愛の浪漫劇場『つやつやかのんえっくす 後編』

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 シャワールームの中に、たぷんたぷんと柔肉の揺れる音と、荒い息遣いが響いている。
「はぁ、はぁ…」
 俺は立ったまま名雪を背後から抱き締め、手を泡まみれにして名雪の両胸を揉み上げていた。
「あん、あんっ……、ああ…、祐一さんのえっち…」
「俺は洗っているだけだ。そっちが勝手に悶えてるんだろ」
「うふん…もう…祐一さんたらぁ…」
 名雪は困ったような、嬉しそうな微妙な微笑みを浮かべ、うっとりと躰を揺すっている。

 名雪の乳房は大きく張りがあって、柔らかくて、最高に揉み心地がいい。
「はあ」
 思わず溜め息を漏らしながら、名雪の胸を揉みまくる。
「ああん…」
 名雪も気持ちよさそうに喘ぎ、うっとりと肢体をくねらせている。

 固くなっている乳首を指先で弾く。
「あんっ! …んん…もう…だめですよお」
 やんちゃをする子どもを叱る母親のような、深い慈愛を込めた瞳で俺を見据える名雪。名雪と俺は同い年のはずなのに、どうしてこんなに深い母性を感じるのだろう。
「……」
 考える間もなく、また名雪の胸の魅力に溺れていく俺。
「あはん…もう、ダメって言ってるじゃありませんか…うふふ…」

 やがて、名雪の声が甘えたものに変わってくる。
「はあ、はあ…うぅん…、ああ…祐一さん…私、もう…」
 堪えきれなくなったのか、ぎゅっぎゅっとお尻を押し付けてくる名雪。
「どうした?」
 柔らかいお尻の誘惑に耐えながら、意地悪に訊いてみる。
「…はぁっ…。いじわるぅ…」
 名雪は呆れたように溜め息を吐き、首を振り向かせて唇を押し付けてきた。
「…ぅん…んんっ…、はぁっ…」
 休まず腕を動かしながら、名雪の唇を吸い返す。
「んぅ、んんっ……、…お、お願い…あ、愛して下さい……」
 ふるふると唇を震わせながら懇願する名雪。
「どうして欲しいんだ?」
 一気に貫きたくなる衝動を抑え、さらに意地悪に訊き返す。
「ううッ……」

 と、振り向いていた名雪の瞳が揺らいだかと思うと、
「…えいっ!」
 突然名雪が肩で押してきた。
「うわっ」
 不意を突かれ、シャワールームの床に仰向けに倒れ込む俺。
「…はぁっ、はぁっ…祐一さんが、祐一さんが意地悪するからいけないんですっ」
 髪を振り乱し、悲鳴のように叫ぶと、名雪は俺の躰に馬乗りになった。

「…はぁっ、はぁ……っ、…うぅんっ」
 名雪はもどかしげに躰を震わせながら、場所を合わし、一気に腰を下ろした。ぶちゅっと湿った音がして、下腹部が名雪に包まれる。
「うふっ、あああーっ! …あっ…、はぁ……っ」
 目元を潤ませ、うっとりと満足げなため息をもらす名雪。

「あ、ああ…ぁはぁ…」
 名雪はしばらくぼんやりとしていたが、やがてゆらりと躰を揺すって俺を見つめた。
「うふふぅ…」
 にんまりと凄艶な笑みを浮かべ、ガクンと腰を上下させる。
「うっ、く!」
 突然のショックに、呻き声を上げる俺。
「ふふふっ…。…んっ! ぅんっ、ぅんっ!」
 名雪は二度、三度と感触を確かめるように腰を上げ下げしていたが、やがて猛然と動き始めた。
「…はっ、あっ! はぁっ、あああっ! あはっ、あははぁっ!」
 愉しそうな笑い声をあげ、かん高い嬌声を響き渡らせる名雪。

