愛の劇場『お茶目な秋子さんR誕生日編 当日その九』
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
「……祐一さん」
秋子さんが、濡れた瞳で俺の顔を覗き込んできた。
「はい? …んぐっ」
俺が顔を上げるのと同時に、秋子さんはにっこり微笑むと、いきなり唇を押し付けてきた。
「んっ、ぅんっ……ふう…」
一、二回のどを鳴らしてから、秋子さんは唇を離した。
「ふぅ…うふふ」
秋子さんは、うっとりと顔をほころばせてから、湯舟の方に顔を向けて、
「名雪、そろそろお湯から出ないと、湯あたりするわよ」
可笑しそうな口調で言う秋子さん。
「へ?」
「……う〜〜〜」
名雪の呻き声が聞こえ、ばしゃんと水音がした。
「うー…熱いよー」
のそのそと湯舟から這い出た名雪が、真っ赤になった肢体をタイル床に転がして呻いた。
「な、名雪、寝てたんじゃなかったのか?」
秋子さんに覆い被さられていて動けない俺は、首を振り向かせて名雪に訊ねた。
「起きてたよ」
ぐてっと横向きに寝そべったまま、瞳だけ俺に向けて答える名雪。
「いつからだ?」
名雪はほえっと瞳を泳がせて、少し考え込んでから、
「よく覚えてないけど、おかーさんがスンゴイ声で啼いてたときだよ」
ゴスッ。思わず後頭部を床に打ち付ける俺。
「あらあら、うふふ」
秋子さんがほほに手を当て、恥じ入るように身悶えた。
名雪は『ふぅ』と大きく溜め息を吐いて、
「おかーさんとおとーさんがえっちし始めちゃってたから、気を利かせて寝たふりを続けてたんだよ。わたし、親孝行な娘だよ」
「自分で言うな」
「うー」
反射的に名雪に突っ込むと、名雪はちょこんと可愛らしく首を竦めた。
「うふふ」
秋子さんは甘えるように身を寄せたまま、微笑ましげに俺と名雪のやり取りを見つめている。
俺は秋子さんに向き直って、
「秋子さ…秋子、そろそろ降りて下さい」
「はい、あなた♪ …んーっ」
にっこり微笑んで、また唇を押し当ててくる秋子さん。
「んぐ」
「…ん…ふ、…うふふ」
去り際にキスをした秋子さんは、たおやかな微笑みを浮かべて、躰を離した。
「それじゃあ、次はわたしだよ」
と、名雪がやけにさり気ない仕草で躰を浮かせて、俺に覆い被さろうと身を乗り出した。
「待てい」
またがろうとした名雪の足首を掴む。
「あん」
バランスを崩して、ドシンと尻もちをつく名雪。大きなお尻が目の前に転がる。
「うっ。…ゴホン、どうして秋子さんの次に、お前が乗るんだ」
桃みたいなまん丸いお尻から眼を逸らし、名雪に訊ねた。
「場の雰囲気に合わせた、小粋な冗句だよ」
尻もちを付いたまま、ほえっと答える名雪。
「合わせなくていい」
名雪はお尻を向けたまま、器用に躰をねじって、俺の顔を覗き込んできた。
「ねーえ、お父さん。お願いがあるんだけど」
ほえほえとした顔を寄せて、甘えた口調で囁く名雪。
「な、なんだよ」
「わたしも、お母さんみたいに背中流して」
ずいっと顔を寄せて、名雪がおねだりしてきた。俺の視界には、名雪ののほほんとした顔しか見えない。
「う」
名雪は子どもっぽい顔をしているくせに、おねだりしたり甘えるときは、急に媚びた表情が上手くなる。
「ねー、ねー、いいでしょ〜」
ぐぐっとさらに顔を寄せる名雪。息が吹き掛かり、鼻が触れ合った。
「わ、分かった。分かったから、離れろ」
「わーい…んちゅ」
名雪はにっこり微笑んで、唇を重ねてから、躰を起こした。その拍子に、火照って真っ赤になった乳房が大きく揺れる。
