愛の劇場『お茶目な秋子さんR誕生日編 おまけ完結編』
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夕食(?)が終わり、食休み代わりにテレビを見ていると、いつの間にか名雪と秋子さんの姿が見えなくなっていた。
「お風呂かな」
メイドさんごっこをしていても、お風呂ぐらい入るだろう。見ているだけで気持ちの和むメイドさんが居なくなってしまったのが、何とも言えず寂しいけど。
起きていてもすることもないし、少し早いけど、もう寝るか。
「よっと」
ソファから立ち上がって、居間を出た。
階段を昇って部屋に入ると、もう見慣れてしまったキングサイズベッドが眼に入った。
「ん?」
ベッドの真ん中辺りで、掛け布団が盛り上がっているのが見えた。膨らみはちょうど人ぐらいの大きさで、数は二つ。
「……」
…さて、どうしよう。見なかったことにして、居間に戻ってソファで寝たりすると、間違いなく二人とも拗ねるだろうし。
「ふう」
諦めて、溜め息を吐く。仕方がないと思いながらも、浮き浮きした気持ちも確実にあったりする。
掛け布団の端を持って、そろそろと捲り上げていく。
「……」
案の定、名雪と秋子さんが躰を丸めて寝転んでいた。
「旦那様、お布団を温めておきました」
秋子さんと名雪は躰を起こすと、ベッドの上で正座をして、にっこり微笑みながらお辞儀した。
「ええと…はい、どうも、ご苦労様です」
何と言えばいいのか分からず、取り敢えずお辞儀を返す。
ちょこんと可愛らしくベッドに正座した名雪と秋子さんは、ひざの上に両手を添えて、俺を上目遣いに見上げた。
「ご主人様。今日のわたし達は、いかがでしたか?」
「へ?」
「メイドとして、旦那様に満足していただけたでしょうか」
説明を足して、名雪の言葉を補う秋子さん。
「ええと」
正直、名雪も秋子さんも甲斐甲斐しくて可愛くて、充分すぎるほど満足した。そもそも、最初から文句を付けられる立場じゃないし。
「……」
でも、やっぱりこういうときは…。
「駄目。不合格」
首を振ってそう言うと、名雪と秋子さんはしょんぼりと項垂れた。
「二人とも、メイドさんとしての心構えが足りてない」
俺はベッドに乗りながらそう言い、
「……だから俺が、再教育する」
二人を勢いよく押し倒した。
「え…きゃあっ」
「あんっ」
悲鳴をあげながら、脚を振り上げて仰向けに倒れる名雪と秋子さん。俺は左手で名雪、右手で秋子さんの服を脱がし始めた。
「あっ、ああんっ♪ …はい、旦那様っ。不出来なメイドの秋子と名雪を…あんっ♪」
「はぅっ…どうぞ、再調教して下さい…きゃあ♪」
調教じゃなくて教育だけど、まあいいか。
「ていっ」
名雪と秋子さんのメイド服を一息に剥ぎ取った。
「あれーっ♪」
「きゃーっ♪」
・
・
「あっ…ああ、あぁんっ…はぁ、はぁっ…だ、旦那様…っ、…あっ!」
仰向けになって、両腕を頭の腕に上げた格好の秋子さんが、リボンで目隠しをされた顔を左右に振って身悶え、震えた声を上げた。
「えへへ…お母さん、可愛い♪」
名雪は秋子さんの頭の側で四つん這いになって、秋子さんの手首をベッドに押さえ付けながら、蠱惑的な媚笑を浮かべている。
二人とも下着を脱いで、ガーターベルトとストッキングに、お揃いのホワイトプリムしか身にまとっていない。
俺は秋子さんの躰にまたがって、その豊熟な乳房を揉みしだいていた。
