愛のコント劇場『お茶目な秋子さん 妻みぐい編』
※えっちです。
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「ふふふん ふふん ふふん♪」
日曜日の早朝 台所でご飯の準備中です
今日は名雪も祐一さんもお昼前までお休みでしょうから 朝食兼お昼ご飯ですね
サラダの準備が出来ました
後はお肉を炒めて 用意はお終いです
「ふう」
まだ七時過ぎです 名雪も祐一さんもまだお起きにならないでしょう
今から作り置きをしておきますと 冷たくなってしまいますね
少し時間を潰しましょうか
こういうときは 読み物に限ります
「ええっと」
ごそごそ
私のスカートのポケットには いつも文庫本が入れてあります
はい ありました
ひょい
『皆瀬秋子情欲シリーズ54 情欲未亡人第四夜 〜嬌悶叔母〜』
ごふっ
な な なんで どうして こんな本が
いえ まあ 私が買って 入れておいたに決まっていますけれど
「はあ」
本屋さんで並んでいるのを見掛けると ついつい買い求めてしまうんですよね
最近は店員さんが気を利かせて 「新しいのが入っていますよ」 なんて教えて下さいますし
自分が間違った道を 歩んでいるような気もしますけど
まあ いいでしょう これでも読み物は読み物です
他の本を持ってくる手間も勿体ないですし 読みましょう
・
・
日曜日の早朝、まだ空に宵の名残が残るころ、皆瀬家の台所に秋子の姿があった。
「ふふふん、ふふん、ふふん♪」
肉の焼ける芳ばしい匂いの漂う台所に、愉しげに口ずさまれる鼻歌が響く。
「るんららら、るるらら〜♪」
甲斐甲斐しい仕草で、広い台所を所狭しと動き回り、朝食の準備を進める秋子。皆瀬の家では日常的な、朝の風景である。
二階の奥の部屋のドアが開く音がして、次いで階段を降りてくる足音がした。
「おはようございます、秋子さん」
居間と台所を繋ぐ簾を持ち上げ、祐一が顔を出した。
「あら、おはようございます、祐一さん」
秋子はほんの僅かに驚いた表情を浮かべてから、柔らかな微笑と共に挨拶を返した。
「今日はお早いんですね。何かご予定があるんですか?」
「いえ、特にないんですけど。何となく眼が覚めて」
「そうですか」
ゆったりと落ち着いた笑顔を返す秋子。
祐一は小鼻を鳴らして、匂いを嗅いだ。
「いい匂いですね」
祐一の子どもっぽい発言に、秋子の顔が母性的にほころんだ。
「あらあら、うふふ。お腹が空いてらっしゃるんですか?」
祐一は気恥ずかしそうに頭の後ろを掻きながら、
「ええ、実は少し」
「まあ、祐一さんたら」
秋子はほほに手を添え、穏やかな微笑みを浮かべた。
「ええと…それで、少しつまみ食いしていいですか」
遠慮がちに言葉を選びながらそう訊ねた祐一に、秋子はにっこりと柔らかく微笑んで、
「ええ、どうぞ」
「ありがとうございます」
祐一は礼を言うと、秋子の後ろに回り込んだ。
「じゃあ、いただきます」
言うが早いか、祐一は秋子を背後から抱きすくめた。
「あっ!? ゆ、祐一さん?」
驚いて肩を震わせながら、肩越しに振り向く秋子。
「な、何をなさるんですか…あっ!」
カーディガン越しに乳房を揉み上げられ、秋子の言葉が引きつる。
「何って、つまみ食いですよ」
平静を装って答えながら、休まず手を動かし、秋子の熟れた肢体を余すところなく撫でていく祐一。
「そっ、そんな…あっ…ん…ああ」
秋子の躰がわななき、瞳が熱く潤む。唇から、うっとりとした吐息が漏れ出た。
「はぁん…うふふ、もう、祐一さんたら…」
秋子はとろけるような甘い媚笑を浮かべ、コンロの火を消した。