「はぐぅ」
「お父さん、脚が痛いよ」
あんまり痛くなさそうな声で名雪が言った。
「あ? ああ、すまん」
掴みっぱなしだった足首を離して、軽く撫でてやる。
「…あ…もっと上」
とろんとした声で、名雪が甘えてきた。
「もっと上、じゃない」
肉付きのいい太ももを叩く。
「あんっ。…うー、甘えたい年頃なのに」
俺とお前は同い年だろーが。
・
・
「じゃあお父さん、背中流してね」
にっこり微笑んだ名雪が、いそいそと腰を浮かせる。
「正面を向いたり、四つん這いになったりするなよ」
「…………………………………………」
中腰でお尻を浮かせた格好で、名雪が固まった。
「………うー」
唇を尖らせて拗ねた表情を浮かべた名雪が、上目遣いに俺を見据える。…本気でするつもりだったのか。
「ほら、背中を向けろ」
「うー、分かったよ」
名雪はしょんぼりと肩を落としながら、背中を向けて座り込んだ。
普段は真珠色の名雪の肌が、今は茹であがったように真っ赤に火照っていて、妙に艶めかしい。
「……」
いま叩いた太もももみっしりと肉が詰まっていて柔らかかったし、さっき揉んだ乳房も手応えがよかったし、血色のよくなったお尻も熟れた桃みたいで……。
「だああっ」
軽く頭を振って、いかがわしい考えを追い払う。
「? どうかしたの、お父さん」
不思議そうな顔で俺を見る名雪。
「いや、なんでもないぞ」
「どれで洗うんだ」
秋子さんのときと同じ事を訊く。
「お父さんの手の平で」
バシッ。後ろ頭をはたく。
「どれで洗うんだ」
「うー、お父さんがぶったよ。家庭内暴力だよ。どめすてぃっくばいおれんすだよー。うーうーうーうー」
「唸るな。いいから、どれで洗うんだよ」
名雪をなだめるために、軽く頭を撫でてやる。
「…ん…、イチゴ模様のタオルでおねがいするよ」
くすぐったそうに首を竦めた名雪が、ほつれた髪の毛を束ね直しながら言った。
「これか?」
ピンク色のふわふわしたタオルを手に取り、訊き返す。
「うん、それだよ」
名雪の後ろに陣取って、石鹸を染み込ませる。
「洗うぞ」
「うん」
前を向いたままの名雪が、嬉しそうにうなずいた。
「……。名雪、変な声を出すなよ」
「なあに、変な声って」
前を向いたまま訊き返す名雪。
「いや、分からないならいいんだ」
誤魔化すように、腕を動かし出した。
ふにふに柔らかな丸い背中をこすっていく。
「痛くないか」
手を止めずに名雪に訊ねる。
「うん」
名雪が背中ごと頭を揺すりながら、こくんとうなずいた。
「…んー…」
満足げにのどを鳴らす名雪。
「どうした」
「…うん…すっごい気持ちいい…」
名雪がほわんとした声で返事をする。
「…はぁー…もう溶けちゃいそうだよー」
本当にふにゃふにゃととろけていきそうな声で、名雪が呟いた。
「……」
いかん、変な気分になってきた。背中を流すことに集中しよう。
「痒いところはないか」
「…んー」
名雪はほえっと考え込んで、
「右肩の後ろ」
「ああ」
細い撫で肩の後ろを軽く撫でる。
「…ん……あと、お腹の左」
ぷにぷに柔らかな、わき腹の横を撫でる。
「…あんっ…、…お尻の上…」
言われるまま、尾てい骨の上を撫でる。
「あっ、ああん……はふ」
名雪が掠れた吐息を漏らした。
「はあ、はあ…、…んっと、あとはね、お尻の下…」
「待てい」
うずうず躰を揺すりながら次の注文を出した名雪を押しとどめる。
「なあに?」
名雪が振り向いて、とろんと潤んだ瞳を向けて呟いた。
「なあに、じゃない。もう背中じゃないだろ。後で自分で洗え」
