愛の浪漫劇場『お茶目な秋子さんねこねこ編 完結編』
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「はふぅ」
まだ頭がくらくらします
祐一さん お若いですから 勢いがすごくて
私も不完全燃焼でしたから つい祐一さんに応えてしまって
うふふふふふふ
まあ それはそれとして 例のジャムの処理ですね
下水に流したら 何が起こるか分かりませんし
土の中に埋めたりしたら それこそ周りの植物にどんな影響が出るのか 考えただけで恐ろしいです
うーん うーん
仕方がないですね
一息に食べて 白ジャムですぐに中和するしかありません
出来ればそれだけはしたくありませんでしたけれど 私が作った以上は責任を取らないと
幸い 手掴み鍋にあるだけですので ちょっと気合いを入れれば食べられる量です
祐一さんはお休みしているみたいですし 今がいい機会です
「ふう」
赤ジャムの入ったお鍋の前で深呼吸をして 精神統一をしました
「ふぁいとっ ですっ」
いただきますっ
ぐいっ がぶがぶ がぶがぶ
んぐっ
「ぷはっ はあっ はあっ」
食べちゃいました
後は 身体が変わってから 白ジャムを食べればいいだけです
ビクンッ
「んはぁっ」
あっ ああ き 来ましたぁ
ビクッ ビクンッ ドクンドクン
「んぁっ あぅっ あっ んきゅっ」
あっ あっ あはんっ
りょ 量が多かったからでしょうか か 身体の疼きが大きいです
ドクドクドクドクドクドク
「はっ んぁっ あはぁっ はぁっ はわぁっ」
くっ うぅっ あっ ああっ
た 耐えるのよ秋子
「ひぁっ あっ あんっ んっ んぁぁっ」
ひゃあああ ああっ あっ ああ
「あ――――………」
・
・
「ふにゅう」
ん んん
ここは ええっと
あ 思い出しました
「はあ」
覚悟を決めていたとはいっても やっぱりすごかったです
さてと 後は白ジャムを食べて任務完了ですね
よいしょ
あら どうして私の手 普通の指のままなんでしょうか
手も足も胸も 人のままです
変ですね 猫さんになっていません どうしてでしょう
ぴょこん
「?」
いま何かが視界の隅をよぎりました
ぴょい ぴょい
な なんだか変です お尻のところに違和感があります
振り向いて見てみますと
スカートの中から
毛並みのいい 尻尾が一本
「………」
これはいったい なんなんでしょう
いえ まあ 尻尾だということは見れば分かるんですけれど
どうして 私のお尻から尻尾が
冷静に考えた場合 猫さんになり損ねたという判断が自然です
でも どうしてなんでしょうか
はっ もしかして
既に一度猫さんになった私には 何かしらの抗体が出来ていて それでジャムの効き目が弱かったということでは
あああ そんな
って 別に悲観することじゃありませんね
これで白ジャムを食べてしまえば 考えていた通りではないにしても 結果は同じです
「はあ びっくりしましたにゃ」
はっ?
「にゃ にゃんですにゃ」
えっ えっ
「にゃっ にゃっ にゃんで 『にゃ』がっ」
(なっ なっ なんで 『にゃ』がっ)
言葉の端々に 『にゃ』が自然に付いてしまいます
ああ ああっ い いい歳をして 『にゃ』 なんてっ
ああああっ は 恥ずかしいですっ
「はにゃあ」
はぅ ぐったり
尻尾を生やして 『にゃ』なんて
あ 『皆瀬秋子シリーズ』に似たようなシチュエーションがありました
ええと あれは確か『情欲メイド』いえ『情欲ウェイトレス』 って真剣に思い出そうとしてどうするんですか
「はにゅう」
今の私はどんな姿になっているんでしょう
ちょっと興味が湧いてきました
自分の姿を見てみてから元に戻っても 遅くはありませんよね
鏡で見てみましょうか
てしてし (←猫のときの癖で足音を忍ばせている)
洗面所の鏡の脇に立ちました
髭とか生えていたら嫌ですね ドキドキ
ひょい
「にゃ」
耳
猫耳が頭の上に ちょこんと乗っかっています
力を入れると ぴこぴこ動きます
ちょっと可愛いかもしれませんね
ぴこぴこ ぴこぴこ
「うふふ」
軽く科(しな)を作って
「うにゃあぁぁん」
色っぽくのどを鳴らしてみたり
ああん もう私ったらっ
「秋子さん?」
「うにゃああーっ!」
ああっ びっくりしました
いつの間にか祐一さんが 扉のところから 私を見ていました
「あ 秋子さん その格好は」
はっ
考えてみれば 祐一さんに 私が猫さんになっていたことを話していませんでした
いえ だって 先程は祐一さんが激しくて 私もつい夢中に ごにょごにょ
それで 言いそびれていたんです
「にゃっ にゃあっ ちっ 違うんですにゃ これは ええと ええと にゃー にゃー」
あたふた あたふた
「……」
ああっ 祐一さん どうしてまた思い詰めたよーな表情で近付いてくるんですかっ
「あ あの 祐一さん? にゃ」
「……猫耳ーっ!」
がばっっっ
「にゃあっ」
あっ そんなっ
あ あっ あっ
「…………………………………………………………………………………………にゃん♪」
・
・
「ふにゃあん」
すりすり
「あ 秋子さん?」
「にゃ〜う にゃう〜 にゃあ〜ん ふにゅ〜 ごろごろ」
すりすり すりすり
「う ううっ うおーっ」
がばっ
「にゃん♪」
やっぱり猫も悪くないです
あっ ああっ ああんっ
「にゃん にゃん にゃん♪」
愛の浪漫劇場『お茶目な秋子さんねこねこ編』 おしまい
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星牙でございます。
マキ「マネージャーの小原マキです」
…『えっちぃでない文章を書こう』と思って描き始めたのに、気が付けばスンゴイ代物になっていました。みちる嬢のねこ啼き声の破壊力が小生に残した影響は大きかったようですな。
マキ「淡々と分析するな」
うぃ。文脈の流れに任せていたら、ごく自然な成り行きで裸エプロンぷれいに移行してしまったし。
マキ「どこが自然じゃああーっ!」
ごく自然だヨ。
マキ「ヨじゃないーっ!」
裸エプロンを見所とするか、ねこ耳ねこ尻尾を見所とするかは、読者諸兄の皆々様にお任せします。
お読みいただきありがとうございました。
マキ「それでは、ご機嫌よう」
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