天窓から朝の弱い陽が射し込む中、衣擦れの音と、押し殺した喘ぎ声が響く。
「…はぁんっ、あぁんっ、あんっ、はぁっ、はぁっ、あっ、あぁんっ…」
秋子はシンク台に手をついた格好で、祐一に背後から愛撫を受け、甘い啼き声を上げていた。
「あっ、はぁっ、ぁはぁ…」
秋子の豊熟した乳房がブラウス越しに揉みしだかれ、たゆたゆと揺れ動く。
「はぁあっ…あ、ああっ、あんっ」
じょじょに紅く上気していく秋子の美貌に、情婦の表情が浮かび上がった。
「はぁ、はぁっ、ぁはぁ、はぁんっ…んん」
秋子の躰をまさぐっていた祐一の手が下にずらされ、スカートに伸びる。
「あん…うふふ」
秋子は顔を伏せて恥じらいながら、快楽の予感に顔をほころばせ、媚笑を浮かべた。
スカートの中に突き入れられた祐一の指が、秋子の秘部に触れた。
「ああっ…んっ、んん」
「…秋子さん」
見当を付けて、人差し指で秘部をくすぐる祐一。既に昂ぶりを抑えきれなくなっている秋子のそこは、ショーツの生地越しにでもはっきりと分かるほど熱く火照っていた。
「あっ、あぁっ…あ、あんっ」
歓声が上がり、秋子の躰がくねくねと悶える。祐一は不自由な体勢で指を動かしながら、秋子の耳元に口を寄せて、
「熱くなってますよ、秋子さんのここ」
「ああん…」
耳たぶに息を吹きかけられ、官能に身を打ち震わせる秋子。
「…ん、…うふふ…祐一さんに…召し上がっていただくんですから…アッ! …あ、あ…冷えていては、申し訳ありませんし…んっ、うぅんっ、ああっ」
秋子は肩越しに祐一の顔を見つめながら、上擦った声で呟いた。
「じゃあ、熱いうちにいただきます」
「はっ、はぁ、はぁい…め、召し上がって、下さい…あっ♪」
快楽の予感に、秋子の細腰がわなないた。
祐一の手がスカートの中から抜かれ、腰に移される。
「…ん」
僅かに間を置き、スカートが床に落ちる。薄紫色のストッキングに覆われた下肢と、紫紺色のショーツが露わになった。
「はぁあ…」
開放感に、秋子の唇から淡い吐息が漏れ出る。祐一はその間に空いている手を使い、ブラウスのボタンを外していった。
「あ、あんっ…んん」
ブラウスのボタンを一つ一つ外されながら、秋子は焦れったそうに眉根を寄せ、低い喘ぎ声を漏らした。
「はぁっ…祐一さん」
また肩越しに振り向き、祐一に呼び掛ける秋子。
「はい?」
秋子は情欲の熾き火に煌めく瞳で祐一を見据え、
「…服、破いてください」
「え? い、いいんですか」
秋子の美貌に凄艶な媚笑が浮かび、こくりと首肯される。
「……っ」
祐一の中で、獣性が爆発した。
「あっ、秋子さんっ」
ブラウスの襟に掛けられた祐一の腕が、一瞬の躊躇いの後、一息に引き下ろされる。生地が引き裂かれ、ブチブチとボタンが弾け飛び、床に落ちた。
「あっ、あぁん」
荒々しい仕草に官能を刺激され、淫らに腰を揺する秋子。
「はぁ、はぁっ、ああ…」
祐一はブラウスの前を開き、胸元をはだけさせると、ブラジャーを捲り上げた。真珠色の肌に包まれた乳房が、大きく揺れ動きながらさらけ出される。
祐一は秋子の乳房を鷲掴みにし、厚みのある乳脂に指先を埋めると、荒々しく揉みしだき始めた。
「あっ、ああっ! …あふっ、ふうっ…ああんっ!」
一瞬、秋子の顔が痛みにしかめられたが、火照った躰はすぐにその刺激を快楽に変換し、秋子の情炎を燃え上がらせる。
「あっ、はあっ、あっ、あ、ああ…っ! あっ、ああっ!」
秋子は躰を前後に揺すり、愉悦の表情を浮かべながら、上擦った喘ぎ声を上げた。
ひとしきり乳房を捏ね回した祐一は、秋子の躰に覆い被さったままストッキングに指を掛け、一気呵成に引き裂いた。