「えーっ。…うー」
ほっぺたを膨らませて、毎度お馴染みの拗ねた表情をする名雪。
もう一度まんべんなく名雪の背中を流して、洗い終わる。
「ほら、終わったぞ」
「うー…おへその下〜」
名雪が名残惜しそうに、甘えた口調で呟いた。
「自分でやれ」
「うー、前も洗ってよー」
名雪はもがもがと肩を揺すって、しつこくおねだりしている。
「駄目だ」
「うー」
「ほれ」
名雪に垢擦りを手渡して、諦めさせる。
「うーうーうーうーうーうーうーうーうーうーうーうーうー」
サイレンと化しながら、しぶしぶ垢擦りを受け取って、こしこしと腕やお腹をこすり始める名雪。
「……」
名雪は腕を持ち上げて、乳房を撫でるように洗っている。
ふるふると波打ちながら、上下に弾む乳房を見ていると、勿体なかったよーな気がしてきた。
「あ・な・た? 何を見ていらっしゃるんですか?」
秋子さんの声がして、背中に重みが掛かった。それと同時に、ぐにゃっとした二つの柔らかみが押し当てられる。
「うわ!」
背後からほっそりとした腕が伸びてきて、胸と腹に絡み付いた。
「うふふ」
秋子さんの可笑しそうな声が、すぐ耳の後ろで聞こえた。
「あっ、秋子さん?」
「あ・き・こ。……ふぅっ」
拗ねた口調の囁き声と共に、耳たぶに吐息が吹きかけられる。
「はぅっ。…あ、秋子」
首を竦めながら振り向くと、にっこり微笑んだ秋子さんの顔が肩に乗せられていた。
「あ、あの、何を…うっ」
背中に押し当てられた乳房が大きく弾み、思わず言葉を詰まらせる俺。
「うふふ、なんとなくです」
にっこり微笑み、可笑しそうに呟く秋子さん。
「なんとなくで抱き付かないで下さいっ」
「いいじゃありませんか」
秋子さんは微笑んだまま、肩口に頬ずりをして、胸と腹に添えた腕を撫でるように動かした。
「ああっ…ううー」
ぴったりと寄り添った秋子さんは、俺の躰を撫でる手の動きは止めないまま、
「うふふ、祐一さんはまだ手足は洗っていませんよね?」
「うう…は、はい」
俺がうなずくと、秋子さんはにっこり微笑んでうなずき返した。
「それじゃあ、私が洗って差し上げますね」
「へ? いえ、いいですよ」
悪い予感といい予感がするから、断る。
「遠慮なさらないで下さい」
抱き付く腕に力を込める秋子さん。柔らかな感触が、さらに強く押し当てられる。
「ああーっ」
「いいじゃありませんか……ね?」
そのまま秋子さんは、ゆったりと躰を上下に揺すりだした。押し付けられた乳房が、撫でるように背中を這う。
「あああーっ。…わ、分かりましたっ。お願いしますっ」
「うふふ」
にっこり微笑んだ秋子さんの瞳が、キラリと光ったよーに見えた。
秋子さんは躰を離して、俺の右隣に陣取った。
「では、洗いますね」
秋子さんが朗らかに微笑みながら言った。その手には垢擦りもタオルもない。
「あの」
どうやって洗うんですか? と訊く前に、秋子さんは俺の腕を取った。
「うふふ…んっ」
ふにゅっと柔らかい感触と共に、俺の二の腕は、秋子さんの豊満な乳房の間に挟まれていた。
「……………………………………………………………………………………………………」
思考が停まる。
「うふふ」
秋子さんははにかむように微笑み、乳房の谷間に俺の腕を挟んだまま、体全体を揺すり始めた。ふわふわ柔らかくて、ずっしりとした質感のある乳房が、左右から二の腕を圧迫する。
「わっ、うわあっ!」
我に返り、身を離そうとする俺。
「駄目です」
俺の動きを読んでいたらしく、秋子さんは素早く俺の肩を押さえ付けた。
