いたづら一夜さん その4  入浴剤編  十夜とテレビを見ていたら 泡の出る入浴剤のコマーシャルが流れました  きゅぴん  これ 欲しいです  でも さすがに 子供っぽいでしょうか  あ そうです 「十夜 十夜」 「何だい」 「この入浴剤 欲しいでしょう ほら サークルとかで 疲れてるでしょうし」 「いや 別に」  むう 強情です 「遠慮しなくて いいんですよ」 「母さんこそ 欲しいんなら 買ったら」  ぎくり  我が息子ながら するどいですね 「いいえ あくまで 母さんは 十夜のためを思って」 「分かった 分かったよ 欲しいから」  言質入手です やりました  さて早速次の日 泡の出る入浴剤を 買ってきてしまいました  〜♪  お風呂にて 湯船に じゃぼん と 入れてみます  しゅわしゅわしゅわしゅわ  あらあらあらあら  すごい泡です  うふふふ  楽しいですね  何だか くすぐったいですが それもまた 面白くて  こんな楽しいのを 一人占めするのは 良くありませんね  あ そうです もともとは 十夜に買ってきたんですから ええ 「十夜 十夜」  とてててと足音  がらりと脱衣所のドアが開いて 浴場とドア一枚隔てたところに 黒っぽい姿が現れます 「何だい」 「一緒に」  がらりと十夜は出て行ってしまいました  あら  まだ 一緒に までしか言ってないのに  そんなに この 入浴剤がイヤだったんでしょうか  くすん ごめんなさい  もう 買ってきません  ドラム缶編  と言うわけで 十夜は  あまり 飾り立てたお風呂が 好きではないようです  と言うことで  今度は  野趣溢れる ドラム缶風呂にしましょう  お庭で 火を焚いて ドラム缶にお湯を沢山  空を見上げると きっと綺麗な星空  うっとりですね  でも 私が 外でお風呂に入っていたりしたら  きっと 道行く男性が 塀を登って じろじろと  いやですね うふふふ どうしましょう どうしましょう  くねくね  あっ  でも  ドラム缶って どこで 手に入れればよいのでしょう?  馬編  日曜の午後 私は 競馬中継を見ながら 首を捻っています 「あれ 母さんが こんな番組を見るなんて 珍しいね」  ええ 私も 普段なら見ませんが  少々 気になることがありまして 「今度は 何」  十夜 お馬さんって 珍しいですか 「え」  珍しいですか 「そりゃ この辺じゃあ さすがに見かけないけど テレビを見れば こうして映ってるし」  そうですよね それなのに おかしいです 「何なのさ」  この間 テレビで 馬 発見か だなんて 大騒ぎをしていたんです  別に 特別な馬ではなく 普通に 馬 って 司会者の方が言っていたのですが 「母さん」  はあい 「それ 馬じゃなくて UMA」  デパート編  今日は デパートで お買い物です  十夜が 重い荷物を持ってくれるから とっても助かっています 「母さん 次は どこ」  はいはい 次はですね  ええと あ あそこです 「え 母さん ちょっと いや 待ってよ」  とてててて  そろそろ 下着の買い換え時期なんです  十夜 早く いらっしゃい 「そ そんなこと言ったって」  妙に おどおどしちゃって 変な子ですね  あら  この下着 可愛いですね  でも ちょっと子供っぽいかしら  いやです このショーツは すごく扇情的で  食い込みが激しくて ぽっ  だけど こう言うのを 一枚くらい持っていても  ううんううん どうしましょう  十夜 どうかしら これ  と 目の前に びろんと広げてみせると 「うあっ」  突然十夜は真っ赤になって その場から逃げ出しちゃいました  むー  お母さんには似合わないって言うんですね 分かりました ぷん