「あ、ああっ!」
使い物にならない布切れにされたストッキングが、床に放り捨てられる。
「…はぁ、はぁ、うふふっ…」
上擦った喘ぎ声を上げ、疼くように腰を揺する秋子。円熟した尻臀が誘うように振られ、ショーツの中心に染みが拡がった。
「ふぅ、はぁ、はぁ…ゆ、祐一さん、早く」
「は、はい」
ショーツを降ろす手間も惜しみ、脇にずらして秋子の秘部を露わにする祐一。
「あんっ…うふふ」
祐一はもどかしげに下腹部をさらけ出し、場所を合わせ、ショーツの隙間から秋子の蜜壷に突き入れた。濡れた粘膜が絡み合う、独特な水音と共に、秋子と祐一の躰が繋がる。
「んっ、うぅんっ! あ、あっ、あぁーんっ!」
秋子の躰が弓なりに仰け反り、澄んだ嬌声が空気に溶ける。
「…う、ううっ!」
眼も眩むような快絶に、祐一の唇から呻き声が漏れた。
熱く火照った媚肉が、祐一のものを柔らかく締め上げる。
「ぐっ…す、吸われる…っ」
絡み付いた粘膜が祐一をくわえ込み、より奥へと導くように、痙攣しながら蠕動する。
「う、ああっ」
堪らず躰を前屈みに倒し、秋子の深奥を突き刺す祐一。
「ひぁ、あっ、あぁあーっ!」
勢いよく深奥を突かれた秋子の肩がわななき、かん高い嬌声が響いた。
「はぁっ、ああっ、あぁんっ…」
秋子はふらふらと首を振り向かせ、情欲に屈した瞳で祐一を見据えて、
「はぁ、はぁ…う、動いて…下さい…」
掠れた声で懇願され、祐一の理性の糸が完全に千切れた。
「あ、秋子さん…秋子っ」
祐一は前屈みで秋子に覆い被さった体勢のまま、名前を呼ばわり、荒々しく腰を動かしだした。
「あっ、あっ、あぁっ、あんっ、あぁんっ! …んっ、ゆ、祐一さん…ああっ!」
秋子は愉悦の表情を浮かべ、祐一を自らの体内奥深くまで受け入れるように、腰を揺すり始めた。
・
・
「はふん」
私は本を取り落としそうになりながら 溜め息を吐きました
ど どうして 選りに選って 今の私とまったく同じ状況なんですかっ?
いえ 日曜日の早朝 ご飯の準備をしている ということだけですけど
でもでも 何か類似性のようなものがあるのでは
と言うことは きっとこの後 私は祐一さんと
うふふふふふ♪
違います
ええと つまり その 私が言いたいのは
服を破られてしまうのは あまり嬉しくありません そうじゃありません
一枚一枚 丁寧に脱がされることで 気持ちが徐々に昂ぶっていくんですから そうでもありません
でも強引に破かれるのも 燃え上がりそうな予感が そうでもありませんっ
ああああ
ですから ええと
破かれても構わない服に 今から急いで着替えて 違いますっっっ
「はふん」
皆瀬秋子さんが ふしだらということです
合っていますよね ええ
後ろから求めてきた祐一さんを受け入れてしまうなんて
私にだってそれぐらい出来ます
違います
いえ 受け入れられないと言うことではなくて
勿論 悦んで迎え入れ あああん 違いますっ
ええと ええと
後ろからしていただくのも素敵ですけれど 抱っこしていただいて前からのほうが
ああああん ちーがーいーまーすーっっっ
はあ はあ 秋子さんのことはもういいです
祐一さんは 朝から私を求めてきたりはなさいません
朝だけでなく 昼も夕方も夜も 全く 一切 ちっとも これっぽっちも
ううう 私って そんなに魅力がないんでしょうか
くすんくすん
確かに 私と祐一さんは 二回り以上年齢が離れていますけれど
でも まだまだ現役のつもりです
抱いていただけさえすれば 祐一さんも私の良さを知って 熟れた肢体の虜に