「あっ、あぁうっ! …はっ、はぁっ、はっ! あっ、あっ、あああっ!」
秋子さんが躰を仰け反らせて、感極まったような啼き声を上げた。目隠しされていることがよほど性感を刺激するのか、既に秋子さんは胸だけで二回は絶頂を迎えている。
「はっ、はぁうっ、うぁっ…! …こっ、こんな…あ、あぁっ、はぅっ! …んっ、ふぅ、はぅっ、あぁうっ…!」
全身をぶるぶると震わせながら、引きつった喘ぎ声を漏らす秋子さん。強めに乳房を揉み上げ、捏ねるように弄ぶと、秋子さんの躰はエビのように跳ねた。
「はぁんっ、ぁんっ、ぁんっ、あぁんっ! ぁうっ、うぁあぁ…ふぁあぅっ!」
かん高い声が上がるのと同時に、秋子さんの躰が電気が通ったように強張り、ふわっと弛緩する。また絶頂に達したらしい。
「はっ、はぁっ、はぁっ…ああ」
目隠しされた顔を真っ赤に火照らせた秋子さんは、ふらふらと頭を揺すって絶頂の余韻に浸っている。
名雪が俺譲り(名雪曰く)の、意地悪い媚笑を浮かべた。
「えへへ…ほら、お母さん。休んじゃだめだよ」
名雪は片手で器用に秋子さんの両手首を押さえると、波打つ乳房に手を伸ばし、揉み始めた。
「あっ、ああっ?」
ぶるぶるとわななき、躰を固くする秋子さん。
「わ、お母さんのおっぱい、ふわふわしてる」
名雪はくすくす笑いながらそう言うと、円を描くように手の平を動かして、秋子さんの乳房をまさぐりだした。
「あっ、あんっ、んぁうっ! …な、名雪なの? …あ、あっ…だ、だめ…やめてっ…ぁふん!」
秋子さんがかぶりを振りながら、弱々しい声で言った。
「えへへ…お母さんはこう言ってるけど…ご主人様、いかが致しますか?」
名雪は顔を上げて瞳を細めて、媚笑しながら訊ねてきた。俺は当然、
「今はお仕置き中だから、いいだろ」
いいわけないだろ、という気持ちは棚に置いておいて、そう答えた。
「じゃあお母さん、そういうことだから…」
名雪はうっとりと微笑み、秋子さんの乳首を指先で転がすようにいじりだす。
「ひゃあっ、あっ、あぁあぅっ! …あ、あっ! そんなっ…あっ、はぅっ、はぁうっ!」
「じゃあ、こっちは俺が」
空いている方の乳房に手を伸ばし、揉みしだく。
「あっ、あぁあっ! …ふぁっ、はぁっ、あぁふっ、ぁふぁっ、あぁあぁーっ!」
左右の乳房をいじられ、秋子さんは顔を真っ赤にして喘いだ。
「すごいね…お母さんのおっぱい、干し立てのお布団みたいに温かくて、ふかふかしてる」
飽きずに小さな手の平で秋子さんの乳房をまさぐっていた名雪が、そんな感想を漏らした。
「祐一…じゃなくて、ご主人様がいっつも幸せそうな顔して触ってる理由がちょっと分かったよ」
「わざわざ言わんでいい」
俺の突っ込みを聞き流した名雪は、乳房を揉む手を緩めずに、躰を屈めて乳首に唇を寄せた。
「えへへ…んちゅっ」
名雪は蠱惑的な媚笑を浮かべると、迷わずに秋子さんの乳首を口に含んだ。
「あっ、ああっ、ああーっ!? あっ、あ、あぁっ!」
目隠しをされて状況が分からない秋子さんは、不意を突かれて、ぶるぶると躰を震わながら、掠れた声で悲鳴を上げた。
「あっ、あっ、あ…! んくっ…ゆ、祐一さんなんですかっ? それとも、名雪……あぅっ!」
「…んふ…んちゅ、ちゅっ…んぅっ、ちゅ…ちゅっ」
秋子さんの問い掛けに答えず、乳首を吸ったり舐めたりし始める名雪。
「あぁっ、あっ、あっ、あーっ! …はっ、はふっ、ぁふぅっ、ふぁうっ!」