 どん、どんっと全体重を掛けて体全体を跳ねさせる名雪の動きに合わせ、張った乳房がぶるんぶるんと弾んだ。
「あぅっ、あぅっ、あぅぅっ! んっく、ぅうぁあっ!」
 上半身を仰け反らせ、整った顔立ちを愉悦に歪ませながら、名雪はこれ異常ないほど嬉しそうに嬌声を上げている。
「はひっ、ぁひぃ…っ! うぅ、うぅんっ! はぁ、ぁはぁ…っ!」
 しばらくされるがままだった俺も、少し余裕が出てきた。
「はぁっ、ぁはぁっ…! あぁっ、ああっ!」
 名雪は恍惚とした表情で、腰を揺すっている。その動きに合わせて、大きく弾んでいる乳房を掴んだ。
「あんんっ! はっ、はぁっ……! あっ、ああん!」
 名雪はさらに嬉しそうに腰を揺すり始める。俺も乳房をぐいぐいと揉みたてながら、下から名雪を突き上げた。
「ぅくっ、くふぅっ! うっ、あぁーっ!」
 躰を仰け反らし、大袈裟に悶える名雪。しばらくすると、もう名雪はガクガクと腰を揺らしながら喘ぎ続けるだけになった。
「んぁっ、はぁっ、はぁっ、ぅあっ! …ぁふっ、ぅふぅっ、ふぅっ、ぅふぅっ!」

 ・
 ・

「はぁっ、はぁっ、はぁ、ぁはぁっ! …ああ、ああっ、あぁーん!」
 一際大きな嬌声を上げた名雪の躰が、大きく仰け反った。それと同時に、俺も名雪の中で力尽き果てる。
「う、くっ!」
「…アッ! …ん…うぅ〜…、……はぁ……っ」
 うっとりと身をよじらせ、最後の余韻を愉しむ名雪。
「……、…んふぅ…」
 名雪はくたっと全身を弛緩させ、俺に覆い被さった。
「…はぅ…。…うふふ…」
 俺の胸板に頬擦りをしながら、くすくすと笑っている。
「何がおかしいんだ?」
 俺が訊ねると、名雪はふんわりと微笑み、
「…うふふ…内緒です…」

 躰を這わせるようにしながら、胸元を俺の顔まで持ってくる名雪。
「ふふふ」
 目の前に、名雪の豊かな乳房がある。
「…大好きですよ、祐一さん」
 俺を優しく見下ろしながら、柔らかく微笑む名雪。恥ずかしくなった俺は、躰を転がせて名雪を組み敷いた。
「きゃっ」
 そのまま胸元にかぶりつく。
「あんっ! …もう、祐一さんたら…ふふっ」
 小さく歓声を上げる名雪の乳房に吸い付きながら、柔らかい躰を撫で回す。
「うふっ、うふふっ…、くすぐったいですよぉ…あっ、あんっ」
 やがて、名雪の声が艶めいてくる。
「はぁ、はぁ…、…ふふふ…えいっ」
 ごろんと躰を転がし、今度は俺が名雪に覆い被さられる格好になった。
「ふふっ…ゆ・う・い・ち・さんっ」
 名雪の細い指が伸び、耳たぶがかじられた。
「やったな」
 反撃で、名雪の火照った首筋に噛み付いた。
「あんっ。ふふふ…えいっ」
「あ、このっ……」
 ぶちゅっ。指先を名雪の蜜壷に差し込んだ。
「あんっ! …そっ、そこは、ずるいですぅ…」
「いいじゃないか」
 指を三本突き入れ、焦らすようにかき回す。
「ひあっ! …あふっ、ぅふぅっ! だっ、だめぇぇ」
 ごろごろとシャワールームの床の上を転がりながら、じゃれ合い続けた。

 名雪の蜜壷に差し入れた指をでたらめに動かし、肉壁を掻き回す。
「あっ、ああーっ! あ、あああっ! …はっ、ぁはぁっ!」
 ふにふにと柔らかい名雪の躰を押さえ付け、ところ構わず撫で回していく。
「ああっ、ああんっ! んっ、んはぁっ!」
 名雪の豊満な乳房に顔を埋め、乳首を吸い上げた。
「あっ、ああ〜!」

「あ、ああ…はぁ、はぁっ…」
 しばらくすると、名雪が荒い息を吐き始めた。
「あぁ〜…、ん、んっ…」
 しきりに躰を押し付けてきて、もどかしげに唇を這わせたり手足を絡めてくる。
「どうした」
「ううぅん……意地悪…」
 泣きそうな瞳で俺を見つめてくる。焦らすのも可哀想になり、
「じゃあ、四つん這いになってくれ」
「はいっ。…あっ」
 名雪はパッと嬉しそうに微笑み、すぐに恥ずかしげに目線を逸らした。
「………」
 可愛いすぎる。我慢できない。
「ていっ」
 名雪の腰を掴み、うつ伏せに寝転がす。
「あっ…ゆ、祐一さん?」
 怯えて振り返る名雪を安心させるようにキスをしてから、まん丸いお尻を撫で回し始めた。
「あ…、…あ〜…」
 もじもじとお尻を揺すりだす名雪。