あーあーあーあーっ そうじゃありませーんっっ
「はふん」
いけません 私 錯乱しています
こういうときは 落ち着いて読書に耽りましょう
・
・
「あっ、ああっ、あぁんっ、あっ、ぁふぁっ、ふぁっ、ぁはぁんっ!」
乱暴に腰を揺する祐一に体内をかき回され、秋子は快楽の直中にいた。
「あっ、あはっ、ぁはぁっ、あっ、あぁんっ! …ゆ、祐一さっ…んんっ、んはぁっ、はぁっ、あぁあんっ!」
情痴に彩られた美貌に満面の媚笑を浮かべ、更なる快楽を求めて自分から腰を揺する秋子。
「はあ、はあ、秋子さん…っ」
祐一も秋子の熟れた肢体がもたらす快楽の虜になり、うわ言のように秋子の名前を呼びながら、乱暴に腰を突き出し、肉棒で秋子の蜜壷を撹拌する。
「はぁっ、はぁっ、ぁはぁっ、はぁっ、あっ、あっ、ああ…っ!」
祐一の腰が大きく突き出されたのと同時に、秋子の躰がわななく。子宮口をえぐられ、秋子の脊髄を電流が走った。
「あぁっ、はぁ、はぁあっ! …あっ、ああっ、あぁんっ、あんっ、あんっ、あぁあぁあーんっ!」
秋子の唇から震える嬌声が迸り、うつ伏せに丸められていた背筋が弓なりに仰け反る。剥き出しにされた乳房が、丸い形状を保ちながら、ぶるぶると弾む。
「う、うっ!」
搾り上げるような蜜壷の脈動に耐えきれず、祐一は唸り声をあげて腰の力を抜いた。眼も眩むような快絶と共に、祐一の情熱が秋子の深奥に注ぎ込まれる。
「あっ、ああっ、あっ、んん…っ!」
一番深い部分に熱い迸りを受け、秋子の躰が悦楽に打ち震えた。
「あぅっ、ふぁうっ、あぁうっ…うっ、んんっ…あ、熱い…」
薄く開いた秋子の唇から、うわ言のような呟きが漏れ出る。
「う、う…ふうう」
秋子の体内に精を注ぎ終えた祐一は、半ば放心状態になりながら、のどの奥で呻いた。
「あ、ああ……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ぁはぁ…」
秋子もシンク台に顔を伏せ、体全体を突っ伏すようにして、大きく息を吐いた。
「はあ、ふう、はあ…」
秋子と祐一は、快絶の余韻に浸り、しばらく身動きを出来ずに、絡み合ったまま呼吸を整えた。
「…んっ…く」
祐一が軽く頭を振りながら、腰を引いて秋子から離れた。繋がっていた部分が、名残惜しげな水音を立てて分かたれる。
「あっ、あぁ…んん」
うつ伏せになったまま、甘い喘ぎ声をあげる秋子。突き出されたままのお尻が、ゆらゆら左右に揺れる。
「ふう…ご馳走様でした、秋子さん」
満足げな声で、秋子に礼を言う祐一。
「ん…ふ」
ふらりと顔を上げた秋子は、うっとりと微笑み、『お粗末様でした』と言おうとしたところで思いとどまった。
秋子はおぼつかない足取りで躰を起こして、祐一に向き直った。
「あら…まだですよ?」
赤く上気したほほに手を添え、可愛らしく小首を傾げる秋子。
「え?」
「…うふふ」
秋子はひざの上に絡まってまとわりついていたショーツをわずらわしそうに脱ぎ去り、床に放ると、緩慢な動作でシンク台に腰掛けた。
「あ、秋子さん…うっ」
祐一の眼前で、秋子の下肢が大きく開かれる。
「ほら…まだ、食べ終わっていないじゃありませんか」
上目遣いに祐一を見据えながら、挑発するように囁く秋子。
「うふふっ…祐一さんはお若いんですから、まだまだ召し上がれますよね?」
秋子は濃い薔薇色に火照った美貌に満面の媚笑を浮かべながらそう囁くと、人差し指と中指で秘部を左右に押し開いた。
「食べ残しは、いけませんよ? ゆ・う・い・ち・さん」
「…っ」
祐一の頭の奥で、何かが弾ける。
「あ、秋子さんっ」