秋子さんの唇から感極まった嬌声がほとばしり、全身が激しく跳ね上がる。
「…ん、んっ…んちゅっ、ちゅっ…んぅ、んんっ…ちゅっ、ちゅっ」
十数年ぶりに母親の乳首に吸い付いた名雪は、恍惚とした表情を浮かべて、一心不乱に舌と唇を這わせている。
名雪にばっかり吸わせているのも悔しいので、俺も負けじと秋子さんの乳首に吸い付いた。
「きゃああーっ! …ああっ、あっ、ああっ! だ、だめぇっ…そ、そんな…あっ! そ、んなっ…! あふぁっ、だめ…二人ともっ、あぁうぅ!」
秋子さんは引きつった悲鳴を上げて、ばたばたと躰を揺すった。まあ普通は、左右の乳首を同時に吸われた経験なんてないだろうし。
その仕草に嗜虐心を刺激された俺と名雪は、より強く秋子さんの躰を押さえ付ける。
「えへへ…だめだよ〜、お母さん」
「今は、お仕置き中ですから」
一旦唇を離してそう言い、すぐにまた秋子さんの乳首に吸い付く。
「あっ、あっ、ああーっ! …だっ、だめっ、許してっ…あっ、ああっ、あぁあぁっ!」
秋子さんの躰は、引きつったように何度も強張りながら、ベッドの上で跳ねた。
・
・
秋子さんのお尻の肉を揉みながら、腰を強く押し出し、何度も子宮口を叩く。
「んぁうっ、あぁうっ、ぅあぅっ、ぁうっ、はぅっ!」
仰向けになった秋子さんは、低い声で喘ぎながら、乳房を激しく前後に揺すって身悶えている。
「ぁふっ、ふぁうっ、ぅふぁっ、あっ、あっ、あ……あぁあぁ――っ!」
秋子さんが上半身を仰け反らせ、大きな嬌声を上げた。
「…ふっ、ふぅっ、ふはっ、はぁっ、はぁ、はぁっ…」
絶頂を迎えても、秋子さんは喜悦している様子はない。反対に怯えた様子で、声を震わせながら、
「はぅっ、うっ、うぁ…だ、だめ…もう…だめです…うぅあっ!」
俺は何も言わずに、腰を強く押し出して、再び秋子さんの深奥をえぐった。
「あぁっ、はぁっ、はふぁっ! …だ、だめぇ…こっ、こんな…わらひ、壊れちゃいまふぅ…ぅんっ、んぅっ、んぅあっ!」
頭を振って髪の毛をベッドにこすり付ける秋子さんに、名雪がくすくす笑いながら囁きかける。
「えへへ…お母さん、これはご主人様のお仕置きなんだから、我慢しないといけないんだよ」
「あっ、あぁうっ、あふっ、ぁふぅっ、ふぅあっ、あっあぁっ! …はっ、はぅっ、うんんっ…はぁ、はぁ、はぁっ!」
秋子さんは半開きにした唇の端からよだれを垂らして、名雪の声が聞こえているのかいないのか、ぶるぶるとかぶりを振った。
目隠しをされたうえに、両手首を押さえ付けられて、かつてないほど性感を昂められた秋子さんは、激しい絶頂の荒波に飲み込まれて、失神と覚醒を何度も繰り返す。
「…んっ、ぅん、んんっ、んぁあぁーっ! …はぁ、ふぁっ、はぁっ、はっ、ああっ、ぁふぅっ!」
秋子さんの躰は濃い薔薇色に火照り、全身から発せられる芳ばしい秋子さんの女香と、止むことのない情痴の嬌声に、頭がくらくらする。
「はっ、はぅっ、ぅふぁうっ、ふぅあっ、はぅっ、ふぅっ、ぁふっ、ふぅっ、ぅふぁっ、あぁうぅ! …んっ、んん……はぁあぁーんっ!」
秋子さんは躰を仰け反らせて、また絶頂に達した。秋子さんの粘膜が引き締まり、深奥から大量の蜜が溢れてきたのが分かった。
「…ん」
そろそろ、限界が近付いてきた。俺は少し注挿を浅くして、秋子さんに呼び掛ける。
「秋子さん」
「…ふぅっ、ぅふぅっ、ふぅっ、ふっ、ふぁっ、…ふぁあぃ? んぐっ…なんれひょうか…」