 ふんわりと柔らかく、張りがあってすべすべしたお尻を飽きずに撫でていく。
「はぅん…あふ、あふぅ…」
 ゆらゆら揺れる名雪の股の奥から、つやつや光る蜜の滴が溢れ出ている。
「…はぁ、はぁ」
 頭の奥がくらくらしてきた。名雪の脇腹を掴み、場所を合わせる。
「はぁっ……」
 快感の予感に、恍惚とした表情を浮かべ、名雪が悩ましげな溜め息を吐いた。

「…行くぞっ」
 ぐぃっと名雪の中に押し入る。
「ぅくぁっ! ……あ、あっ……!」
 名雪がガクンと躰を突っ張らせた。
「ふぅ、ふぅ…」
 呼吸を整えて、名雪の中をかき回し始める。
「…あぅっ、あぃぃっ! ぅくっ、ふはぁっ!」
 躰を大きく前後に揺らし、全身で悦びを表現している名雪。肉がぶつかり合う音と、粘膜が絡み合う粘着音とが続き、
「んくっ、うっ、うっ……、……うぅあぁっ!」
 早々に名雪がイッた。
「…はぁ〜、はぁ〜…」
 シャワールームの床の上に突っ伏し、ぐったりとしている。
「…立つぞ」
「…はっ、はっ……え…?」
 俺の言った意味が分からず、ぼんやりと振り向く名雪。俺はそのまま立ち上がった。その拍子に、名雪の肉壁が大きくこすり上げられた。
「…ぅあっ、きゃぁぁーっ!」
 突然深奥をえぐられ、文字通り悲鳴を上げる名雪。

「…こっちに」
 名雪のお尻を掴んで、ぐいっと壁の方に向かわせる。
「あっ、あぃっ、うっ、ふぁっ……」
 名雪はくらくらと頭を揺さぶりながら、言われるままに壁の方によちよちと歩いていく。
「あ、あっ! ああっ!」
 一歩歩くごとに体内を揺さぶられ、名雪はビクンビクンと躰を震わせて、
「…あ、ああぁ…っ!」
 少し進むたびに、へなへなと崩れ落ちる。
「ほら、もう少しだ」
 脇腹に手を掛け、ぐったり脱力した名雪の躰を持ち上げ、わざと深奥をえぐるように腰を入れる。
「っ、きゃあああーっ!」
 躰をねじるように悶える名雪を、壁に向かって追い立てる。
「ほら」
 ぐいっと腰を回し、名雪の中で向きを変える。
「ひぅッ! …あ、やっ…、ここで、ここでぇ…」
 ふらふらと頭を揺らしながら、濡れた瞳を向け懇願する名雪。
「駄目だ」
 意地悪く言い、名雪の躰を押す。
「ぅあっ、きゃあぁぁ――っ!」
 悲鳴を上げる名雪を、ぐいぐいと壁に向かって追い立てていく。
「ぁいっ、ぃいぁっ…、…ふぃ、ひぅぅ…」
 意味の分からない言葉を呟きながら、ふらふらよちよちと壁に向かう名雪。

「…っ、はぁ〜、はぁぁ〜」
 ようやく壁に辿り着き、名雪は上半身全てで躰を支えるようにもたれ掛かった。
「…はっ、はや、く……ぅ…、…お…おねがい…祐一さん…」
 振り向き、理性の消し飛んだ瞳で懇願する名雪。
「ああ」
 うなずき返し、俺も遠慮なしに名雪の深奥に突き込む。
「ああっ、ぅああぁーっ!」
 綺麗な爪で壁を引っ掻きながら、呻くように嬌声を上げる名雪。

