夢のコント劇場『お茶目な美凪さん』
※えっちです(端的)。
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「ほう」
駅舎に向かう道を歩きながら 小さく息を吐きました
今日も暑いです
さんさんと降り注ぐ陽の光を受ける大地が 蜃気楼をともなって揺らいでいるような錯覚すら覚えます
蝉時雨の中 私は高く澄んだ蒼穹の空を見上げ
「…あつはなつい」
なぎー持ちネタシリーズ No.114
誰もいないのに 冗句を言ってしまうなんて なぎーったら太っ腹
ああん お腹は出ていませんよ
すっきり ほっそりです
でもおっぱいは どーん と
「…ぽ」
そう言えばこの間 国崎さんの前でこのネタを披露したときには いまいち笑いが取れませんでした
「…はふん」
なぎー あんにゅい
私の言い方が悪かったんでしょうか
あるいは 本当に暑いときに言うべきネタではなかったのかも
どちらにしても まだまだ精進が足りません
「…がっつだ なぎー」
自分を応援して 意気を鼓舞します
「ほう」
それにしても本当に暑いです
「…あつはなつい」
てんどん (※専門用語で同じネタを続けて繰り返すこと)
でも私はカツ丼が好き
もちろん天丼も好きです それと うな丼も捨てがたいです
実は牛丼はあんまり好きではありません
あ 忘れちゃいけないのが親子丼です
私とみちるでは姉妹丼です
「…ぽ」
ええと 何の話しでしたっけ
「…あ」
そうそう
あつはなつい
じゃなくて
暑いです
「ほう」
ひたいの汗をハンカチで拭きながら 制服を見下ろしました
腰の後ろの細い飾りリボンと 襟元のロザリオがお洒落です
でも全体の色が 黒を基調としているのがいただけません
「…いただきマンモス」
これでは陽の光を弾かないので 暑くなるのが当たり前です
「…当たり前田のくらっかー」
もう少し薄手にするか 色を明るくするのがいいと思います
スカートも長いですし
あ 自分でスカート丈を短くするというのも いいかもしれません
「…ぐっどあいであ」
今度 暇を見付けて 仕立て直しましょう
こう 膝上10センチぐらいにして 悩ましげな脚線美を惜しげもなく晒したり
それとも 股下5センチとかにしちゃったり
風が吹くたびに スンゴイことに
「…OH もーれつ」
そうこう考えているうちに 駅舎が遠くに見えてきました
みちると国崎さんはいらっしゃるでしょうか
国崎さんと初めてお逢いしたときは 本当に怖かったです
山犬のような鋭い眼光と屈強な体躯を持つ男性
みちると私しかいない 夜の森
どー見たって 乙女の危機
ああ このまま 森の奥に引きずり込まれてしまうのね
なぎーの大冒険 第1024話 なぎー絶体絶命の巻
そんな感じでした
ちなみになぎーは 第1025話で新必殺技を編み出して 見事に大逆転する予定です
それは置いといて 国崎さんのことです
話しをしてみると国崎さんは ちょっとやる気の足らない感じな 子どものよーな方だということがよく分かりました
背は高いですし 私より歳上なのは間違いないですけれど 弟のように思える時さえあります
「…お姉さまとお呼び」
そんな国崎さんにも 尊敬できる点があります
それは天然ボケ
私の言おうとしていたことを先に言われたり あまつさえ さらに大きく上回ったボケをかまされたり
何度 悔しく歯噛みしたことでしょう
でも 私は負けません
「…ふぁいとだ なぎー」
精進 精進です
駅舎の側まで来ました
さてと やっぱりここは 芸の道を歩く芸人らしく 笑いを取りましょう
どういう手で行きましょうか
「…考え中 考え中」
ぴーん
ちょっとベタですけれど 駅舎の裏手から近付いて 驚かすことに決定
「…れっつら ごー」
道の脇から森に入りました
大きく迂回をして 駅舎の裏に回ります