夢見心地のような呂律の回らない声音で、秋子さんが小首を傾げた。
「そろそろ…」
せん妄状態になっていても、秋子さんはすぐに俺の言いたいことを察して、こっくりとうなずいた。
「ふぁいっ、いふでも…んくっ、…どうぞぉ…」
よたよた頭を振っている秋子さんの髪の毛を撫でて、落ち着かせてから、俺は秋子さんのお尻を持ち上げる。腰を高くして、深い角度で秋子さんを突き崩すように動き始めた。
「あっ、あっ、ああーっ! …ぅあっ、ああっ、あっ、あぅうぁっ! …ひぁっ、ぁふぁっ、んぁあぁーっ!」
敏感な秋子さんの躰がすぐに過剰に反応し、目一杯に開かれた秋子さんの唇からあられもない嬌声が溢れ、蜜壷も激しく蠢動し始めた。
「はぅっ、うっ、うぁっ、ぅあぅっ、あぅっ、あぅんっ、んぁっ、んはぁっ! …はぁんっ、んはぁっ、あっ、あっ、ああ――っ! あーっ、あーっ、ああああ――っ!」
裂帛の喘ぎ声をほとばしらせて、秋子さんは全身を跳ねさせながら身悶える。秋子さんの昂ぶりに呼応するように、俺の動きも激しくなっていく。
「はぁうっ、ぅんっ、んぁっ、あぁんっ、あんっ、んっ、んぁっ、ぁはぁっ、はっ、はっ、はぁあぁ! …ぅんんっ、んっ、んぅう…っ!」
秋子さんのお腹が震えて、過呼吸のように小刻みな息遣いが漏れる。
「…ふぅっ、うぅっ、ぅんっ、んん……っ、ひぁあぁあぁあぁぁ―――っ!」
秋子さんの全身が限界まで弓なりに反り返り、秋子さんはかぶりを振りながら、悲鳴じみた最後の嬌声を上げた。同時に、秋子さんの粘膜が激しく振動しながら収縮する。
「…う!」
血の気が引くような圧倒的な快感と共に、俺は秋子さんの体内で力尽きた。
「あぁっ、あぅっ! …んっ、んん…熱いっ…」
秋子さんは大きく躰を揺すり、うわ言のように呟いて、全身を弛緩させた。
・
・
「…はふぅ〜、ふぅ〜、はぁ〜、ふぅ〜…」
目隠しをほどかれた秋子さんは、真っ赤に火照った肢体を仰向けに寝転がせたまま、大きく胸を上下させて呼吸を整えている。
「ふひゅう〜…はぁ〜…ふぅう…」
ようやく呼吸を整えた秋子さんが、物憂げな溜め息を吐いた。
名雪が秋子さんの髪の毛を梳いているので、俺は背中を撫でていると、
「…んん」
秋子さんが腕を支えにして、躰を起こした。
「……」
秋子さんはしばらく虚ろな瞳で俺を見据えると、ふらりと倒れ込むように自然な仕草で俺に覆い被さってきた。
「うわっ」
まだ温かく火照っている秋子さんの肢体が、するすると絡み付く。
「あっ、あ、秋子さん?」
「…旦那様…大切なお話しがあります」
秋子さんが俺の耳元に唇を寄せて、切羽詰まった口調で囁いた。
「なんですか」
秋子さんの顔を覗き込み、熱く潤んだ瞳を見つめる。
「…実は…」
甘くとろけた声音で呟き、うずうずと全身をすり寄せる秋子さん。
「は、はい」
秋子さんの柔らかみから離れるように、少し躰を離す。
「…えいっ」
「うわっ」
突然、秋子さんが体重を掛けてきて、不意を突かれた俺は、仰向けに押し倒された。
秋子さんはまだ真っ赤なままの顔で、俺の顔を覗き込んだ。
「ふぅっ…旦那様、ご無礼をお許し下さい。…秋子はもう、自分を抑えられません」
切羽詰まった表情を浮かべ、抑揚のない声で呟く秋子さん。
「先に申し上げておきますけど、『メイドだということをいいことに、随分と苛めて下さいましたね』とか、そんなことは一切考えておりません」
「ギク。…いえ、あの、すいません」