「じっとしていて下さらないと、きちんと洗えないじゃありませんか」
ほほを微かに上気させて、優しく諫めるように言う秋子さん。
「ううっ…で、でも」
じっとしているなんて無理です、そんなに不感症ではいられないですよ、とか、そもそも洗えていないんじゃないですか、とか頭で色々思い付いても、口にまで出てこない。
秋子さんは瞳を細めて微笑み、
「うふふ、大人しくしていて下さいね」
肩から降ろした手を左右の乳房に添え、支えるようにしながらふにゅふにゅと弾ませる秋子さん。
「あううあー」
時折腕を引っ掻いていく、乳首の固い感触がー。
躰を洗い終わって、ほえっと俺と秋子さんを見ていた名雪が、ふと口を開いた。
「うー、わたしもそういうことしたいよー」
「え」
秋子さんに腕を挟まれたまま、間抜けた声を出す俺。
「あら、そう? それじゃあ、やり方を教えてあげるわね」
のほほんとした口調で返す秋子さん。
「うん」
あっさりうなずく名雪。
「って、待てい」
「なあに?」
「なんでしょうか」
きょとんとした表情の秋子さんと名雪が、二人揃って可愛らしく小首を傾げて訊き返してきた。二人の本当に不思議そうな表情を見て、気勢が削がれる。
「え、ええと…」
こっちが間違っているよーな気がしてきて、俺が言葉を探していると、
「うふふ、祐一さんは奥ゆかしい人ですから、こういう肌の触れ合いが恥ずかしいんですよね」
秋子さんがほほに手を当てて、可笑しそうに微笑みながら呟いた。
「へ?」
「お父さん、照れ屋さんなんだね」
にっこり微笑んで、納得したようにうなずく名雪。
ちょっと待て、そうじゃなくて、と俺が言う前に、名雪に唇を塞がれた。
「んむっ」
「…んふ…、……お父さん、可愛い♪」
唇を離した名雪は、艶めいた媚笑を浮かべ、上目遣いに俺を見据えた。
「…う」
名雪の色っぽい表情に、言葉を失う俺。
「あらあら、うふふ」
秋子さんは俺と名雪を微笑ましげに見つめている。
「それじゃあ名雪、やり方を教えてあげるわね。こう、腕を持って」
秋子さんが俺の右腕に手を添え、自分の胸の高さに持ち上げた。
「うん」
秋子さんに倣って、俺の左腕を持ち上げる名雪。いきなりレクチャーが始まってしまった。
「こう、おっぱいを上に乗せて」
ずむっ、と重量感のある秋子さんの乳房が二の腕に乗せられる。
「うわああっ」
「えっと、こう?」
ぽゆん、と腕に乗せられた名雪の乳房が弾むように波打つ。
「ああーっ」
秋子さんはにっこり微笑んで、
「名雪は胸が大きいから、私と同じように出来ると思うわ。こういうふうに動かして」
肩を揺するようにして、乳房を左右に揺さぶる秋子さん。
「あーっ」
「んっと、こう?」
秋子さんの方を見ながら、不器用に肩を揺する名雪。
「そうじゃなくて、胸の重みでこするようにするのよ」
優しく手ほどきを続ける秋子さん。
「うん」
こくんとうなずいた名雪が、今度は器用に肩を揺する。重くて弾力のある乳房が、撫でるように腕の上を這う。
「ああーっ」
「そうそう、上手よ名雪」
にっこり微笑んで、名雪を優しく誉める秋子さん。
「えへへ」
はにかむように首を竦めて、嬉しそうに身じろぎをする名雪。ほのぼのしているように見えるけど、俺はぶっ倒れる寸前だ。
肩から手の先までを何往復かしてから、名雪と秋子さんは一旦躰を離した。
「それじゃあ、次の洗い方ね。こう、腕を持って」
また胸の高さまで俺の腕を持ち上げる秋子さん。…まだ続くのか。
「うん」
「躰を前に出して、こう…、…んっ」