がさがさ
見付からないように 身を屈めながら森の中を歩きます
「…深く静かに潜航せよ」
蝉の声が大きいので 足音が聞こえることはないでしょう
「…はっ」
いま気が付きましたけれど
駅舎にみちるも国崎さんもいなかった場合は どうすればいいのでしょうか
『わっ』 とか言いながら出ていって 誰も居なかった日には 私はもう立ち直れません
「…迂闊」
ここはどうするべきでしょうか
「…進退を速やかに決断せよ」
うーん うーん
仕方ありません ここは勇気を出して前に進みましょう
道は前にのみ拓かれるのです
「…どきどき」
一歩 一歩 駅舎に近付くにつれ 心臓の音が大きくなっていくような
お願い 二人ともとは言いません せめてどちらか一人でも
半ば祈るような気持ちで近付いていくと
「んにー」
あっ いまの声はみちる
「あーあ」
このやる気のなさそうな溜め息は 国崎さん
ああ 二人ともいてくれたんですね 私のことを待っていてくれたんですね
ありがとうございます
でも 『背後から驚かせてびっくり』計画に変更はありません
だって私は芸人
感謝の気持ちと芸は別なんです
ああ ごめんなさい 悪いのは芸の道と その道を選んだ私
「…あーめん」
ロザリオを持って懺悔も済ませましたし 作戦開始です
カウントダウン スタート
10
9
(略)
2
1 今です
「んにー 顔がべたべたするー」
「お前の顔 すごいことになってるぞ」
「髪の毛もがびがびしてるー 国崎往人のせいだぞー」
え なんでしょうか 今の意味深な会話は
顔がべたべた
髪の毛ががびがび
国崎さんのせい
これらのキィワードから導き出される結論
ぽくぽくぽく ちーん
「…謎は全て解けた」
つまり 国崎さんがみちるの顔と言わず髪の毛と言わず ブッかけ
ほえええええええええええええ――――――――――――――――――っっっっっっ
ま まさか そんなことが 私のいない間に執り行われていたなんて
ああ 一体どういう 経緯で
国崎さんが幼女趣味だったなんて って言うか 思いっ切り犯罪では
ああ でも みちるは普通の女の子じゃないし
「はう はう」
お 落ち着いて なぎー 冷静に考えるのよ
ええと ええと きっとこんな感じ
・
・
人気のない駅舎
いつものようにだらけている国崎さん
みちるはその傍らで 無防備にお昼寝をしていて
「んに」
寝返りをうった拍子にシャツがめくれて みちるのまだ青い果実が露わに (文学的表現)
「…ゴク」
国崎さんも成人男子
溜まりに溜まったフラストレーションが みちるのあどけない誘惑に爆発して
「うおー」
雄叫びとともに みちるに覆い被さる国崎さん
「んにゃっ!?」
寝起きで状況把握の出来ないみちるに 国崎さんの無骨な腕が伸びて
既に半ば捲り上がっていたTシャツが剥ぎ取られ
「にゃああっ 何するんだ 国崎往人ーっ」
それでなくても体格の違いが大きすぎるみちるには 抵抗など無意味で
「にゃあーっ」
悲鳴を上げながら身をよじるみちるのキュロットスカートがパンツごと引きずり降ろされ
「じっとしていれば すぐに終わるっ」
みちるの無垢な肢体を押さえ付けながら 吐き捨てるように言う国崎さん
「んにゃあああっ」
恐怖に引きつった声を上げ じたばたと最後の抵抗をするみちる
そして 国崎さんのいきり立った剛直が みちるのまだつぼみのままの花弁に近付き (文学的表現)
みちるの幼い躰が 引き裂かれんばかりに深く刺し貫かれて
「ああっ あ―――っ」
・
・
な なんてことを 国崎さん
あなたを僅かにでも信用していた 自らの暗愚が呪わしいです
「…ぐぬぬ」
私が霧島さんちっくに歯噛みしていると
「んにー どうしてくれるんだ 国崎往人ー」
「お前が誘ってきたんだろーが」
え
みちるが誘った?
と ということは もしかして和姦!?