 ・
 ・

 肉がぶつかり合う音、粘膜が絡み合う音、名雪のかん高い嬌声が混じり合い、シャワールームの壁に反響している。
「はっ、はぁっ、はぁっ、はぁんっ! ふぅっ、うっ…、…〜〜っ!」
 シャワールームの壁に手を付き、大きく身悶えていた名雪の躰がピンと突っ張り、動きを止めた。俺を包んでいた柔肉が、ぎゅっと収縮する。
「……はぁ〜、はぁ〜…。…アッ!」
 肩で息をしている名雪のお尻を掴んで、思い切り突き込む。名雪はビクッと躰を強張らせ、ぶるぶると震えた。
「あ、あっ…。…ま、待ってっ。…少し、休ませ……あぅんっ!」
 振り返り、何か言いかけた名雪を無視して、さらに大きく腰を打ち込んで名雪の中をかき回す。
「…はっ、あぁっ! あっ、あぁっ! ああ、あーっ!」
 すぐに名雪も快感に屈し、自分からお尻を振って応えだした。
「あっ、あんっ、ああんっ、んぁっ、ああ〜!」

「…あっ、あぁーっ! …んっ、ぅんんーっ! ……うっ…はぁぁ〜」
 名雪がまたイッた。だが、俺は休む暇を与えずに、5度目、6度目と、名雪の躰を突き崩すように刺し貫く。
「あぁ、ああ〜! …もう、もうだめっ、だめぇっ! あっ、ああぁ〜!」
 頭を揺らしながら呻くように懇願する名雪を見て、さらに嗜虐心が煽られる。俺はさらに激しく名雪の中をかき回した。
「ああっ、ああーっ!」

 髪の毛を振り乱した名雪は、呻くように喘ぎ声を吐き続け、イきまくった。
「ああっ! ああ、ああぁ! あっ、あっ、あああっ! ぅああーっ!」
 絶頂の余韻に浸る間もなく、荒々しく内部を掻き回され、また快感の海に飲み込まれる。
「うぁっ、ああーっ! …ヒッ……う…、…くぅっ……!」
 ぶるっと腰を震わせ脱力し、崩れ落ちそうになる名雪の腰を掴み、また突き込み、打ち崩すように揺さぶる。
「…あん、あぁーん! …ぅいっ、いいぃっ!」
 名雪はぶるんぶるんと体全体を揺すり、意味の分からない言葉を口走っている。
「ぅあっ、あーっ! いっ、い…ッひゃうぅっ! ぅあっ、ああーんっ!」
 俺はもう何も考えずに腰を動かし、快感と名雪に全てを囚われていた。

 やがて、俺の方にも最後の限界が近付いてきた。
「うぁっ、あっ、ああっ! ああ、あっ…! だめ、だめ…っ…、…ああっ、あはぁーっ!」
 かん高い悲鳴を上げ、名雪が大きな絶頂を迎える。
「ううっ!」
 朦朧とする意識の中、俺は名雪の深奥に情熱を放った。
「あっ…あぁ…ん…、…熱い……」
 陶酔したように囁き、名雪の躰がガクリと崩れ落ちた。俺もそれに引きずられるように倒れ込む。
「…はぁ〜、はぁ〜、はぁ〜……」
 名雪は床の上に手足を伸ばしてうつ伏せになったまま、大きく肩を上下させている。
「……」
 無理をしすぎた俺も、かなり息がきつい。
「…うぅ…ん」
 悩ましげな溜め息と共に、名雪がのそりと身を起こした。
「…。…あ――…」
 床に座り込んだまま、ぼんやりとお腹に手を当ててさすっている。
「どうした?」
 俺が訊ねると、名雪はくすっと微笑み、
「…いいえ…。…ただ、お腹が空いたなぁって…」
「…ああ。俺もだ」
 苦笑して、重くなった躰を起こした。

 ・
 ・

「ふふふ〜ん、ふふ〜ん♪」
 可愛らしく鼻歌を唄いながら、いそいそと服を着込んでいる名雪。
「……」
 俺はぼーっとその後ろ姿を見ているうちに、また欲情した。
「……」
 引き寄せられるように名雪の後ろに近付き、
「ていっ」
「あっ!? ゆ、祐一さん?」
 背後から抱き締め、もう何度揉んだか分からない乳房をもう一度掴んだ。
「ああんっ。…だめですよ、祐一さん…もう帰るって…あはんっ」
 絨毯の上に押し倒し、着たばかりのブラウスのボタンを一つ残らず外していく。
「ああ…。いけませんよう…せっかくシャワーも浴びたのに…」
 言いながらも、さしたる抵抗を見せない名雪。俺は構わずにブラをたくし上げ、ふるふると揺れる乳房に吸い付いた。
「あんっ!」
 ビクリと躰を震わせる名雪の乳房を吸いながら、スカートの奥に指を突っ込んで、ショーツ越しに名雪の秘所に触れる。
「はぁあぁんっ」
 かん高い嬌声を上げる名雪を押さえ付け、ぐいぐいと指を動かして名雪の秘所を攻める。
「あっ、あはぁっ…、…だめ、待って…、…下着が、汚れてしまいます……ああんっ!」
 名雪の声を無視し、ショーツの下に指先を差し入れ、直接女唇に触れた。
「ぁんっ、ぁんっ、あぁんっ! …はっ、はぁ、はぁ…!」
 名雪の声が色めき、女唇から蜜が溢れだす。
「はぁ、はぁっ、ああ…! す、すごい、ドキドキします…!」
 うわ言のように、掠れた声で名雪が囁いた。