胸を張った秋子さんが、腕に乳房を乗せてから、上半身を上下に揺すった。豊満な乳房が左右別々に波打ちながら、俺の腕に絡み付く。
「うわああっ」
「ええと、こうして、こう?」
ぷにょ、と乳房を腕に押し当てるように乗せて、俺の腕を上下に動かしながら、一緒に躰を揺さぶる名雪。
「あぐあーっ」
名雪の柔らかい乳房がふよふよと形を変え、腕をくすぐるように撫でていく。腕全体が舐められているような感覚に、背筋が粟立った。
顔を出して名雪を見守っていた秋子さんは、ほほに手を当ててふんわり微笑み、
「名雪のおっぱいの方が張りがあるから、私より上手に出来るみたいね」
少し残念そうに言い、ずっしりとした量感のある乳房をたぷたぷと俺の腕の上で弾ませた。
「ああーっ」
「えへへ、そうなんだ」
また嬉しそうににっこり微笑み、ぽゆぽゆ乳房を弾ませる名雪。
「あーっ…ううー」
何だか、お水系の店に連れ込まれて、二人がかりで相手をされているような気になってきた。
まあ名雪と秋子さんみたいな美女が二人もいるような店は、世界中探したって無いだろーな…って、そうじゃない。
「ふ、二人とも、ちょっと待った!」
へろへろになりながら、声を振り絞る俺。
「なあに、お父さん」
「なんですか、あなた」
躰を揺するのをやめて、俺の顔を覗き込む二人。
「え、ええと…後は自分で洗いますから、そんなことをしてくれなくてもいいです。ありがとうございました」
だからどーして卑屈になるんだ、俺?
「うふふ、気になさらないで下さい」
ふんわり微笑んで、あっさりした口調で言う秋子さん。
「背中を洗ってもらったお礼だよ」
名雪もほえっと微笑み、どうってことのないような軽い口調で言った。
「いや、あの、でも」
俺が言葉を探していると、
「うふふ、いいじゃありませんか」
「家族のすきんしっぷだよ」
息のあった合いの手で、名雪と秋子さんがまた躰を揺さぶりだした。乳房が弾み、踊るように腕を撫でる。
「ああーっ」
ひとしきり繰り返してから、秋子さんと名雪が腕から胸を離した。
「それじゃあ、次の洗い方を教えてあげるわね」
「うん」
レクチャーが続く。…もうどーにでもしてくれ。
「祐一さん、動かないで下さいね。…こう、胸を持って」
俺に言い置いてから、秋子さんは両手を左右の乳房に添え、支えるように持ち上げた。
「こうして、こう……んっ」
俺に体重を掛けるようにしなだれかかり、さっきと同じように腕を乳房の谷間に挟み込む秋子さん。
「ああーっ」
温かく柔らかい乳脂の感触が腕全体にまとわりつき、包み込まれたような感じになる。
「ふう…名雪も、やってみて」
微かにほほを紅潮させた秋子さんが、名雪の方を見ながら囁いた。
「うん。…えっと、こうして」
俺ににじり寄ってから、おぼつかない手付きで左右の乳房を持ち上げる名雪。
「んっと…えいっ」
少し悩むように間を置いてから、名雪がすがり付いてきた。ふにゃっと柔らかい感触と、むず痒くなるような温もりが伝わってくる。
「うあーっ」
「ふうー…これからどうするの?」
くすぐったいのか、もじもじと身じろぎしながら秋子さんに訊ねる名雪。
「…んっ…躰を、こういうふうに、揺すって…」
ほほを上気させ、上擦った声で答えながら、秋子さんが躰を揺さぶり始めた。撫でられるような感覚と共に、心地よい重みが伝わってくる。
「ああーっ」
「…んっ…こう?」
秋子さんの方を見ながら、名雪も躰を揺すり始める。すべすべした肌触りの餅肌の感触に、電撃のような快感が走る。
「ううあーっ」
やがて慣れてきたのか、名雪の動きが大胆になってきた。