え ええっ そ そんな
確かにみちるは国崎さんに懐いていたみたいでしたけれど
じゃ じゃあ そうすると
・
・
駅舎の前で 静かに互いを見つめ合うみちると国崎さん
みちるはもじもじしながら 国崎さんの足元と顔を交互に見つめていて
「……」
やがて意を決したように口を開くみちる
「国崎往人… ううん お兄ちゃん」
「みちるは お兄ちゃんのことが好きです」
顔を真っ赤にしながら 告白をするみちる
「みちる」
みちるの告白を受けて 一瞬呆然とする国崎さん
「……」
国崎さんは屈み込んで みちると視線を合わせて
「ありがとう みちる それと…すまない」
みちるの瞳を見返しながら 誠実に言葉を返す国崎さん
「俺はお前の気持ちには応えられない」
みちるの澄んだ瞳が哀しげに曇り
「んに」
それでも唇を噛んで 涙を堪えるみちる
「……そっか」
みちるは文字通り 泣き笑いの表情を浮かべて
「みちる ふられちゃったか」
「ごめんな」
すまなそうに頭を下げる国崎さん
「謝らないでよ お兄ちゃん」
怒ったような口調で言った拍子に みちるの目尻から涙が一雫
「んに」
それを隠すように ごしごしと袖で目元を拭うみちる
「……」
みちるは 涙を堪えるように空を見上げて 黙り込んでから
「ねえ お兄ちゃん」
跳ねるように国崎さんに向き直り
「みちる お兄ちゃんにお願いがあるんだけど」
笑顔で首を傾げるみちる
「なんだ」
「あのね」
「うん」
みちるは一瞬言い淀んで
「お兄ちゃんに みちるの初めてをもらって欲しいんだ」
「なっ」
ぎょっとして 眼を見開く国崎さん
「ダメかな」
「だ ダメって お前」
みちるは真面目な顔になって
「違うよ それでお兄ちゃんを縛り付けようとか 自棄になって言っているだけとか そんなんじゃないよ」
「みちるはお兄ちゃんのことが 本当に大好きだから」
「だからお兄ちゃんに みちるの初めてをあげたいの」
みちるは不安を無理矢理に押し隠して 不自然な笑顔を浮かべて
「え えへへ ダメ?」
「本気なのかみちる」
低い声で訊ね直す国崎さん
「みちるはいつだって本気だもん」
毅然とした態度で答えるみちる
国崎さんはしばらくみちるの瞳を覗き込んでから
「…分かった」
「えっ ホント?」
信じられないという表情で 国崎さんを見つめ返すみちる
「ああ」
国崎さんは手を伸ばして みちるのほほを撫でてから
「みちる」
何か神聖な儀式のように 唇を軽く触れ合わせるだけのキスをする国崎さん
「んっ」
みちるはビクッと躰を震わせ 瞳を見開いて
「う うっ お お兄ちゃんっ」
瞳から堰を切ったように涙を溢れさせながら 国崎さんにしがみつくみちる
「みちる」
みちるを抱き留めた国崎さんは あやすようにみちるの髪の毛や背中を優しく撫でて
しばらくそうして お互い何も言わずにいる二人
みちるが微かに赤らんだ顔を上げて
「お兄ちゃん」
おねだりをするような甘えた口調で 国崎さんを呼ぶみちる
「ああ」
うなずいてみちるの肩を抱きながら 駅舎に入る国崎さん
「んに」
駅舎の簡易ベッドの上に腰掛けて もじもじと身を揺するみちる
「どうした」
みちるは恥ずかしそうに俯いて
「ん んっとね みちる 汗くさいから シャワー浴びたいな」
国崎さんは優しい微笑みを浮かべて
「いいよ そのままで」
みちるの首筋に顔を寄せ
「みちるは いい匂いしかしないよ」
あごの下を 舌先でくすぐる国崎さん
「んにゃっ」
可愛らしく躰を震わせるみちる
みちるを優しく見つめていた国崎さんは ふと真面目な表情になって
「もう一度だけ訊くぞみちる 本当に後悔しないか?」
みちるも真面目な顔で国崎さんを見つめ返し
「うん 絶対しないよ」
はっきりとうなずくみちる
「だって お兄ちゃんと一つになるのが ずっとみちるの夢だったんだもん」
「…そうか」
うなずき返す国崎さん