俺がそう言うと、秋子さんは瞳を細めてにっこり微笑んだ。いつの間にか、秋子さんの躰がうずうずと揺すられ始めている。
「うふふ、何をおっしゃっているんですか、旦那様。私は従順なメイドですから、謝っていただかなくても結構ですよ」
「で、でも秋子さん、怒っているんじゃないんですか?」
秋子さんはくすっと小さく媚笑を浮かべて、
「まさかそんな、滅相も御座いません。『お返しに、奉仕の名目で祐一さんを思いっ切り苛めて差し上げます』とか、そんなことは一切考えておりません」
血の気が引いた。
「お、俺、もう寝ますっ。お休みなさい」
慌ててもがき、逃げようとあがく俺。
「まあ、何をおっしゃっているんですか、旦那様」
秋子さんは朗らかに微笑みながら、見事な体重移動で素早く俺を掛けて抑え込んだ。
「ああっ」
秋子さんは舌を出して俺のほっぺたを舐めた。
「うふふ…朝まで眠らせませんよ」
「い、いえ、あの、でも」
秋子さんの美貌に、凄艶な媚笑を浮かぶ。
「遠慮なさらないで下さい。秋子は、旦那様のメイドですから」
「だから、遠慮とかじゃなくて…」
逃げ場がないか目線を巡らせていると、にじり寄ってきていた名雪と眼が合った。
「えへへ…ご主人様、メイドの本分はね、ご主人様に身も心も尽くすことなんだよ」
「そういうことです」
名雪と秋子さんはにっこり微笑み、声を揃えて、
「「尽くしてあげちゃいます♪」」
「あー」
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朝まで搾り尽くされた。
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翌日。
所用を済ませて家に戻ってきた俺は、昨日の天国のような地獄のような極楽(←?)を思い出して、ドアの前で立ち止まった。
「……」
音を立てないように恐る恐るドアを開けて、家の中の様子を伺う。取り敢えず玄関には、秋子さんも名雪も居ない。
息をひそめながら玄関に入って、三和土で靴を脱いでから、足音を忍ばせて階段を昇った。部屋の前まで名雪にも秋子さんにも逢わずに来られて、ようやくほっとする。
「ふう」
安堵の溜め息を漏らして、部屋のドアを開ける。
「にゃ〜」
「うにゃあん」
ダッ! 背中を向けて、一目散に逃げ出した。
「うにゃーっ!」
「にゃうーっ!」
階段に向かう途中の廊下で、凄まじい速度で追いすがってきた二陣の疾風に、両脚と右腕を捕まえられた。
「ああっ」
「うにゃあ♪」
「にゃんにゃんにゃん♪」
そのまま廊下を引きずられて、部屋に連れ込まれる。
「ああー」
「にゃっ」
為す術もなく、部屋に放り込まれた。
フローリングの床に座り込んだ俺は、ドアの前に陣取っている二人…いや、二匹のケモノに話し掛けた。
「ふ、二人とも、その格好は?」
名雪はいつものブラウスにスカート、秋子さんも見慣れたカーディガンと巻きスカート姿だ。…だが、何故か二人の頭には猫耳が生え、スカートからは尻尾が出ていて、ぴこぴこ揺れている。
「ねこさんだにゃー」
猫語を(?)喋りながら、うにゃっと微笑む名雪。
名雪と秋子さんはちょこんと俺の目の前に座り込んで、にっこり微笑んだ。
「昨日は、祐一さんにゆっくりくつろいでいただく予定でしたにょに、あまりお休みしていただけませんでしたにゃ」
むしろ昨日は普段の四割り増しぐらいで酷使されたよーな気がしますけど。