「…はっ、はあ、はあっ、はあ…」
名雪は俺の顔をじっと見つめて、とろけるような甘い笑顔を浮かべた。
「えへへ…おとーさんっ」
うっとりと顔をほころばせる名雪。
「…ふう、はあ…祐一さん…」
秋子さんも瞳を潤ませながら、ゆったりとした動作で躰を揺すり続けている。乳房の谷間に挟まれた腕から、痺れるような快感が駆け上がってきた。
「ああっ、うっ!」
「…はっ…はっ…はぁっ…」
秋子さんは小刻みに荒い呼吸を繰り返し、徐々に俺に躰を預けるように体重を掛けてくる。
「…んっ、ん……はああ」
名雪もとろんと焦点の合わない瞳で俺を見つめながら、胸だけでなくお腹や体全体をすり寄せてきた。
「あっ…ちょ、ちょっとっ、二人ともっ」
これって、夕飯前に居間でされたのと同じ状況じゃないか。あの時は炊飯器が鳴って、事なきを得たけど…。
「…うう…っく」
頭がじんじんと痺れるように熱くなり、考えがまとまらなくなってくる。
「……っ」
バチッ、という音と共に、頭が大きく揺さぶられるような感覚があった。…と同時に、秋子さんと名雪の体重を支えきれず、仰向けに倒れ込んだ。
「うわっ」
下になった俺と、名雪と秋子さんの三人で床に転がる。
「あんっ」
「きゃっ」
俺を押し倒した衝撃で、名雪と秋子さんがはっと瞳をまたたかせた。
「…あ、あら…大丈夫ですか、祐一さん?」
秋子さんは起き上がってから、はにかむようにほほに手を添え、柔らかく微笑んだ。
「うー」
名残惜しそうに俺を見つめてから、名雪も起き上がる。
「は、はい。………はあ」
俺は、安堵と落胆の入り交じった溜め息を吐いた。
・
・
取り敢えず窮地は脱したので、起きようと腕を床に付く。
「あらあら、祐一さんは横になっていて下さい」
と、秋子さんに押しとどめられた。
「へ?」
「これから、脚の方を洗って差し上げますから♪」
何故か微笑みながら言う秋子さん。
「え! い、いえ、いいですよっ」
慌てて起きようとすると、
「えいっ」
素早く飛びかかってきた名雪に、仰向けに押さえ付けられる。
「うわっ」
名雪は俺の顔を覗き込み、にっこり微笑んで、
「えへへ、お父さんはじっとしてないと駄目なんだよ」
何が駄目なんだ、と言おうとして、
「…んぅ」
唇を塞がれて、言葉を失う。
「…んぅ…ふ、…うぅん」
名雪は唇を押し付けたまま、器用に腕を回して、頭を押さえ付けた。そのまま躰をずらして、滑り込むような自然さで俺の上に馬乗りになる名雪。
「…うぅー」
名雪のしなやかな太ももが、俺の腹を圧迫する。
「うふふ。名雪、しっかり押さえておいてね」
名雪に覆い被さられて見えなくなった下半身の方で、秋子さんがやけに愉しげな声で言った。
「…ぅ〜」
顔をほころばせたまま、こくんとうなずく名雪。
「うふふ…それでは♪」
秋子さんが愉しそうに瞳を輝かせるのが、見えたよーな気がした。
「…うぅーっっっ」
のどの奥で呻き声を上げる俺。
「ふぁ…はぁ……、…えへへ」
ようやく唇を離した名雪は、俺の胸にまたがったまま、ほえっと微笑んだ。
「…………」
目線を少し下にさげると、名雪の大きく開かれた太ももの間の、淡い陰りが……。
「…うぐぅ」
精神衛生のために、見ないことにする。目線を上げると、のほほんと微笑んだ名雪の綺麗な顔と、ふっくらと豊かに実った乳房がゆらゆら揺れているのが見えた。
「はうー」
「うふふ」
名雪の躰が陰になって見えない下半身の方では、秋子さんが垢擦りで俺の足を洗ってくれている。
「ううー」