「みちる」
もう一度キスをしてから 優しく頼り甲斐のある表情で みちるの衣服を一枚一枚丁寧に脱がせていく国崎さん
「んにー」
恥ずかしげに身じろぎするみちる
国崎さんは手を止めて
「どうした」
「ごめんね お兄ちゃん」
「何が」
みちるは廉恥に顔を真っ赤にしながら 視線を逸らして
「みちるのおっぱい 小さくて」
起伏のほとんどない乳房を恥じ入り 囁くみちる
国崎さんは一瞬 呆気に取られてから 苦笑して
「なんだ そんなことか」
国崎さんはみちるのまだ未発育の乳房に手の平を当てて
「にゃ」
「小さくて可愛いじゃないか」
そのまま やわやわと揉み上げる国崎さん
「にゃうぅ」
ぱたぱたと足を振り回すみちる
「すごく綺麗だし」
「ふにゃっ にゃあっ」
国崎さんの指が みちるの乳首を軽く引っ掻いて
「にゃあーん」
大きな声を上げて ぶるっと身をわななかせるみちる
国崎さんはみちるを微笑ましく見つめながら 一枚また一枚と服を脱がせていって
みちるは髪の毛も下ろされて 生まれたままの姿に
「……」
みちるの髪の毛を指で梳く国崎さん
「んにゃあ くすぐったいよぅ」
胸と足の間を手の平で隠しながら 首をすくめるみちる
「みちるは髪の毛を降ろすと 大人っぽく見えるな」
みちるはぱっと顔を輝かせて
「ホント? お兄ちゃん」
「ああ」
手の中で髪の毛をすべらせながら答える国崎さん
「えへへ」
しばらく髪の毛を梳かれるがままでいたみちるの瞳が 徐々に潤んで
「んー なんか 気持ちいい」
うっとりと微かな喘ぎ声を漏らすみちる
みちるの緊張がほぐれた頃合いを見計らい またみちるに顔を寄せる国崎さん
「みちる」
触れ合うだけのキスを二回繰り返してから 深く舌を絡め合うキスに
「んん んっふ お お兄ちゃん…」
濡れた瞳で国崎さんを見上げるみちる
「可愛いよ みちる」
国崎さんの唇がみちるの首筋に
「んぁぁ」
みちるの唇から艶めいた吐息が漏れて
国崎さんの舌と唇が みちるの躰をゆっくりと這っていって
「ん んにっ んにゃあぁ」
怯えた声を上げて 弱々しく手足をばたつかせるみちる
顔を上げた国崎さんは みちるを落ち着かせるように髪の毛を撫でて
「怖がらなくても大丈夫だ」
「んにー」
みちるが落ち着いたのを確認してから また唇をみちるの躰に這わせる国崎さん
「ふにゃあ」
みちるの声が怯えたものになるたびに 国崎さんは動きを止めて
「大丈夫か みちる」
「んに」
髪の毛を撫でたり 手を握ったりしながら みちるを安心させる国崎さん
「にゃっ ふにゃああっ」
ゆっくりゆっくり 焦れったくなるほど丁寧に舌と唇で愛撫を加えられて
「ふにゃああん お お兄ちゃあん み みちる 変だよぅ」
みちるの声からじょじょに怯えがなくなり
「んにゃっ にゃあっ にゃああっ にゃあーん」
みちるもやがて 体内の奥深くから溢れ出る悦楽の虜になっていって
「みちる」
国崎さんの唇が みちるのなだらかな乳房に触れて
「にゃーん」
官能に目覚めたみちるは 小さな躰を大きく仰け反らせて 喘ぎ声を上げて
国崎さんは唇を乳房に当てたまま 全体に舌を這わせたり 吸い上げたり 乳首を甘噛みしたり
「ふにゃっ にゃあっ にゃあっ にゃん にゃんっ」
そのたびに 艶めいた嬌声を上げるみちる
国崎さんの唇がみちるの胸元を這い伝って
「んっ んにゃっ にゃああん おっ お兄ちゃあん」
みちるが感極まった声を上げて 国崎さんの頭をかき抱いて
「にゃああん あんっ あんっ にゃあーん」
首を仰け反らせて 嬌声を上げるみちる
やがて国崎さんの顔が みちるの下半身に
「あ ああっ」
恥ずかしげに身悶え 脚を閉じるみちる
「みちる」
「ん んにー」
国崎さんに優しく呼び掛けられたみちるは 自分から怖ず怖ずと脚を開いていって
「綺麗だぞ みちる」
「にゃああ」
恥ずかしさに居たたまれなくなったように 両手で顔を覆うみちる