祐一は欲望に双眸をぎらつかせながら、むしゃぶりつくような勢いで秋子に飛び掛かった。
「あんっ」
祐一は秋子の腰を抱え上げると、一瞬の躊躇もなく、再度秋子の躰を貫いた。
「あ、あっ、あぁーっ! …はぁっ、はぁっ…た、食べてっ…私を、全部…ああっ!」
荒々しい挿迭が開始され、秋子の躰がシンク台の上で跳ねる。
「あっ、あっ、あぁうっ! ああっ、あぅっ、ひぁっ、あっ、あっ、あぅっ! あぅ、はぅ、ひぅぅ〜っ!」
嬌声と共に弱々しく腕を振り回して、宙を掻く秋子。調味料の瓶が弾き飛ばされ、床に転がり落ちたが、二人の注意を逸らすことはなかった。
・
・
ぼけー
「はふん」
どさっ
「きゃっ」
痛いです 思わず卒倒してしまいました
はぅぅ
流し台を支えに よろよろと起き上がりました
「ふう」
ああ もう
皆瀬秋子さん なんて羨ましい
私だって 祐一さんに美味しく召し上がっていただきたいです
勿論 躍り食いでも 犬食いでも 立ち食いでも 何でも お好きな召し上がり方で
熟れ具合には自信がありますし
あっ でも 鮮度という点に関しては 少し不安が
ああああーっ ぜ 全部 違いますっっっ
がんっ どかんっ ばごっ
流し台に頭突きをして頭を冷やしました
「ふう はあ ふう」
この上に乗せられて そのまま祐一さんに 荒々しく何度も何度も
「ああああーっ」
がすっ ごすっ がつんっ
「はあ はあ はあ はあ」
ガチャ
びくっ
い 今 二階でドアの開く音が
トントントントン
ああああっ 階段を降りる足音がっっ
まだ七時半です 名雪も祐一さんも 起きて来るには早い時間です
「はっ」
ま まさか 祐一さんが
私を つまみ食いに
わーい るんらら〜♪
じゃありませんっっっっ!
ひっ ひぁ ひゃえええ
ど ど どうしましょうか
祐一さんが求めてきたら
勿論 悦んで迎え入れ 違います
熟れ具合には自信が 違います
躍り食い 犬食い 立ち食いは了承ですけれど 叩きは跡が残りますからお断りします 違います
お代わりは 何度でもご自由にどうぞ 違います
お持ち帰りも 遠慮なくどうぞ 違います
あああっ わ 私 錯乱しています
ぺたぺたぺた
ひゃあああっ そうこうしているうちに 足音が すぐそこまで
あわ あわ あわわ
「お母さん お水ちょうだい」
どがしゃーんっ
「わ お母さんが飛んだ」
「はううっ」
あ ああ 痛い 痛いです
頭から流し台に突っ込んでしまいました
「お母さん 大丈夫」
「え ええ 平気よ名雪」
よろよろと立ち上がって 名雪に微笑みかける私
「ああ よかった」
名雪はほにゃっと柔らかく微笑んで
「ところで どうして飛んだの?」
びくっ
「ええと あの こ これは その」
あ あう あう あう
「ふ 風水 そう 風水学的な儀式よ」
「そっか 風水だったら仕方ないね」
どうしてそれで納得できるの 名雪
でも どうにか誤魔化せて 一安心です
「名雪 お水だったわね」
「うん」
「ちょっと待っていてね」
コップを用意して 水を注いでいますと
「さっきのは何の音ですか」
眠そうな顔をした祐一さんがいらっしゃいました
「あ 祐一 おはよう」
「おう おはよう」
「さっきのは 風水だよ」
「ふーん」
あっさり納得する祐一さん それでいいんですか
「おはようございます 秋子さん」
「あ おはようございます祐一さん」
どきん
あぅ
祐一さんのお顔を見た途端 また お腹の奥が熱く疼き げふんげふん
「お母さん 顔が赤いよ」
ぎくっ
「そ そんなことないわよ 気のせいです」
「気のせいじゃないよ」