「わたしもお母さんも、反省したんだにゃ」
猫耳をしょぼんとうなだれさせて、ぺこっと頭を下げる名雪と秋子さん。………いかん。一瞬、気が遠くなるほど、激しく気持ちを揺さぶられた。
「そ、それで?」
動揺を押し隠して、二人に訊ねる。名雪はにこっと微笑み、
「今のわたしとお母さんは、ただのねこさんなんにゃ。お疲れの祐一の気持ちを癒すにゃ」
「ペットセラピーですにゃ」
秋子さんはしずしずと身を寄り添わせると、俺の手を取って、自分の頭の上に置いた。ふわふわの猫耳の感触が、手の平に気持ちいい。
反射的に手の平を動かして、秋子さんの頭を撫でる。
「うにゃあ♪」
幸せそうに顔をほころばせて、ふにふに身悶える秋子さん。
「にゃう、わたしも〜」
名雪も反対側に寄り添い、頭を突き出した。名雪の頭の上で、猫耳がぴこぴこ動く。…いったい、どーいう構造になっているんだ?
不思議に思いながらも、名雪の頭の上に手を置いて、猫耳の生えた空色の髪の毛を撫でる。
「にゃん♪」
秋子さんはとろんと潤んだ瞳で俺を見上げて、
「…祐一さん…もっと、お願いしますにゃ♪」
言われた通り、秋子さんの頭を撫でる。
「にゃあん♪」
秋子さんはぶるぶると躰を震わせて、歓声を上げながら抱き付いてきた。
「あぅっ」
「うにゅ〜…祐一、わたしも撫で撫でして〜。にゃ〜、にゃ〜」
甘えた声を上げる名雪の頭を撫でる。
「ふにゃん♪」
ぎゅっとしがみついて、うずうずと躰を震わせる名雪。
「にゃあ…ごろごろ」
可愛らしくのどを鳴らしながら、匂い付けをするようにふにふにじゃれつく秋子さん。
「……っ」
バシッ、と頭の中で何かが弾けた。
「名雪、秋子さんっ」
二人の腰を抱き寄せて、押し倒した。
「にゃんっ♪」
「うにゃあ♪」
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・
翌朝まで、猫の啼き声…もとい、鳴き声が止むことはなかったとさ(昔語り風)。
愛の劇場『お茶目な秋子さんR誕生日編 おまけ』 おしまい
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星牙でございます。
マキ「マネージャーの小原マキです」
これにて『お茶目な秋子さんR誕生日編』はおしまいです。
マキ「もはや誕生日と全然関係なくなっとるぞ、おい」
細かいことは気にしてはいけないヨ。
本編の祐一が大人しかったから、おまけの方は嗜虐性を高くしてみたんだけど、上げすぎたネ。
マキ「うむ」
目隠しした秋子さんを二人がかりで押さえ付けて襲ったのは、チョイとやりすぎでした。
心残りとしては、猫化した秋子さんと名雪女史のラブシーンが書けなかったことかな。
マキ「そんな事が心残りとゆーのは、何かしら問題があるように思えるが」
気のせいだヨ。
『お茶目な秋子さんねこねこ編』(←酷似したタイトルのSSを発見して、血の気が引いた問題作)でも、猫化秋子さんとのきちんとしたラブシーンは書かなかったし、書いてみたかったんだけど、オチにしてある以上、書いてしまうと堂々巡りになってしまうので、出来ませんでした。惜しい。
マキ「惜しむな」
むぃ。
お読みいただきありがとうございました。
マキ「それでは、ご機嫌よう」
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