国崎さんはみちるの太ももに手を添えて撫でながら 顔をみちるの秘部に寄せていって
「んっ」
「ふにゃああーん」
国崎さんの唇が触れるのと同時に 一際高い啼き声を上げるみちる
みちるの秘部に顔を埋め 舌と唇で蜜壷を攻め立てる国崎さん
「にゃっ んにゃあっ にゃあ にゃあっ ふにゃっ にゃああーん」
嬌声とともに みちるの細い手足が 弱々しく宙を掻いて
「みちる」
国崎さんの唇が みちるの真珠を軽く挟んだ途端
「にゃあああ―――」
みちるの躰が弓なりに反り返って
「ん……にぃ」
くたっと手足を力なく投げ出すみちる
「イッたのか みちる」
ちょっと意地悪そうに訊ねる国崎さん
「…ん」
顔を真っ赤に火照らせ 夢見心地でうなずくみちる
「気持ちよかったか」
「…ん」
国崎さんはみちるの髪の毛を撫でて みちるの呼吸が整うまで待ってから
「じゃあ みちる 本当にいいんだな」
立ち上がって みちるの顔を覗き込みながら言う国崎さん
「俺がみちるの初めてをもらうぞ」
「…うん」
はっきりとうなずくみちる
「分かった」
みちるにうなずき返した国崎さんは みちるのわき腹に手を添えて 場所を合わせて
「行くぞ」
「…ん」
みちるが不安がらないように ゆっくり腰を前に出す国崎さん
「う ううっ」
全身をわななかせて 痛みに耐えるみちる
「息を吐いて楽にするんだ」
「んっ んにっ はあ はああ」
国崎さんはみちるを気遣いながら ゆっくりとみちるの中に押し入って
「…くっ」
「うっ うあっ ああーっ」
一つになる みちると国崎さん
「ふう よく頑張ったな みちる」
ねぎらうように優しく微笑み掛ける国崎さん
「えへへ…お兄ちゃん」
目尻に涙を浮かばせながら 満足げに微笑み返すみちる
国崎さんがそのまま動かないでいると
「お兄ちゃん 動いていいよ」
「いいのか」
「うん」
みちるはこっくりとうなずいて
「みちるは お兄ちゃんに気持ちよくなって欲しいから」
「みちる…」
国崎さんは逡巡するように黙り込んで
「分かった」
みちるの気持ちに応えることに決める国崎さん
「辛かったら言うんだぞ」
「うん」
気丈に微笑みながらうなずくみちる
国崎さんはみちるの髪の毛を撫でてから ゆっくりと腰を動かし出して
「んっ んんっ ううー」
国崎さんの緩やかな動きに合わせて 手足を痙攣させるみちる
「みちる」
「ん うんっ へ 平気だよ お兄ちゃん」
みちるの気持ちを汲んで 動き続ける国崎さん
やがて みちるも痛みが薄れ じょじょに慣れてきて
「んっ んぅっ んにゅぅっ」
みちるの声に艶めいた色合いが混ざってきて
「んにっ んにゃっ にゃあっ にゃああっ」
しかめられていたみちるの顔が ほころび始めて
「にゃっ にゃっ にゃあっ にゃああっ おっ お兄ちゃあん」
無意識に脚を大きく開いて 国崎さんをより深くまで迎え入れるみちる
「んっ んにゃっ にゃあっ にゃん にゃんっ にゃあん あん あーん」
部屋に響くみちるの嬌声が どんどんと大きくなっていって
「み みちるっ」
国崎さんの動きも それにつられるように大きく激しくなっていって
「にゃっ にゃあっ んにゃあっ ふにゃああん」
みちると国崎さんの繋がっている部分から漏れ出る水音
みちるの載っている簡易ベッドが軋む音
既に言葉にならないみちるの喘ぎ声
国崎さんの荒い息遣い
それら全ての音が 織り交ぜられながら激しくなっていって
やがて 二人に絶頂の刻が
「ふぅっ ふにゃっ にゃあっ お おっ お兄ちゃんっ お兄ちゃんっ」
戸惑ったような声音で 国崎さんを何度も呼ぶみちる
「ん んんっ ああっ――」
みちるの声が引きつったように 一旦途切れて
「あっ ああっ ああ――ん」
一際大きく かん高い嬌声をほとばしらせながら 限界まで身を仰け反らせて 動かなくなるみちる