 スカートの奥から、ショーツだけを引き抜いた。
「ああッ…!」
 布きれを床に放って、名雪の足首を掴んで大きく開かせる。
「あっ、あっ…、…はっ、早く、早く…」
 誘うように下半身を振り、もどかしげに躰をくねらせる名雪。俺はためらうことなく、名雪の中に押し入った。
「んはぁぁーっ!」
 名雪は堪えきれず、愉悦の嬌声を上げた。俺は足首を掴んでいた手を離して、ゆらゆら揺れる乳房を掴み、強く揉みながら腰を動かし始めた。
「はんっ、ぁんっ、あぁっ…! んくっ、くぅぅ〜っ!」
 気持ちよさそうに顔をほころばせ、腰を振って応える名雪。ほっそりと長い両脚が俺の腰に回され、捕まえられた。
「はぁっ、んはぁっ、ああぁんっ! …ああ〜!」
 名雪の体内の柔肉がぐいぐいと俺の下腹部を締め付ける。
「あっ、ああ、ああ…、ああ―――っ!」
 早々と名雪がイッた。
「…はっ、はぁ、はぁん…」
 荒い息を吐きながら、うっすらと瞳を開け、くすりと蠱惑的な笑みを浮かべる名雪。俺は誘われるまま、激しく腰を突き入れ、名雪の深奥をえぐった。
「ぅあっ、きゃぁぁーっ!」
 ガクンと大袈裟に躰を震わせ、かん高い嬌声を上げながら名雪が弓なりに仰け反った。
「はっ、ふはぁっ、はぁぁーっ!」
 じたばたともがくように手足をばたつかせる名雪の乳房をもみくちゃにしながら、ぐいぐいと腰を打ち付ける。
「んはぁっ、はぁっ、んはっ、あっ、んひぃっ!」
 名雪を押し倒して、無理矢理に犯しているかのような倒錯した光景と快感で、頭の芯が痺れたようになり、何も考えられなくなる。
「あ、あ――ッ! …っ、…はひっ、ひぃっ、ぃいっ…! うあっ、あぁーんっ!」
 名雪ももう何を言っているのか分からない。
「…うっ、うっ、……!」
 俺は頭の中を空っぽにしながら、名雪の躰に溺れていった。

 ・
 ・

 ホテルを出ると、周囲はもうまっ暗だった。
「暗いな」
「ええ…。タクシーを呼びましょうか?」
 ここから家まで歩いてどれくらいかかるか覚えていないが、荷物はあるしお互いにガタガタに疲れ切っていたのでそうすることにした。

 駅の近くまで出てタクシー乗り場で待っていると、すぐに来た。
「三丁目の方まで、お願いします」
「はい」
 タクシーに揺られて夜道を行く。10分ほど進んでから、
「この辺りでいいです。これ以上行くと、Uターンはご面倒でしょう」
「すみませんね、お客さん。ありがとうございます」
 運ちゃんは頭を下げて、料金を安くしてくれた。

 タクシーを見送り、荷物を持ち上げる。寒さが身に染みてきた。
「行くか」
「はい」
 雪の降る中を、二人並んで歩き出した。

「そう言えば、支払いとか全部そっち持ちだったな」
 ホテルでの支払いとタクシー代、結構な額なはずだ。
「気にしないで下さい」
 相変わらず、柔らかく微笑みながら言う名雪。
「そういうわけにもいかないだろ」
 仕送りが来たら、せめて半分は払った方がいいだろう。
「いいんですよ。一応、お給料もいただいている身ですし」
 ……………給料?
「バイトしてるのか?」
「いいえ。普通に雇っていただいています」
 え?
「名雪、高校に行ってないのか?」
 と、名雪は頬に手を当てて微笑むと、
「何をおっしゃっているんですか、祐一さん。私は、秋子です」