ああっ 名雪 普段は呑気にのほほんとしているのに どうしてこんなときばかり鋭いの
「ねえ 祐一も赤く見えるよね ほら」
「言われてみれば そうだな」
ひええーっ お 追い込まれていきますぅぅ
「あ あの」
「あっ ひょっとしてお母さん 躰がよくないのを わたし達に隠そうとしてるの?」
「え」
「秋子さん 俺達を心配させないために無理してるんですか」
え えっ えっ
あ ああっ 違います そんな殊勝な心がけじゃありません
顔が赤くなっているのは 私が祐一さんのお顔を見て 発情し
ひゃわああああん 違うんです 今のは無しですっ
「わっ お母さんの顔が 真っ赤に」
ひ ひええ
「秋子さん やっぱり無理してるんですね」
「あっ い いえ あの これは」
「わたし達が気を遣いすぎないように 平気な素振りをしてみせているんだね」
ですから 違うんです
ああ でも名雪と祐一さんの尊敬に満ちた瞳を裏切るのも 心苦しいですし
「分かったよお母さん もう余計なことは聞かないよ」
「秋子さん 今日は一日 ゆっくり休んでください」
ああん ですから私は そんな心配していただけるような女じゃないんですってば
「よし名雪 先ずは朝飯の用意だ」
「がってんだよっ」
ふにゃっとガッツポーズをとる名雪
「お母さんは居間で待っていてね」
はうう もう仕方ありません
「わ 分かりました じゃあ頼んだわね」
「うん お任せだよ」
名雪はコンロの前に立って
「あれ この本 なあに」
「え ああっ」
どひゃあーっっっっ
あ ああ 本を仕舞うのを忘れていましたぁぁ
「ええっと みなせあきこじょうよくしりーず54 きょうもんしゅくふ」
ひぇああああ 読まないでぇぇ
「秋子さん こういう本を読んでいるんですか」
はにゃあっ
「あ いえ あの その あぅ えぅ」
いや いや いやぁっ
そ そんな 汚物を見るよーな蔑みの瞳で見ないで下さいっ (←気のせい)
私は清廉潔白 じゃありませんけれど でもでもでもぉ
はっ
も もしかして二人とも
賞味期限がとっくに切れたオバサンが 色気づいてんじゃねーよ
なんて 思っているんじゃ
「う うえっ うええっ ええ〜ん」
「わ どうしたのお母さん」
突然泣き出した私を心配げに見つめる名雪
「えう えう えう」
「お母さん 泣かないでよ」
「えぐ えぐ えぐ えぐ」
「ああ どうしよ どうしよ」
「落ち着け名雪 お前までパニックになるな」
「うー うー わたし 早朝マラソンに行ってくるよ」
「ちょっと待て おい 逃げるなっ」
「いってきまーす」
ずどどどどどどどど
「おおーい こらあっ」
「ぐしゅぐしゅぐしゅ」
「ああっ 秋子さん 泣きやんでください」
「だって だって」
「だって なんですか」
「祐一さん 私のことを 賞味期限の切れた女だって 思ってらっしゃるんでしょう」
「なんですか それ」
「えぅー」
私がみっともなく泣いていますと
「秋子さん」
祐一さんが私のほほに手を添え そっとお顔を近付けて
ちゅっ
「ふぇ」
ちゅっ ちゅっ
「にゃ」
く くちびるが
ゆういちさんのくちびるが
わたしのほっぺたとくちびるに ちゅって さんかいも
「落ち着きましたか」
「ふみゃ」
あ ああ 祐一さんのお顔が 目の前に
「あ いえ あの その わ 私」
どっきんどっきんどっきん
「秋子さん」
「は はいっ」
「俺は秋子さんのこと 賞味期限切れだなんて思ってませんよ」
「え」
「食べてみせましょうか」
どさっ
「きゃ」
しゅるしゅる するする
「あ あの 祐一さん?」
「いただきます」
「え あっ ああっ」
あ あ あ