「み みちるっ」
低く唸るようにみちるの名を呼んだ国崎さんも 肩を震わせながら動きを止めて
「ううっ」
「ふにゃああっ… …あつ…い」
ぶるぶるとお腹を震わせながら うっとりと呟くみちる
「ふう はあ」
「はあ ああ」
荒い息を吐きながら 満足げに微笑み合う二人
「にゃあ みちるの中が お兄ちゃんでいっぱいになってる…」
みちるがうわ言のように呟いて
「みちる」
優しく微笑み掛けながら みちるの髪の毛を撫でる国崎さん
「んん あっ」
髪の毛を梳く国崎さんの指に官能を刺激され 腰を揺するみちる
「うっ」
国崎さんが小さく呻いて
「あ… お兄ちゃんがまた大きくなってる」
「すまん」
顔を赤くしながら謝った国崎さんが 腰を引こうとして
「待って お兄ちゃん」
離れようとした国崎さんの手を取って 引き留めるみちる
みちるは火照った顔をさらに赤くして
「いいよ みちるは何度でも」
「でも」
みちるは真っ直ぐに国崎さんを見つめて
「その代わり 今はみちるのことだけを考えて」
「みちる… ああ 分かったよ」
髪の毛を一撫でしてから みちるに覆い被さる国崎さん
「お兄ちゃんっ」
細い腕を精一杯伸ばして 国崎さんを抱き返すみちる
・
・
そのままの体位で もう一回
「あ 美凪だー」
みちるをうつ伏せに寝かせて 後ろから二回
「遠野 いつから居たんだ」
国崎さんが下になって一回
「美凪ー? おーい」
みちるを抱っこした格好で二回
「どうしたんだ 遠野」
シャワー室に入って 前から二回
「んにー 美凪がぼけーっとしたまま動かないー」
お湯を浴びながら 後ろから二回
「美凪に何をした 国崎往人ー」
駅舎の外に出て 四回
「俺は何もしていないぞ」
計 四の五の じゅっ 十六回!?
「んにー」
はうう 十六回だなんて 考えただけでぞくぞくします
なんて うらやまし げふんげふん
私も仲間に入れ げふんげふんげふんげふんげふんげふんげふん
「うおーい」
突然 目の前にみちるの顔が
「はおおぉぉうっ!!??」
一瞬 目の前が暗くなるほどびっくりしました
えっ あっ はっ?
私はどこ ここは誰
「はおー」
朗らかに微笑みながら 片手を上げて挨拶をするみちる
「おう」
いつものように ちょっとぶっきらぼうに挨拶をする国崎さん
どうやら私は遠くに行っていたよーです
「え あ ご ごきげんよう」
あら ふと見ると 二人とも きちんと服を着込んでいます
みちるの顔も 妙にきらきらとしているだけです
はて いったいこれはどういうことでしょうか
二人は組んず解れつのスンゴイことをしていたはずでは
「どうしたの 美凪」
みちるが小首をかしげながら訊ねてきました
ああ なんて可愛らしい仕草
萌え そうじゃなくて
「あの みちる 顔はどうしたの?」
「んに 顔?」
不思議そうな顔をして ぺたぺたと顔を触るみちる
「みちる お前の顔 石けん水でテカテカだぞ」
「んに 本当?」
「ああ」
「んにに みちるしょーっく」
あっ 今の面白いです
みちる あなたも芸人として目覚めつつあるのね
でも私も負けません 三人でお互いを切磋琢磨しながら芸を磨きましょう
って そうじゃなくて
つまり みちるが顔をべたべたとか 髪をがびがびとか言っていたのは
国崎さんのごにょごにょではなくて 石けん水だったと
でも それじゃあ みちるが誘ったというのは
「んにー 国崎往人のせいだぞー」
「お前が 『シャボン玉の飛ばしっこで勝負だー』って言ってきて 自爆したんだろうが」
ああ なるほどそういうことでしたか
謎は全て解けました って遅すぎます
「…なんてこったい」
私の呟きはじゃれ合っている二人には聞こえなかったみたいです
「んにに 口答えするなー」
「うるさい」
ぼかっ
「にょぷっ よくもやったなー ちるちるキーック!」
どすぅっ
「ぐはっ」
・
・
「みちるヘッドアターック!」
