いたづら一夜さん その18  欲求不満編  十夜もお年頃ですから きっと 様々な欲求不満が溜まっていることでしょう  ええ そうです そうに違い有りません  ここはお母さんが一肌脱ぎます エプロンを するり 違います  きっと十夜の部屋には えっちな本が有ったりするのでしょう きゃあ  母親として 息子がどんな性癖を持っているのか 知っておく義務があります ね ありますね  と言うわけで 十夜の部屋を散策です  どれ ええと さて よいしょ  ううん 妙ですね どこを探しても見つかりません 「母さん 人の部屋で何してるんだ」  あら十夜 えっちな本はどこですか 「ぶ 何言ってるんだ そんなの 無いよ」  まあ そんなはずは有りません  どこですか どこですか 「ちょっと 母さん 何を やめ 苦しい」  お湯編  お湯を沸かしましょう  しゅんしゅんしゅん  湧きました  やかんをよいしょと持ち上げて ポットに注ぎ  あら  ポットが有りません  十夜 十夜 ポットがどこだか知りませんか 「えー この辺には無いな」  探して下さい 「分かったよ」  むう うう  まだ まだですか  早く 早く見つけて下さい  重いです それに だんだん手が熱くなってきて  ああー お母さんは もう ダメです 助けて十夜 助けて 「母さん やかん置こうよ」  氷枕編  ああ とっても寒いですね  確かこういうときは 氷枕を用意して  お布団の足下に そっと忍ばせると  きゃあ冷たい  不思議です 何か 間違えましたか  十夜 十夜 「なんだよ こんな夜中に」  かくかくしかじかなのですが どう思いますか 「母さん それ 湯たんぽと間違えてるだろ」  あら ちょっぴり勘違いです 「全然ちょっぴりじゃないよ」  てへ 「舌出して可愛い振りしてもダメだよ」  十夜 意地悪です  えい 「うわ冷た 母さん止めてくれ氷枕近づけ うわ うわあ」  チャルメラ編  あら 今 外から 昔なつかしチャルメラの音が聞こえてきました  学生時代は 良く リコーダーでこのメロディを奏でたものです 「へえ やってみてよ」  いいですよ  ええと リコーダーは 押入のここに はい ありました  では 行きますよ  ぴらりーぴぴ ぴらぴらぴぴー 「おお 母さんすごい」  うふふ ちょっとよい気分です  でもちょっと 頑張りすぎたみたいで  リコーダーがつばまみれになってしまいました  さて  簡単なメロディですから 十夜 どうぞ 「やだよ」  感染編  どうしましょう どうしましょう そんな恐ろしい病気が流行っているなんて  ああ 私がもし 感染していたら あ 十夜 ダメです 今の私に近づいてはいけません  先ほどのニュースで知ったのですが 私は恐ろしい病気に掛かっている可能性があります 「なんだどうした」  今日 電気屋さんに行ってきたのです ええ 電球を買いに 「うん」  そして そのついでに ああ私ったらなんて浅はかなのでしょう アレに つい 興味本位で 触ってしまったのです  今頃私の身体は あの病魔に冒されているに違い有りません 「な 何さ 何に触ったのさ」  こんぴゅーたです 「へ」  こんぴゅーたうぃるすと言うのが流行っているそうではありませんか  ひょっとしたら 私も ああ 怖い 怖い なんだか 悲しくなってきました  あ ですから十夜ダメです こちらへ来ては ダメですったら  あら あら  何故か知りませんが 十夜は私の頭を撫でてくれました  十夜は優しいですね