わ 私 食べられてます 食べられちゃっていますぅぅ
「………………………………………………………………………………………………あん♪」
・
・
例えばご飯時
小食の方に「もっとお召し上がり下さい」と無理に勧めるのは 礼節に欠いた行為です
でも その場の雰囲気と言いますか 流れというものも確実にあるわけでして
いえ 特に深い意味はないんですけど
「祐一さんは 小食ですか」
「へ?」
「いえ なんでもありません」
もぞもぞ
「祐一さん お代わりはいかがですか」
「いいんですか」
「ええ 遠慮なくどうぞ」
「じゃあ いただきます」
がばっ
「きゃあっ♪」
本当に深い意味はありませんよ
「あっ はあっ あっ あっ あはん♪」
はふん
・
・
「ただいま〜」
「おかえりなさい 名雪」
「ただいま あ お母さん元気になったんだ」
私を放って逃げておいて 何を言っているんですか
でも おかげで色々いいこともありましたし 許しちゃいます
今なら どんなことでも許せてしまえる気分ですし♪
「ほへー」
「お母さん よだれが垂れてる」
「ふぇっ」
あ あら 私ったら
祐一さんに召し上がっていただいているときのことを思い出して 呆けてしまいました
ああ でも本当に素敵でした♪
ベランダで太陽の光を浴びながら 犬食いしていただいていたときなんて
青空の下でのご飯は 特に美味しく感じられると言いますけれど
もう何度も何度も何度も何度も 気持ちよくなってしまって
「ほへー」
「お母さん よだれ よだれ」
「ふみゃ」
あらあら
「ところで 祐一はどうしたの」
「祐一さんなら お休みしていらっしゃいますよ」
いくら祐一さんがお若くても あれだけ召し上がれば仕方ないですよね うふふっ♪
満腹でしょうか それとも空腹でしょうか まあ どっちでもいいです
食中毒だなんて言う人 嫌いです
「ふーん 祐一 休んでるんだ」
名雪の瞳が キラリと輝きました
「じゃあ つまみ食いしてこようっと」
ぴくっ
「えへへ〜」
顔をほころばせて階段に向かう名雪
「名雪 待ちなさい」
「なあに お母さん」
一瞬 私と名雪の間に バチバチと火花が散りました
「……」
「……」
私はにっこり微笑んで
「ご飯は大勢で食べたほうが美味しいものよ」
重くなりかけていた空気が ふしゅーんと雲散霧消しました
「それもそうだね」
「そうよ うふふ」
「えへへ」
早足で階段を駆け上がる私と名雪
「まあ名雪ったら 廊下で服を脱ぐなんて お行儀が悪いわよ」
「お母さんこそ」
「あらあら」
どかーんっ 蹴破るような勢いでドアを開いて
「祐一〜」
「祐一さん」
まとわりついていた衣服を放り投げて
「な なんだ うわっ」
どさどさっ 祐一さんの待つベッドに飛び込みました
「ご飯の時間だよ〜」
「うふふっ 親子丼です♪」
じたばた もがもが
「ちょ ちょっと 二人とも」
「ほら 食べて 食べて♪」
「熱いうちにお召し上がり下さい♪」
ぶちっ
「秋子さんっ 名雪っ」
がばっ
「きゃん♪」
「うふん♪」
ふと 祐一さんは満腹なのではと思いましたけれど
「あ あぁっ あぁうっ ふぁっ ぁはぅっ ふぅっ うぅんっ んっ んぁっ あぁあぅっ♪」
全っっ然 杞憂みたいですね
スンゴイ勢いで召し上がっていらっしゃいます
「あっ あっ ゆ 祐一っ そ そんなに がっついたらぁっ あっ ああっ あぁうっ あっ わ わたしっ あっ あっ ああーっ」
名雪が あっさり食べられちゃいました
「ふにゃあん♪」
ぐったり寝そべる名雪
「祐一さん 卵ばかりではなく 鶏肉も召し上がって下さい♪」
