いたづら一夜さん その11  真相編 「で 母さん これ なんか 原因分かる?」  うーん  皇家の血と 犬塚家の血 混血の十夜には ひょっとしたら もしかしたら 「え え 何さ」  ええと その 「うん」  実は 「……」  分かりません 「……母さん」  あら十夜 そんな目つきも セクシーでいいですよ 「誤魔化さないで」  こほん ただ一つだけ分かっていることがあります 「えっ」  それは 「それは?」  娘が出来た気分で 母さんとっても嬉しい 「……」  …… 「……っ」  いたーい  十夜がぶちました くすん  命名編 「で 母さん 私 どうするのさ」  どうしましょう 「夏休みだからいいけど このままだったら」  そのうち戻るような気もしますが 別に 良いんじゃないでしょうか 「やだよっ」  わがままですね 「どこが」  そうですねさしあたって  十夜って 男の子の名前ですから 困りますよね 「いや全然」  私は困ります 「そう言われても」  と言うわけで 命名タイムです  ええと 十夜 とうや とーや とや むむ  とよ とよちゃん そうですね とよちゃんに 決定しました 「はあ もう 勝手にして」  あら 乗り気じゃありませんね  ……  とよちゃ〜ん 「はーい あっ いや 何でも」  妙に 嬉しそうじゃありませんか  衣服編  さて 女の子になったところで 衣服の問題がありますね 「え いや 別にこのままで」  いけません  若い女の子が ブラジャーも着けずに はしたない 「……」  言われて自分の胸をじっと見る十夜  なんだか 私より 大きくありませんか  こほん ともかく  ブラジャーを着けてみましょうー ぱちぱち 「って 私 着け方分からない」  分かってたら 私は 自分の教育方針を根本から見直す必要があります 「でも え ブラジャーって 今から 買ってくるの?」  いえもう買い物は終わりましたし さしあたって 私のを 「えっ 母さんのを」  何ですかそのイヤそうな言葉は  いえ いえ きっと恥ずかしがっているんです そうなんです  そう信じて私は それ以上の追求を止めました  さて と  よいしょ 「わあっ ちょっと 母さん 今 ここで外さなくても」  気づき編 「ところで母さん」  なあにとよちゃん 「いい加減 家の中に入らないか」  はっ 気づけば 玄関先で話し込んでいたせいで  なんだか 道行く人の視線が  戻り編  翌朝 うふふ 今日は とよちゃんを 着せ替えしたり お買い物に連れて行ったり うふふ 「おはよう母さん」  あらとよちゃん 随分 声が低く ……!  絶句する私 「なんだか 一晩寝たら 直ったみたいだ」  そんなっ ひどい  私のとよちゃんを返してー 「ちょっと 母さん 何だよ いたっ いたたっ」