書けることですが、実は!

マッサージシリーズなど、私は書こうとは思ってイナカッタノデス(爆)

「ええっ!?」と驚かれるかも知れませんが、本当なのです。

そもそもの始まり、『屋敷の秘め事』から、順を追って説明していきましょう。


まず、『屋敷の秘め事』…これは、友人に「佐祐理さん萌え萌えSS書け!」
とオバカな注文をされて、さらにオバカな私が実際に書いてしまったSSなのです。
そんな感じで軽い気持ちで書き始め、
ラスト、祐一が二人に引きずられるシーンで書き終えたとき、
なんとなく「ああ、これの続きでも書けそうだな」と思い、
もったいないから、と少々の改訂を加えて掲示板に投稿する際、
後書きに「続きが見たい方がいらっしゃいましたら、書いて下さい」
…などど書き加えてしまったのが運の尽き…もとい、運命の始まり。

ありがたいことに沢山の方から「続きを書け!」と望まれ、
では、いっそのこと本格的に書こうじゃないかと私は躍起になりました。
そして、図書館で「図解・マッサージのツボ」などと言った題名の本を借りて、
自分なりにツボの場所などを勉強し、さらに部活時代に培った脚部マッサージ法なども思いだし、
一生懸命に書いたのが『祐一、マッサージされる。(前後編)』なのです。
…そう、即ちあのSSは、一応、「マッサージSS」…なのです。
断じて! 浪漫追求系SSでは無いのです!(笑)

しかし、ちょっと色を持たせるために、舞が上に乗っている感触を描写したのがまたまた運命のいたづら。
いたづら秋子さん
違います

…閑話休題。
その描写とは…言うまでもなく、

『ふのふの』

の、事です。
うれしいことに、大好評を戴きました。
作者としては、全く予期していなかったのですけどね…
本来ならば、その辺で終わるはずだったのです。
ところが、好評を戴いて気をよくした私は、その時アシスタントに秋子さんを起用し始めた事もあり、
「私のことですね」
…秋子さん、ややこしくなるのでお引き取り下さい。
「残念です」

…こともあり…ええっと。
『祐一、秋子さんにマッサージする。』
を書き始めたのです。
まぁそもそも。私という人間は、マッサージをされるよりも、する事の方が多い人間です。
誤解なさらないで下さいね。
対象者は、たいがい『男』です。男性です。殿方です。タフガイです。マッチョマンです。

…書いていて虚しくなってきましたね…

それはそれとして。
そう言うわけでマッサージ秋子さん編を書き始めたのですが…
暴走暴走また暴走。
私の煩悩の限りを尽くしたような、ああいう(笑)SSになってしまいました。
これではさすがにいけないかな、と、私はふと、自分の母親の手が随分とかさかさになっていたのを思い出します。
秋子さんだって主婦ですから、あまり認めたくないことではありますが、手は綺麗なままではいられないでしょう。
それで付け加えたのがあのラストシーン、秋子さんの手をマッサージする場面です。
このシーンのおかげで祐一君の暴走も止まり(苦笑)、後味もそれなりにスッキリした物にすることが出来ました。

…で。
私自身としては、これで打ち止めのはずだったのです。
これ以上は、書けない。と言うのが、その時の私の正直な心情でした。

ところが、私がこのページの1500を踏んだ方に、「私にお好きなSSを書かせる権利を差し上げます」と
宣言しましたところ、めでたくも知り合いのSS作家さんである、
空也さん(御名前を出してしまってすみません)が踏んで下さいました。
そこで、空也さんが私に指示したSSは…
『マッサージシリーズの続編』です。
私は大いに慌て…はしませんでした。さすがに。
でも、ちょっと驚いたのは事実です。
アレは完結したシリーズなのです…ですが。
秋子さん編のラストシーン、名雪に乱入させたのが偶然にも功を奏しました。
続編は、一発で決まりました。それが…

『祐一、名雪にマッサージする。』なのです。

しかし、書き始めては見たものの、せっかく期待して下さっている空也さんに失礼ではありますが、
前回で全てを出し尽くしてしまったという感は否めません。
まぁ、とりあえず…
と書き続け、あれよあれよとキーボードを打つ手は進み…
…結果、『祐一、名雪にマッサージする。』は、作者として前作を越える出来になってしまいました。
びっくりです。
私がびっくりしてどうするんでしょうね…

と、ようやく書き終わりまして、ここで這い出ましましたるワタクシめの悪い癖(笑)
なんとな〜く、香里にマッサージもしてみたいな〜などと思いついてしまい、
愚直にも「希望があったら書きます」などとまたしても後書きに書いてしまったのです。
あとは皆様もご存じの通り…

『祐一、香里にマッサージする。』

の、誕生と相成った訳です。
最初に予告の段階で暴走しますと仄めかしていたので、ちょっと導入部を考えた後は、すらすらと書くことが出来ました。
もう、バリバリに暴走(笑) ほとんどセクハラ(爆)
そういったSSに仕上がりました。
…すでにマッサージSSとしての役割は果たしていなかったのですがね…

さて。さすがにここまで書いてくると、きちんとシリーズ物として終わらせなければ、
と言う奇妙な使命感が私の胸に去来します。
そこで、マッサージシリーズを終わらせるべく生まれたのが、

『祐一、佐祐理さんにマッサージする。』
『祐一、舞にマッサージする。』

の二編です。
やはり、マッサージシリーズを終えるのに、そもそもの始まりであるこの二人をおいて他に適任は居ないと考えました。
前回で暴走しすぎたので、今回はほのぼのに立ち戻り、
高校生活の一ページを切り取ったような雰囲気のSSに仕上げました。
そのうち佐祐理編は、元々は舞編への導入部でして、マッサージすることは実はどうでも良くて(笑)
要は、いかに舞のほっぺたを膨らませるか、という点にのみ固執いたしました(苦笑)
そして舞編。
マッサージの基本である、肩もみをテーマに書くことにしました。
テーマから外れることなく、実際に肩もみの仕方が分かるように。
そうすることによって、ようやく、元のマッサージSSに戻れたような気がします。

そして、マッサージシリーズは完結いたしました。

思い起こしてみると、
マッサージシリーズがいかに読者様に支えられてきたSSかということを痛感させられます。
暖かい感想を下さる読者様なくして、マッサージシリーズはあり得ませんでした。

それを深く感謝すると共に、これからも応援をお願いして…




それでは。


マッサージシリーズトップへ