「はいっ 勿論いただきます」
がばっ
「あはん♪」
もがもが もがもが
「あっ あっ お 美味しいですかっ?」
「はいっ」
「はっ はぁあっ ぁはぁっ あっ はぁっ あっ ああっ ああんっ♪」
私も すぐに食べられちゃいそうです♪
・
・
「ふう はあ ふう はあ」
「うふふ 祐一さん 脂ののった鶏肉は如何ですか?」
「新鮮な卵もあるよ〜」
「ちょっと待った 俺は食休み中だ」
「ふーん」
「そうですか」
私と名雪はアイコンタクトをして
「じゃあ 祐一を食べちゃえ〜♪」
「うふふっ いただきます♪」
がばっ
「こ こらっ 二人とも おおっ」
もがもが
「はむ はむ はむ」
「んっ んふ うふ んふっ うふん♪」
「うう うっ ちょ ちょっと待った」
「待たない (1秒)」
「待ちません (0.1秒)」
もがもが もがもが
「えへへ 早くしないと みんな食べちゃうよ」
「ぐっ ぬおおっ」
ぐいっ どさっ
「きゃん」
「食休み終わり お代わりいただきますっ」
「あ あんっ 祐一 そんな」
「お肉と卵 同時になんて」
「大丈夫 俺は大食いですから」
がばっ
「きゃあっ あん あん あん あん ああっ♪」
「はっ はあっ ああっ あはぁん♪」
もう食べているのか食べられているのか分かりません♪
愛のコント劇場『お茶目な秋子さん 妻みぐい編』 おしまい
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星牙でございます。
マキ「マネージャーの小原マキです」
我ながら、言い訳不可能なサブタイトルと内容だネ。
マキ「ネじゃない」
うぃ。
それにしても、困ったことがある。
マキ「わらわは常日頃からそなたのことで困っておるが、何じゃ」
考えなしに増やしていったせいで、『皆瀬秋子情欲シリーズ』の番号と副題が思い付かない。
マキ「……」
ああ、無言で帰らないで!
取り敢えず、確定しているものを列挙してみよー。
1:情欲未亡人
2:情欲女教師
3:情欲家政婦
4:情欲秘書
13:情欲家政婦第二夜
28:情欲旅籠(はたご)
38:情欲未亡人第二夜〜隷属淑女〜
50:情欲未亡人第三夜〜狂艶情婦〜
52:情欲未亡人第四夜〜嬌悶叔母〜
これ以外に番数不明(未確定)の情欲ウェイトレスがあります。後は、小生の書いたものではないけど、34に司書が入ってます。外伝は今回は省きました。
マキ「列挙されているのを見るだけで、禍々々々(まがまがまがまが)しい気配が伝わってくるぞ」
むい。
それにしても、番数が飛びすぎだネ。40番台なんて、一つもないヨ。
マキ「ネでもヨでもない」
うぃ。取り敢えず、52以降の番数はしばらく手控えることにしよう。
マキ「そもそも、番数分のタイトルを思い付けるのか? 12/52で、40タイトルもあるぞ」
そんなにあったのか。ごめん、無理(即答)。
マキ「ツァイッ!」 ゴギァ!
ぅぎゅ。
案としては幾らでもあるんだけど、本編に絡めさせるのが大変とゆー本末転倒な悩みがついてくるのだよ。
『こーゆーのを読みたいから書いて下さい』、『コレがないのはウソだろ?』等のリクエストがありましたら、メールを下さい。小生の琴線に触れて、かつ本編に絡ませられそうな題材でしたら、描きます。
マキ「安請け合いするな」
大丈夫。……………多分。
後書きがえらい長さになってしまった…お読みいただきありがとうございました。
マキ「それでは、ご機嫌よう」
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