どむぅっ
「おぐっ」
「みちるドリルヘーッド!」
ぎゅるるる ずどしぃっ
「ごふぅっ こいつっ」
ぽかぽかぽか
「にょめ にょめ にょめ」
はしゃぎながらじゃれ合う二人を見ていると 微笑ましい気持ちになります
「…うふふ」
まるで仲のいい 兄と妹のようです
「んにー きょうはこのへんにしておいてやるー」
地べたに座り込みながら 国崎さんに向けて吼えるみちる
「それはこっちのセリフだ」
同じように座り込んで答える国崎さん
「んにーっ」
「うがー」
威嚇し合うみちると国崎さん
はあ 二人とも微笑ましくて可愛いです
「ふう やれやれ」
国崎さんは立ち上がって みちるに手を貸して立ち上がらせました
「みちる お前 ほこりだらけだぞ」
「んに そう?」
国崎さんの手を握ったまま 躰を見下ろすみちる
「ああ 石けん水を被ったまま 地面を転がってたもんな」
「んにー そう言う国崎往人も ほこりだらけだぞ」
「だろうな よし来い」
そう言って みちるの手を握ったまま 駅舎に向かって歩き出す国崎さん
仲のいい兄と妹という感じの ほのぼのとした風景です
「シャワーを浴びるぞ」
ピシッ(←ほのぼのとした雰囲気にヒビが入る音)
ほえっ
ちょっと 今なんて
「うん」
あっさり返事をするみちる
ええっ
ああ みちる どうして顔を赤らめているの
「じゃあ遠野 俺達はちょっとシャワー浴びてくるから」
「え あ」
呆然としている私を残して 駅舎に入っていく二人
しばらくして水音が聞こえ始めて
「ほら バンザイしろ」
「んにゃ」
ばしゃ ばしゃ
「にゃー くすぐったいよー」
みちるの声が弾んでいます
「我慢しろ 壁の方を向け」
「にゃーん」
じゃぶ じゃぶ ばしゃ ばしゃ
「にゃん にゃん にゃん♪」
「……………………………………………………………………」
な なんなんですか この雰囲気は
ま まさか 本当に二人は
いえ いくらなんでも
ああ だけど
ああっ ううーっ
「…はふん」
・
・
「く〜 く〜」
みちるが私のひざ枕の上で寝息を立てています
「がー ぐー」
駅舎にの壁にもたれ掛かって いびきをかいている国崎さん
結局 訊くに訊けず 未だに国崎さんとみちるの関係は謎なままです
「……」
まさか 本当に男と女の関係
案外 みちるがリードしていたり
はあ はあ はあ
い いえ まあ 冷静に考えれば そんなことはないでしょうけど
もう なぎーったらお茶目さん
「はふ」
溜め息混じりに苦笑して みちるの髪の毛を軽く撫でる私
と みちるがくすぐったそうに身じろぎをして
「にゅふふ お兄ちゃ〜ん」
「……」
マジ?
夢のコント劇場『お茶目な美凪さん』 おしまい
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星牙でございます。
マキ「マネージャーの小原マキです」
『Air』の人間関係で、往人とみちる嬢の関係ほど難しいものはないと思う。恋人、兄妹、親子…どれもピンと来ない。強いて言えば、友達か家族だね。
マキ「無理に形骸化させる必要はあるまい」
それもそうだけど。
でもまあ、みちる嬢はずっと美凪女史を支えてきたんだし、無条件に甘えられる相手がいてもいいんじゃないかなぁと思う今日この頃。
マキ「それはそれとして、そなた青少年保護条例とゆーものを知っているか?」
うん。でも大丈夫、田舎は閉鎖空間だから、官憲の眼も届かないヨ☆
マキ「ヨ☆じゃないっ!」
お読みいただきありがとうございました。
次回、なぎーの大冒険 第1025話 『炸裂! 超必殺なぎーバスター』にファイナルフュージョン承認!
これが勝利の鍵だ。 『お兄ちゃん』&『ねこ啼き声』
マキ「ワケ分からーん!」
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