   


















               刻が  停まった



「…………………………………………アキコサン?」
 名雪って、アキコサンって名前だったっけ? などと軽く現実逃避をする。
 秋子さんって言うと、お袋の妹で、名雪の母親で、俺が今日から世話になる家の家主さんで、俺の叔母さん………。
「はい」
 ほぇっと微笑む名雪…違う、秋子さん。
「うふふ。やっぱり、祐一さんは私を名雪と勘違いなさっていたんですね」
 何か言っているが、今の俺の耳にはなんの音も聞こえない。
「駅でお逢いしたときから、もしかしたらと思っていましたけれど…」

 じゃあ俺は、実の叔母相手にあんなに何度も何度も何度も何度も…目隠ししまでしたり…服を着せたままでしたりしたのか!? (←反復表現に非ず)

「困りましたね。どうしましょうか」
 全然困っているようには見えないです、秋子さん。
「取り敢えず、家に帰りましょう」
「……」
 また腕を引かれていく俺は、屍状態だった。

 程なくして、一軒の家に辿り着いた。
「ここです」
「……」
 何も考えられなくなっている俺は、ふらふらと秋子さんに付いて行く。秋子さんがポケットから鍵を取り出し、ドアを開けて家に入った。
「ただいま帰りました」
 言いながら、ぱたぱたと玄関を上がる秋子さん。

「やっぱり、名雪はもう寝てしまっているみたいですね」
 秋子さんがテーブルの書き置きを見て呟いた。
「あの子は、祐一さんが帰ってくるって聞いて、とても喜んでいたんですよ」
「はぁ」
「…私も、悦んでいましたけれど」
「………」
 いきなり艶めいた微笑みを浮かべないで下さい。って言うか、字が違うんじゃ…。

「祐一さん、お風呂に入りますか? それともご飯ですか?」
 なんだか夫を出迎えた妻のよーなセリフを言う秋子さん。
「……いえ、もう寝ます」
 あらゆる意味で疲れていた俺は、もう眠りに逃避するしかなかった。
「そうですか。じゃあ、お部屋はこちらです」
 言いながら、二階に上がる。俺はその後をふらふらと付いて行った。
「……」
 階段を上がりながら目線を上げると、秋子さんのふっくらしたハート型のお尻が見えた。
「……」
 このお尻の誘惑に負け、俺は…ッ。

「ここです」
 電気を点けて部屋に入ると、ベッドや本棚、要り用な物は一通り揃えられていた。
「どうも、ありがとうございます…って、なんで脱いでいるんですかっ!?」
 ホテルでしていたのと同じような手際のよさで、するすると服を脱ぐ秋子さん。
「うふふ」
 下着姿になった秋子さんはベッドに入って、にっこり微笑んだ。
「夜は寒いですよ」
「はぁ」
「寒いときには、肉布団ですっ♪」
 と、秋子さんは俺の腕を引っ張った。不意を突かれて、ベッドに倒れ込む。
「うわっ! あっ、ちょっと………むぐ!」
 ぎゅうっと胸に顔を埋めさせられ、呼吸困難に陥る俺。
「はぁ…。私、まだ燃え足らなかったんです。うふふ、今夜は眠らせませんよ?」
 えっ、あんなにしたのに、まだ…と思う間もなく、服が脱がされていく。
「うわあああ」
























 雪

 雪を見ていた





「ダメですよ祐一さん、現実逃避なんてしたら」
 ぎゅっと下腹部を握られ、現実に引き戻される。
「ぐわっ」
「うふふふふ………」

 俺のこれからの生活はどーなるんだろーか。
「はぁ、幸せ……」
「ヒィ――」

                                         愛の浪漫劇場『つやつやえっくす』 おしまい

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 星牙でございます。
マキ「マネージャーの小原マキです」

 暴走過多です。
マキ「分かっているならするな」
 むい。許してつかあさい(似非広島言葉)。『普通、気付くだろ』等の突っ込みはご遠慮下さいませ。

 お読みいただきありがとうございました。
マキ「それでは、ご機嫌よう」


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