下手に暴れて秋子さんを蹴ったりするわけにはいかないから、脚を動かすこともできない。
「うふふ、気持ちいいですか?」
「はい…」
気持ちいいのは本当だけど、この状況で落ち着くのは無理だ。脚の指の間までが丁寧に洗われて、くすぐったさが背筋を駆ける。
「ああああ」
もう嬉しいだか哀しいんだか分からん。
脹ら脛、ひざ、ももが順番にこすられていく。
「……はっ」
唐突に、恐ろしい予感が脳裏をよぎった。
「あの、秋子さん?」
名雪に覆い被さられたまま、声を出す。
「あ・き・こ」
秋子さんの拗ねた声がして、ぎゅっと脹ら脛をつねられた。
「う。…あのー、秋子」
「はい、なんでしょうか」
嬉しそうに返事をした秋子さんが、微笑みながら名雪の後ろから顔を出した。
「あの、そのへんでもういいです。後は自分でやりますから」
俺がそう言うと、秋子さんはほほに手を当ててにっこり微笑み、
「うふふ、何をおっしゃっているんですか、祐一さん。これからが本番なんですよ」
「え」
秋子さんはまた名雪の陰に隠れた。
「…………うふふ」
なんだか、面妖な気配が伝わってくる。
「ちょ、ちょっと秋子さ…秋子? 名雪、どいてくれ」
「だ〜め〜だ〜よ〜」
可笑しそうに微笑み、名雪は躰を器用に『く』の字に曲げ、俺の頭に腕を回して抱き付いた。
「むぐっ」
豊満な乳房が、顔を圧す。
「えへへ」
そのまま、もじもじとお尻を揺する名雪。
「ううーっっ」
胸とお尻がっ、柔らかな温もりがーっ。
「むーっ」
名雪の胸の下から、抗議の声を上げる。
「あっ、あぁんっ」
乳房に息を掛けられたのがくすぐったかったのか、名雪は上擦った声を上げて、ぶるぶると躰をわななかせた。
「はあっ…もう、お父さんのえっちー」
愉しげに弾んだ声で言い、俺の頭を強く抱き締める名雪。
「むむうーっ」
名雪の乳房に、顔が潰されるー。
「あらあら、うふふ」
見えない下半身の方から秋子さんの声がした。
「あ、すみません祐一さん。笑ったんじゃありませんよ。ただ、感心していたんです………うふふ」
何に? とは怖くて訊けない。どうせ口は利けないし。
「…それでは…」
もそもそと秋子さんが動いた気配の後、下腹部が言い様のない感覚に包まれ、凄まじい快感が押し寄せてきた。
「ううあーっ」
「あんっ。動いちゃダメだよ、お父さん♪」
ぎゅっと体重を掛けて、俺を押さえ付ける名雪。
「むううー」
名雪は首を伸ばして、後ろを振り向いた。
「わ、すごい。そんなふうにするんだ」
一拍置いてから、下腹部が解放される。
「うふふ、後で名雪にもやり方を教えてあげるわね」
秋子さんがのほほんとした口調で答えるのが聞こえた。
「わーい」
わーい、じゃないーっ。
「…むーっ」
絶っっっっっ対に家族のスキンシップじゃないぞ、これはーっ。
《当日 その十に続きます》
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
星牙でございます。
マキ「マネージャーの小原マキです」
お風呂編『フォーエバー ウィズ 湯ー』は長かった。やっぱり小生が風呂好きというのが原因かな。
マキ「いや、わらわはその副題のほうが気になるのじゃが」
意味は『お風呂は日本人の心の故郷(ふるさと)』。
マキ「わけが分からん」
ちなみに作中で祐一が秋子さんと名雪女史にされているのは、マッサージですから(嘘)。
マキ「速攻で(嘘)とかいうぐらいなら、最初から言うでない」
うぃ。
お読みいただきありがとうございました。
マキ「それでは、ご機嫌よう」
戻る